オピニオン/保健指導あれこれ
「熱中症」の健康障害を防ぐために

No.1 体温調整の仕組みと体温上昇への対応

山田誠二産業保健センター所長
山田 誠二

ヒトは暑熱環境下でどのように体温調整をするのでしょうか?

 恒温動物である人間は、どんな環境になっても、体温を一定に保たなければならない。環境温度が30℃を超える暑熱環境では、伝導・対流、輻射などの物理的熱伝導因子では対応できず、暑熱環境での体温調節機構は、水分蒸発による熱放散しかない。水分蒸発に利用できる液体は体液である。

 体液は各臓器に酸素と栄養物を運び、老廃物と二酸化炭素を運び去ることを目的としているが、循環血液量に余裕がある時には、体液を発汗として利用する。

 この発汗による体液不足を脱水とよぶ。体液不足(脱水)を補う必要があるが、ヒトなどは、すぐに喪失した水分量を自発的に補うことができない(自発的脱水)。本人は十分に脱水に相当する量の水を飲んだと思っているが、40~60%ほどしか水分を補給されていない。ヒトでは約一日かけて、脱水を調節している。

体温上昇による熱中症を防ぐには…

 喪失水分量が補われないと蒸発に使用できる水分量が不足する。

 体液は本来、各臓器に血液を供給することを第一の目的としているから、循環血液量の確保は最も大切な要件である。循環血液量の確保が優先され、体温調節に体液は使用できない。そうすると、すぐに発汗はとまり、それにともなって体温が上昇し、多臓器障害が起こって死亡する。

 対策としては…

1.暑い環境に、なるべく近づかない。

2.脱水に対して、なるべく多くの水分補給をする。
※この際、体液には、細胞の浸透圧を調節したり、細胞の維持にかかわる電解質(イオン)が含まれており、発汗により電解質も失われるので、電解質も補給する。

3.熱中症を理解する。

4.熱中症になる危険信号を知る。

5.熱中症予防策を身につけ、実践する。

 などが考えられる。このオピニオンでは、1~5を中心に、熱中症による健康障害を防ぐ方法について説明する。

最新ニュース

2018年11月21日
【参加募集中】第7回 産業保健プロフェッショナルカンファレンス テーマ「職場巡視~ありのままの現場を見られる産業保健師になる~」
2018年11月21日
運動不足はメタボよりも高リスク 運動をより多く・座る時間は少なく
2018年11月21日
野菜で脱メタボ 宮城県が野菜の摂取を促す「みやぎベジプラス100」
2018年11月21日
スポーツを通じて女性の活躍を促進 子育て世代もサポート スポーツ庁
2018年11月21日
母乳が赤ちゃんの腸内フローラを健康にする メカニズムを解明
2018年11月21日
慢性腎臓病(CKD)の原因は腎臓での「エネルギー代謝障害」 治療法を開発
2018年11月20日
今夏の熱中症による救急搬送人員は95,000人、昨年度に比べて大幅増加
2018年11月16日
【健やか21】平成30年度「医療安全推進週間」
2018年11月15日
【産保PC第6回(2018年度 第2回)レポート】テーマ:メンタルヘルス
2018年11月14日
11月14日は「世界糖尿病デー」 家族や大切な方が糖尿病と言われたら
2018年11月14日
世界糖尿病デー 「糖尿病の警告サイン」を5人に4人が知らない
2018年11月14日
厚労省がイクメン企業アワード受賞企業取組事例集などを発行
2018年11月14日
"防ごう、備えよう!低血糖―低血糖時のアクションプラン"公開 糖をはかる日
2018年11月13日
がん患者の就労支援 働く患者の75%が「産業医」の存在を知らない
2018年11月13日
サマータイムは「睡眠障害」の原因に 生物時計に障害 日本学術会議
2018年11月13日
妊娠中の低栄養やストレスが子の高血圧の原因に 遺伝子レベルで解明
2018年11月13日
なぜ「朝食を抜くと体重が増える」? 体内時計で解明 名古屋大
2018年11月12日
「糖尿病になったらいくらかかる?」を改訂 糖尿病の医療費
2018年11月09日
【健やか21】妊娠中・産後のママのための食事BOOK(ダウンロード無料)
2018年11月08日
適切な情報選択の一助に!「アレルギーポータル」を開設~日本アレルギー学会
2018年11月08日
「効果を上げる! 健康教育のツボ」へるすあっぷ21 11月号
2018年11月07日
【新連載】がん治療と仕事の「両立支援」を考える~産業保健師の乳がん経験~
2018年11月06日
簡易に測定できる「フレイルチェック」を産官学協働で開始 九州大学など
2018年11月06日
新しい「発芽玄米」で脳内「BDNF」が増える 脳卒中や認知症などを予防
2018年11月06日
肥満やメタボの新たな治療 肝臓の「アクチビンE」が脂肪を燃焼
2018年11月06日
チョコレートが閉経後女性の高血糖、高血圧、高コレステロールを改善
2018年11月05日
生活改善の「三日坊主」を防止するアプリ チームで励まし治療を継続
2018年11月02日
【健やか21】児童虐待防止推進月間「愛の鞭ゼロ作戦」
2018年11月01日
ブレインフードレシピを提供します(くるみヘルスケアプロジェクト)
2018年10月31日
なぜ朝食は食べた方が良いのか? 肥満と脂質異常症を予防するのに有利
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,558 人(2018年10月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶