オピニオン/保健指導あれこれ
ケアのちから

No.2 医療と介護の事前指示を考える

ノンフィクション・ライター
中澤 まゆみ
 そんな話題で盛り上がった数日後、葬儀屋さんの協同組合連合会から招かれ、、「人生100年時代の終活」として事前指示書のことも含めた医療と介護の準備についてお話しました。このときのシンポジウムでは葬儀屋さんたちから学んだことがいろいろありましたが、そのひとつが私のようなおひとりさまや老々生活の家庭では、誰に自分の始末を頼むのかも明記しておかないと、残った人が困る、ということでした。

 さっそく事前指示書を書き直し、そのことをつけ加えました。転ばぬ先の杖ではありませんが、まさかのときに備えた「生前遺言(リビング・ウィル=事前指示)」と「遺言」。"老い"をふと感じるような年齢になったら、家族や残された人たちのために書き始めることをお勧めします。気持ちが変わったときは、書きなおせばいいのです。まずは「明日」の変事にそなえて、いまの自分の意思を書いておきましょう。

 それと同時に「終末期の医療の選択」については、ふだんから家族同士(おひとりさまの場合は友人同士)で話し合っておくことも大切です。もっと言えば、そういうことを話し合える関係性を家族間、友人間で築きあげていくこと。それこそが老いの時期の財産になっていくのだなあ・・・と、この1か月、あらためて考えさせられています。

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