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フレイルとフレイル予備群に対策すれば要介護を3割、死亡を4割減らせる 早期の保健指導が効果的

 東京都健康長寿医療センター研究所は、フレイルとその予備群が地域在住の高齢者の要介護発生や死亡に大きく寄与していることを明らかにしたと発表した。
 高齢者の健康余命を延伸するために、フレイルを的確に評価して、フレイルやフレイル予備群と判定された人に対し早期に、フレイル状態の改善、および要介護化の予防のためのさまざまな働きかけを行うことが必要だとしている。
2020年度から後期高齢者に「フレイル健診」を導入
 研究は、東京都健康長寿医療センター研究所の社会参加と地域保健研究チームの研究部長である北村明彦氏、新開省二副所長らの研究グループによるもの。研究成果は、「日本公衆衛生雑誌」に掲載された。

 日本では、健康寿命の延伸を目標として、「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」が施行されつつある。その一環として、2020年度より、後期高齢者に対する健診の質問票に「フレイル」を評価する項目が導入される(フレイル健診)。

 健診でフレイルを評価し、その改善や予防をはかることにより、その後の要介護や死亡がどの程度抑制できるを明らかにする必要がある。

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フレイルがあると要介護などが1.4~2.1倍発生しやすい
 そこで研究グループは、群馬県草津町の高齢者健診の受診者計1,214人(男性520人、女性694人)を平均8.1年(最大13.4年)の追跡し、フレイルおよび他の危険因子が要介護発生、死亡のリスク上昇に及ぼす影響を検討した。

 フレイルは、以下5項目のうち、3項目以上該当をフレイル、1~2項目該当をフレイル予備群と判定した――。
 (1)意図しない体重減少(半年以内に2~3kg)、(2)「自分が活気にあふれている」の質問に「いいえ」と回答、(3)外出が1日平均1回未満、(4)歩行速度が毎秒1m未満、(5)握力が男性26kg未満、女性18kg未満。

 その結果、要介護発生のハザード比(その因子を有する群が有しない群に比べて、要介護が何倍発生しやすいかを表す指標)は、フレイル、フレイル予備群、認知機能低下、脳卒中既往で1.4~2.1倍と有意に高値を示した。

 一方、要介護発生の集団寄与危険度割合(その因子を取り除くことにより集団全体の要介護発生が何割減少するのかを表す指標)は、フレイル予備群が17%、フレイルが12%と、他の因子に比べ明らかに高率だった。

 死亡についても同様であり、フレイル予備群が24%、フレイルが13%の寄与危険度割合を示した。

フレイル・フレイル予備群に介入すれば要介護を3割、死亡を4割減らせる
 これらの結果は、集団対策として、フレイルおよびフレイル予備群に陥ることを防ぐことで、約8年後までの要介護発生を約3割、死亡を約4割、それぞれ減らすことができる可能性を示している。

 さらに、年齢別に解析した結果から、前期高齢期の方が後期高齢期よりも、要介護発生や死亡に対するフレイルの影響度が大きいことが明らかになった。

 今回の研究成果は、高齢者健診の受診者を対象とした場合、自立喪失(要介護や死亡)にもっとも寄与していた要因はフレイルおよびフレイル予備群であることを示している。

 「フレイルを健診にて評価して、フレイルやフレイル予備群と判定された方に対して、フレイル状態の改善、および要介護化の予防のためのさまざまな働きかけを行うことは、高齢者の健康余命延伸に多いに貢献するものと考えられます。また、そうした取り組みは前期高齢期から開始した方がより効果的であると思われます」と、研究グループは述べている。

東京都健康長寿医療センター研究所
高齢者の自立喪失に及ぼす生活習慣病、機能的健康の関連因子の影響:草津町研究(日本公衛誌 2020年2月15日)
[Terahata]

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