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新しい生活様式に合わせた熱中症対策 感染症対策との両立を 環境省が「熱中症環境保健マニュアル」を改訂

 最高気温が30℃を超える日があるなど、日本列島各地で気温の上昇が相次ぐ中、環境省は「熱中症環境保健マニュアル」を改訂し、対策を呼びかけている。

 コロナ禍における「新しい生活様式での注意事項」もまとめられており、感染症対策との両立についても詳しく述べている。

「熱中症警戒アラート」を活用して予防

 今回の改訂では、令和3年度から全国で運用を開始した「熱中症警戒アラート」について、その概要や活用法を追記。

 熱中症警戒アラートは暑さ指数(WBGT)に基づき、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される場合に、前日の夜から当日早朝にかけて発表される。事前に危険性を知ることで、国民に積極的な予防行動を促すのが目的。

 改訂ではさらに「熱中症を防ぐためには」の項目に、「自然災害時の注意事項」と、「新しい生活様式での注意事項」を加えた。

 「自然災害時の注意事項」では、台風や地震、豪雨などの自然災害で夏期に被災した場合、インフラ障害や避難生活、復旧作業の重労働などで、平時に比べて熱中症リスクが高まることについて言及。避難生活で個人としてできる対策や、避難所開設や在宅避難、救援・復旧作業での注意事項についてまとめ、チェックリストとして項目を挙げている。

感染症対策と熱中症対策を両立 体調に応じてマスクの着用を考えよう

 また「新しい生活様式での注意事項」では、「感染症対策によって熱中症リスクの増大を防ぐことが重要」とし、両対策を両立するポイントをまとめた。そのうえで、場所・場面別の対策として、家庭・学校・労働環境のそれぞれで注意点を伝えている。

 このうち感染症対策と熱中症対策を両立するポイントでは、「体調に応じて、屋外で人と2m以上(十分な距離)離れているときはマスクを外しましょう」と言及している。

 政府は5月、感染状況をふまえ「マスク着用の考え方及び就学前児の取り扱いについて」の中で、「身体的距離(2m以上目安)が確保できる」場合、屋外においては「マスク着用の必要はない」と発表。「身体的距離が確保できない」でも、「会話をほとんど行わない」場合は「着用の必要はない」としていた。そのため夏場については熱中症防止の観点から、屋外の「着用の必要はない」場面でマスクを外すことを推奨している。

 また学校生活においても、体育の授業や部活動、登下校の際などはマスク着用の必要がないとしている。2歳未満の子どもについては引き続きマスクの着用は推奨しない。

 2歳以上の就学前の子どもについては、無理なくマスク着用ができる場合は、保育所などで一時的なマスク着用を勧めるとしてきたが、「他者との身体的距離に関わらずマスク着用を一律には求めない」と変更した(施設内に感染者がいる場合は施設管理者などの判断で着用を求める場合もある)。

 そのほかにもマニュアルは最新の情報に更新。コラムやイラストをふまえて分かりやすくまとめており、マスク着用の政府見解とも合わせて、熱中症対策の啓発に役立てられることが期待されている。

[yoshioka]
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