オピニオン/保健指導あれこれ
産業保健分野の保健指導の実践者と法
日本産業保健法学会 広報委員会(日本産業保健法学会)

No.3 日本産業保健法学会の今後の役割について

日本産業保健法学会 広報委員会
委員長:森 晃爾
副委員長:田中 克俊、小島 健一
主幹:井上 洋一、梶原 隆芳
 2020年11月1日に発足した日本産業保健法学会は、多職種の方々に続々とご入会いただき、2月25日時点で会員数が500人を突破しました。2021年9月に開催予定の第1回学術大会に向けた準備も鋭意進行中で、ますます多くの会員を迎え、充実した学会活動を行っていく予定です。

★「第1回学術大会」の詳細は下記HPにてお知らせします。
日本産業保健法学会「第1回学術大会」

「産業保健法学会」の方向性についてアンケート結果を公開

 学会運営の舵取りを担う本学会の役員・委員がどのような学会づくりを目指しているのかを確認する試みで、学会発足前にアンケート調査を行ったところ、本学会の方向性が垣間見える結果が得られました。今回は、そのアンケート結果をご紹介し、我々のスタンスをお示ししたいと思います。

■アンケート調査
・実施期間: 2020年10月2日~16日
・対象:産業保健法学会 役員・委員
・職種:医師・保健師・看護師・心理職・弁護士・社労士
・労働衛生コンサルタント・教員・研究員
・回答率:36.6%(37人/101人)

役員・委員の考える産業保健現場における現状の課題

 産業保健職の中には、様々な法的な課題を感じている方も少なくないのではないでしょうか?法のあり方を考究し、時代に応じて改善・創造をするためには、現状の課題を的確に認識することが不可欠です。

 まず、本学会を運営する役員・委員がどんなことを課題と認識しているのか、アンケートを行いました。皆さんの皆さんの課題認識と合っているでしょうか?本学会では多くの方々のご意見をドンドン反映していきたいと考えています。

【表1】

今後、本学会が果たすべき役割

 本学会では、産業保健関係者が「法」に係る専門性を高め、「法」を能動的に使う技術と発想を磨く場を提供するとともに、「法」の創造にもチャレンジしていきたいと考えています。そのために本学会がどのような役割を果たしていくべきか、役員・委員の意見を【表2】にまとめました。

【表2】

 皆さんは、本学会にどんな期待をされますか?役員・委員の考える本学会の果たすべき役割は、皆さんのニーズに合ったものでしょうか?本学会が産業保健分野において必要な役割を果たせるように、こちらも多くの方々からご意見を頂きたいと考えています。

今後、交流・意見交換をしたい職種や領域

 学会とは、学者相互の連絡、研究の促進、知識・情報の交換、学術の振興を図る協議などの事業を遂行するために組織する団体を意味します(広辞苑より)。学会をどのようなメンバーで構成するのか、その学会の方向性を決める上で重要です。

 多くの学会が専門分化、細分化の傾向があるのに対し、本学会の役員・委員からは幅広い職種との交流・意見交換を望む意見が多数ありました。

 特徴的だったのは、自分以外の職種との交流・意見交換を望む意見が多数あったことです。本学会は広く門戸を開き、様々な領域の多くの職種の方と交流・意見交換をしたいと考えています。

【表3】

本学会で活動したいこと

 こちらも多様な意見が挙がりましたが、中でも多かったのが「多職種間の交流」です。多職種で行う勉強会や研究会は、従前にはなかった視野や発想を生み出すことでしょう。

 我々は、職種の垣根を越えて、幅広い交流・意見交換を望んでいます。そして、特定の領域だけでは成し得ない大きなムーブメントを起こし、産業保健の進展に大きく寄与できる学会づくりを目指しています。

【表4】

アンケート結果の総括

 産業保健法学会の役員・委員には、多職種との積極的な交流、意見交換、ディスカッションを望む声が多数ある事が分かりました。そして役員・委員自身も本学会に対して多彩な期待を持っており、産業保健現場の課題に対する積極的な関与を求めていることが分かりました。

 また、役員・委員が考えている学会への貢献活動も多彩な方面に渡り、学会には高いポテンシャルが潜在することが分かりました。

 私たちは、多職種の積極的な交流によりシナジーを生み出せる参加型の学会を目指しています。 多くの皆さんと一緒に交流・意見交換を行えることを楽しみにしています。

日本産業保健法学会
日本産業保健法学会 Facebookグループ
→多職種間での交流を目的としたグループです。

著者プロフィール

  • 委員長:森 晃爾</br>副委員長:田中 克俊、小島 健一</br>主幹:井上 洋一、梶原 隆芳
  • 委員長:森 晃爾
    副委員長:田中 克俊、小島 健一
    主幹:井上 洋一、梶原 隆芳
    日本産業保健法学会 広報委員会

    ■No.3 「日本産業保健法学会の今後の役割について」
    主執筆者:梶原 隆芳
    株式会社梶原産業医事務所 代表取締役

    【経 歴】
    嘱託産業医2年、専属10年の経験を経て、2012年4月に独立し「株式会社梶原産業医事務所」を開設。
    現在、15社程の嘱託産業医活動を中心に、セミナー等の講師や運営、原稿執筆などを行う。
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