ニュース

動脈硬化を予防・改善するための食事スタイル 日本動脈硬化学会の「The Japan Diet」

 

 日本動脈硬化学会は、動脈硬化を知り予防するのに役立つ食事として、日本食を中心とした食事スタイルである「The Japan Diet」を提唱している。
 毎食で「主食」「主菜」「副菜」「汁」を揃えることがポイントとなる。
動脈硬化に対策するための食事スタイル
 日本動脈硬化学会は、動脈硬化予防に役立つ食事として、日本食パターンの食事「The Japan Diet」を提唱している。この「The Japan Diet」を参考にして、医師や管理栄養士と相談しながら食事療法に取り組むことを呼びかけている。

 動脈硬化は、糖尿病の早い段階から進み、内臓に脂肪がたまる内臓脂肪型肥満やメタボリックシンドロームとも関連が深い。

 糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満などは、動脈硬化が進むことによって起こる狭心症、心筋梗塞、脳卒中、腎臓病、閉塞性動脈硬化症(下肢の動脈硬化)などを引き起こしたり、進めたりする。

 不健康な食事や運動不足などの生活スタイルを見直すことで、動脈硬化を改善できる。早期から動脈硬化に対策することが求められている。

 医師に「動脈硬化のリスクが高い」と言われたら、まず食事を改善することが重要だ。
食事のポイントは5つ
 「The Japan Diet」とは、和食(日本人の食文化)を中心とした、日本動脈硬化学会が勧める動脈硬化予防のための健康的な食様式(食事スタイル)。65歳未満の人を対象としている。

 具体的に次の食事スタイルを推奨している――。

その1控えたい食品
脂身の多い肉(霜降り肉、ひき肉、鶏皮など)、動物脂(牛脂、ラード、バターなど)、肉加工品(ベーコン、脂の多いハム、ソーセージ)、果糖などを含む加工食品(清涼飲料、菓子)、アルコールを控える
その2積極的に摂りたい食品
魚(とくに青背魚)、大豆・大豆製品(納豆、豆腐、高野豆腐)、緑黄色野菜を含む野菜、海藻、キノコ、コンニャクを積極的に摂る
その3増やしたい食品
精製された穀類(白米、小麦粉)を減らし、未精製穀類や雑穀(玄米、七分つき米、麦飯、雑穀、ライ麦パン、全粒粉パン、ソバ)を増やす
その4適度に摂りたい食品
甘味の少ない果物、乳製品を適度に摂る
その5減塩
塩を減らし薄味にする

 この食事スタイルに沿っていれば、和食以外の料理や味付けでも、「The Japan Diet」と同様の効果が期待できる。
「主食」「主菜」「副菜」を揃えることが基本
 朝・昼・夕の食事では、「主食:炭水化物」「主菜:タンパク質」「副菜:ビタミン、ミネラル、食物繊維」「汁」を揃えることが大切。減塩して薄味にすることも必要だ。

 外食時、コンビニやスーパーなどで弁当や総菜を買うときも同じように考えて選ぶ。

 1日の摂取エネルギー量は、体重や活動量の程度によってそれぞれの人で異なる。さらに、血中のLDLコレステロール値やトリグリセライド(中性脂肪)値によっても変わってくる。

 「The Japan Diet」では、医師から指示されたエネルギーやそれぞれの栄養素を過不足なく摂るために、1日にどのような食品をどれだけ食べたらよいかという目安を、医師・管理栄養士から教えてもらうことを推奨している。

 日本食パターンを基本として、動脈硬化について理解し予防・改善するのに役立つ「The Japan Diet」は、日本動脈硬化学会の公式サイトから無料でダイジェスト版をダウンロードできる。

一般社団法人 日本動脈硬化学会
[Terahata]
side_メルマガバナー

「健診・検診」に関するニュース

2023年08月09日
8020達成率は5割以上 若い世代の歯周病増、口腔ケアが課題に
厚労省「令和4年歯科疾患実態調査」より
2023年08月08日
若い世代でも「脂肪肝疾患」が増加 やせていても体脂肪が蓄積 肥満とどう違う?
2023年07月28日
2022年度版「健診・保健指導施設リスト」状況を報告します【保健指導リソースガイド】
2023年07月24日
標準体重でも3分の1は実は「肥満」 BMIは健康状態をみる指標として不十分 やせていても安心できない
2023年07月11日
自治体健診で高齢者のフレイルを簡便に判定 「後期高齢者の質問票」でリスクが分かる 「フレイル関連12項目」とは?
2023年06月20日
肝臓学会が「奈良宣言2023」を発表 肥満・メタボの人は「脂肪肝」にもご注意 検査を受けることが大切
2023年06月12日
自治体健診で「心房細動」を早期発見 健康寿命と平均寿命の差を縮める 日本初の「健康寿命延伸事業」 大分県
2023年06月05日
要介護認定リスクと関連の深い健診6項目が明らかに 特定健診・後期高齢者健診のデータから判明 名古屋市
2023年05月19日
令和4年度「東京都がん予防・検診等実態調査」 受診者増加のための取組み率は健康保険組合で85%に上昇
2023年05月18日
さんぽセンター利用の5割以上「健診結果の措置に関する説明力が向上」
-『令和4年度産業保健活動総合支援事業アウトカム調査報告書』-
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶