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喫煙・飲酒経験があり歯数が少ない高齢者 死亡リスクが大幅に増加(東京科学大学)

 東京科学大学医歯学総合研究科の研究グループがこのほど、喫煙・飲酒経験と口腔咽頭がん死亡リスクとの関連を調べた研究結果を発表した。

 日本の自立高齢者3万9882人を12年間追跡した結果、喫煙・飲酒経験がある人では口腔咽頭がんによる死亡リスクが高く、特に歯数が少ない人でその関連が強いことが分かったという。

歯数が少ない人ではリスクがさらに高まる

 研究を行ったのは、東京科学大学医歯学総合研究科歯科公衆衛生学分野の木内桜助教、相田潤教授らの研究グループ。

 喫煙と飲酒は、口腔咽頭がん死亡の主要なリスクファクターであることが知られている。一方で、歯の喪失などの口腔状態が、喫煙・飲酒歴と口腔咽頭がん死亡との関連にどのように関わるかについては、これまで十分に検討されていなかった。

 そこで研究グループは、日本老年学的評価研究(JAGES)の調査に回答した、2010年時点で65歳以上の自立した高齢者を対象に、喫煙、飲酒、歯数を調査。その後12年間の口腔咽頭がん死亡について追跡した。厚生労働省から取得した死因別死亡データと結合し、喫煙・飲酒歴および歯数と、死亡リスクとの関連を解析した。

 解析対象は3万9882人で、平均年齢は73.7歳、男性は46.8%だった。追跡期間中に、対象者の0.2%が口腔咽頭がんで死亡した。

 分析の結果、喫煙および飲酒の経験がある人は、非喫煙・非飲酒者と比べて、口腔咽頭がん死亡リスクが高かった。さらに、歯数が少ない人ではそのリスクがより上昇。歯数が0~19本の人に限定した解析では、喫煙および飲酒の経験がある人は、非喫煙・非飲酒者と比べて、死亡リスクが4.77倍高いことが分かった。

 これらの結果から、喫煙・飲酒経験があり、かつ歯数が少ない高齢者は、口腔咽頭がん死亡リスクが高い集団として、歯科医院や地域の臨床現場でのモニタリング、健康教育などの予防的介入が重要になると考えられる。

 研究グループは今後について、歯の喪失が、喫煙・飲酒経験と口腔咽頭がん死亡との関係をどのように強めるのか、さらなるメカニズムの解明が望まれるとしている。

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出典:喫煙・飲酒に加え、「歯が少ない」ことが口腔咽頭がん死亡リスクを増加(東京科学大学)

喫煙・飲酒に加え、「歯が少ない」ことが口腔咽頭がん死亡リスクを増大(東京科学大学/2026年4月10日)

[yoshioka]