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「睡眠と保健指導」アンケートの結果 9割以上が睡眠保健指導は「必要」と回答 実施できているのは半数
2020年04月07日
「保健指導リソースガイド」は、睡眠保健指導の実態についてのアンケート調査を実施した。保健指導に携わる専門職の9割以上が睡眠の保健指導は「必要」と認識している一方で、実施できているのは半数という実態が浮き彫りになった。
睡眠改善は生活習慣病の予防・改善のキーポイント
睡眠が肥満やメタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病などの生活習慣病と密接に関連し、睡眠障害はメンタルヘルスに重大や影響をもたらすことが国内外の多くの研究で示されている。睡眠への取り組みは生活習慣病の予防・改善につながり、睡眠改善の保健指導は健康推進のキーポイントとなる。
健診・保健指導領域の日本最大級のポータルサイトである「保健指導リソースガイド」は、メールマガジン会員を対象に、睡眠保健指導の実態についてのアンケート調査を実施した。調査結果の概要は以下の通り。
【調査結果の概要】
〇 調査概要
調査概要:【専門職向け】睡眠保健指導の実態調査
調査方法:Webアンケート調査
調査時期:2020年2月18日~3月2日
調査対象:保健指導リソースガイドのメールマガジン会員
主催:保健指導リソースガイド(株式会社創新社) 協力:大塚製薬株式会社 〇 結果概要
有効回答数:302 <回答者の属性>
年代:40代(33.1%)、50代(31.1%)、30代(22.8%)の順に多かった
職業:保健師(61.9%)、看護師(43.7%)、衛生管理者(21.5%)、管理栄養士・栄養士(18.9%)、健康運動指導士(4.6%)の順に多かった
勤務先:企業(50.0%)、保健指導受託・実施機関(8.3%)、病院(7.3%)、健診機関(7.3%)、健康保険組合(6.3%)、都道府県・市区町村(5.3%)の順に多かった
調査概要:【専門職向け】睡眠保健指導の実態調査
調査方法:Webアンケート調査
調査時期:2020年2月18日~3月2日
調査対象:保健指導リソースガイドのメールマガジン会員
主催:保健指導リソースガイド(株式会社創新社) 協力:大塚製薬株式会社 〇 結果概要
有効回答数:302 <回答者の属性>
年代:40代(33.1%)、50代(31.1%)、30代(22.8%)の順に多かった
職業:保健師(61.9%)、看護師(43.7%)、衛生管理者(21.5%)、管理栄養士・栄養士(18.9%)、健康運動指導士(4.6%)の順に多かった
勤務先:企業(50.0%)、保健指導受託・実施機関(8.3%)、病院(7.3%)、健診機関(7.3%)、健康保険組合(6.3%)、都道府県・市区町村(5.3%)の順に多かった
睡眠に関する保健指導の必要性
「睡眠に関する保健指導は必要だと思いますか?」という問いでは、「とても思う」(49.3%)と「思う」(48.3%)を合わせると、9割以上が「必要」と回答した。とくに保健師は100%近くが必要性を認めている。
その理由として、「働く世代の多くは他の年代と比べ、十分な睡眠時間、睡眠の質が得られていない割合が高い」、「問診票で睡眠障害の自覚症状を訴える方が多く、疲労感・集中力の低下などにもつながっている」、「睡眠に満足してしていない方が多く、肥満や高血圧など生活習慣病やメンタル不調にもつながる」、「睡眠効率の低下が認められる労働者が多い、寝酒など誤った自己対策が散見される」、「生活リズムの乱れや、ストレスや時間外勤務によるメンタル不調が、とくに若い世代に増えているように感じる」、「睡眠は大切と思いながらも、それについて学んだり聞いたりする機会がない状況にある」といった意見が寄せられた。
睡眠に関する保健指導の実施
睡眠に関する保健指導や対応については、「実施している」(54.6%)、「実施していない」(45.4%)となり、半数近くが実施できていないことが示された。保健指導が「とても必要」と考えた専門職でも3割近くが実施できていない。
睡眠に関する保健指導を行っている専門職の具体的な指導内容としては、「夕方のカフェイン摂取や寝酒を避ける」、「朝食抜きや、就寝直前の過食を控える」、「休日も平日と同じ時刻に就寝・起床」、「就寝前にスマホなどを控えてもらう」、「規則正しい生活を送れるよう、体内時計について説明している」、「ストレッチなどのリラックス法や、マインドフルネスを試してもらう」、「患者さんの生活状況をよく聞いて、改善できることを話し合う」、「生活改善しても効果が見られず不眠が続く場合は医療機関の受診を勧める」などが挙げられた。
睡眠保健指導で説明している内容
睡眠に関する保健指導で説明している具体的な内容は、「体内時計のリズムの重要性」(75.2%)、「睡眠時間の重要性」(64.8%)、「生活習慣病と睡眠の関連」(64.8%)、「ストレスと睡眠の関連」(66.1%)、「食生活と睡眠の関連」(55.8%)、「日中の眠気と睡眠の関連」(52.7%)が多かった。
睡眠保健指導を実施できない理由
睡眠保健指導を実施できない理由としては、「指導方法が分からない」(59.9%)、「忙しくて手が回らない、人手が足りない」(36.5%)、「組織内での合意形成が取れない」(27.0%)が多く挙げられた。
具体的には、「睡眠についての指導の重要性は理解しているが、指導する場がない」、「睡眠が保健指導での相談の目的ではない、ただし、話を聞いて状況把握し、希望があれば相談にのっている」、「睡眠について学ぶ機会があまりない」といった意見が示された。
睡眠についての知識取得
睡眠保健指導に役立てるために取得したい知識としては、「体内時計のリズムの重要性」(63.6%)、「ストレスとの関連」(58.8%)、「生活習慣病との関連」(57.6%)、「日中のパフォーマンスとの関連」(56.4%)、「食生活との関連」(50.9%)が多く挙げられた。
睡眠・体内リズムを解説し、睡眠改善のための情報を紹介したサイト
このように、睡眠は健康管理の面から非常に重要だが、多くの専門職にとって、睡眠のリズムなどの適切な情報が十分には得られていない。
久留米大学医学部神経精神医学講座の内村直尚教授をプロジェクトリーダーとして活動している「目覚め方改革プロジェクト」は、意識されにくい「目覚め方」を見直し、体内リズムを改善することの重要さを啓発する活動をしている。
スッキリした目覚めは、睡眠のリズムと深く関わっており、日々のパフォーマンスの向上や、ひいては自分の時間の創出につながる。同プロジェクトでは、ウェブサイトの運営などを通じ、「目覚めと体内リズムの重要性」に関する情報を発信している。
現在、同プロジェクトのサイトでは、睡眠習慣を把握できる「3DSS(3次元型睡眠尺度)チェックシート」や、「睡眠&目覚め方 改善ステップ」などのコンテンツを公開中だ。
同プロジェクトの協力企業である大塚製薬は、体内リズムの乱れの改善や、睡眠問題を解決する可能性がある食品成分である「アスパラプロリン」※に注目している。
睡眠・体内リズムに関する情報サイト「睡眠リズムラボ」では、「アスパラプロリン」の情報のほか、約24時間周期の体内リズムが睡眠に大きな影響を与えていることを解説し、睡眠を改善するための情報を紹介している。
※アスパラガス由来含プロリン-3-アルキルジケトピペラジン(シクロ(L-ロイシル-L-プロリル)、シクロ(L-フェニルアラニル-L-プロリル)、シクロ(L-チロシル-L-プロリル)として)
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