No.4 「個人」の技術と「組織」の防衛
―支援の質を高めるクレーム活用研修の全容
クレームには支援者個人のスキルアップと組織での対応が必要
住民や援助対象者からのクレームには、支援につながるニーズが隠れています。
クレームを言うことで対処しようとしていることをまず、理解しようとすることから始まります。しかし、個人の対応だけでは解決に結びつかないことも多く、対応する人のストレスも大きくなります。
クレームは自組織の問題であり、組織で取り組むという意識と体制をつくることで、安心して対応ができるのです。そのために、研修では「個人編」と「組織編」に分けて学んでいただきます。
クレームを3つの型に分類し、対応の「出口」を見定める
個人のスキルアップにおいて、まず不可欠なのが「クレームの構造」を理解することです。寄せられる訴えは、大きく以下の3種類に分類できます。
- 明らかなニーズへの対応不足(窓口ミス、説明不足など)
- 潜在するニーズ(SOS)が怒りとして表出しているもの
- ハードクレーム(過度な不当要求、カスハラ行為)
これを理解することで、突然のクレームにも対応する心がまえができます。また、制度や業務改善にもつながることも理解する必要があります。
特に3のハードクレームについては、個人で解決しようとせず、速やかに組織的な連携体制(警察や弁護士等)へ繋ぐ判断を下すことが、個人に求められる重要なスキルとなります。
ロールプレイによる疑似体験から学ぶ「個人編」
個人編では、最初に模擬事例を使ってクレームの疑似体験をしていただきます。クレームを訴える人と対応者に分かれ、簡単な事例を基に3分間クレームを訴えてもらいます。訴える人も3分間訴えることはエネルギーを使うのだと知っていただきます。
この体験をもとに「怒りの発散を受け止めて待ち、冷静に聴くこと」と「形式的な謝罪ばかりしないこと」を理解していただき、なにより「組織を代表して自分が対応するという意識で腹をくくる」ことが重要だと理解していただきます。
そのために、傾聴と共に心情を理解してお詫びの練習をすることも必要です。また、同時に、事実を確認し、訴える人の真のニーズを明らかにすることが大事になります。
双方の立場で感じること・見えることが確認できたら、初めてクレームに対する代替案や解決策を提示します。ここで導き出したものは記録に残し、次の支援策や事業などの課題解決につなげる資料として活用します。
組織として対応する「組織編」
クレームはたとえ、個人のスタッフの言動が原因であっても、基本的には組織の責任となります。スタッフ間に対応の違いができては公平ではなくなるからです。スタッフの基本的な教育はもちろん、組織としては二次対応する人を決めておくことが必要です。
一次対応のスタッフが長時間、クレーム対応をすることは相手へのサービス低下とスタッフ自身のストレスを増大させます。
そのため、クレームを受けて15~20分経過したら、二次対応者が一緒に場所を変えるなどして対応することが求められます。「15分」という具体的な数字を設けることで、現場のスタッフは『これ以上は自分の手には負えない』というサンクコスト(執着)を切り捨て、心理的な安全圏へ避難する許可を組織から得られるようになります。
このようなルールは各組織でマニュアル化していくことをお勧めしています。
クレームは個々の事例で課題が異なりますが、組織内でたらいまわしが起こらないよう、対象者への支援を考慮した対応が求められます。そのためには、実際のクレームを再検討することも大事になります。
研修プログラムの紹介
達成目標
- クレームに対応する姿勢を習得できる。
- クレームを訴える対象者の心情が理解できる。
- クレームの起こる原因を探求し解決策の検討を通して、自組織をふり返ることができる。
研修項目・内容
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研修項目
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内容
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ニーズの聞き取り
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●対象者の把握
●ケースメソッド事例の作成 ●事前課題の提示 |
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研修当日
①効果的な研修にするための準備 |
●研修の目的、タイムスケジュールの説明
●研修評価のための事前アンケート記載 (必要時:チームビルディングのためのワーク) |
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②講義
クレーム対応の実際 |
●なぜクレーム対応が必要か
●【個人編】クレーム対応の5つのステップ ●クレーム対応のロールプレイ ●【組織編】組織的な対応方法と教育や業務改善に活かすポイント |
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③ケースメソッド
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●グループ討論
●クラス討論:クラス討論終了後ファシリテーターが各グループの内容を発表 |
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④まとめ
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●ケースで取り上げたクレーム対応のロールプレイ
●クレーム対応の振り返り、組織的な対応の必要性の認識 ●研修評価のための事後アンケート記載 |
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評価
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●個人アンケートよりの評価、全体評価による成果と課題の抽出
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