高脂肪チーズやクリームの摂取量が多いと認知症リスクが低い
高脂肪のチーズやクリームの摂取量が、認知症のリスクと逆相関するというデータが報告された。蘭州大学(中国)のYufeng Du氏らの研究によるもので、詳細は「Neurology」に12月17日掲載された。
乳製品摂取量の多さと認知症リスクの低さとの関連については、既にいくつかの報告がある。しかしこれまでの報告は、横断研究であること、サンプルサイズが小さいこと、認知症のサブタイプによる関連の差異が明らかでないことなど、解釈上の限界があった。これを背景としてDu氏らは、スウェーデン南部のマルメで行われた、食事とがんに関する前向きコホート研究(Malmo Diet and Cancer;MDC)の参加者、2万7,670人(平均年齢58.1±7.6歳、女性61%)の大規模サンプルを用いた解析を実施した。
MDCでは、7日間の食事記録、食物摂取頻度調査票、およびインタビューを組み合わせて、食品摂取状況が詳細に把握されていた。中央値24.9年に及ぶ追跡期間中に記録された認知症発症は、3,208件だった。
まず、高脂肪チーズ(脂肪分20%超)の摂取量と認知症リスクとの関連を見ると、高脂肪チーズを1日50g以上摂取していた群は摂取量が1日15g未満の群と比較して、全原因による認知症(ハザード比〔HR〕0.87〔95%信頼区間0.78~0.97〕)、および、血管性認知症(HR0.71〔同0.52~0.96〕)のリスクが有意に低いことが示された。また、アルツハイマー病(AD)の遺伝的リスク因子であるAPOEε4の非保因者では、高脂肪チーズの摂取量が多いとADリスクが低いという関連も認められた(HR0.87〔0.76~0.99〕。
次に、高脂肪クリーム(脂肪分30%超)の摂取量と認知症リスクとの関連を見ると、高脂肪クリームを1日20g以上摂取していた群は、全く摂取していなかった群と比較して、全原因による認知症のリスクが16%低かった(HR0.84〔0.72~0.98〕)。また、高脂肪クリームの摂取量は、ADおよび脳血管性認知症のリスクと逆相関していた。
一方、低脂肪チーズ、低脂肪クリーム、牛乳や発酵乳(いずれも高脂肪および低脂肪の双方)、バターの摂取量は、全原因による認知症のリスクとの関連が見られなかった。
これらの結果について論文の上席著者であるルンド大学(スウェーデン)のEmily Sonestedt氏は、「全ての乳製品の摂取量が同じように脳の健康と関連しているわけではないことを示唆している。高脂肪のチーズやクリームの摂取量が多いと、認知症のリスクが低下することが示された一方で、他の乳製品や低脂肪製品ではその関連は認められなかった」と総括している。同氏はまた、「われわれの研究結果を検証し、一部の高脂肪乳製品の摂取が本当に脳に一定の保護効果をもたらすのかという確証を得るために、さらなる研究が必要とされる」と述べている。
なお、2人の著者がバイオ医薬品企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。
[HealthDay News 2025年12月19日]
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