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睡眠不足による記憶機能低下、20分の運動または90分の昼寝で抑制

 睡眠不足は、日中の眠気や疲労だけでなく、新しい情報を記憶する脳の働きにも影響を及ぼす。こうした睡眠不足による記憶機能の低下を、短時間の運動や昼寝で防げる可能性を示す研究結果が報告された。研究はマギル大学(カナダ)理学療法・作業療法学部のMarc Roig氏らによるもので、詳細は、8月7日付の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に掲載された。30時間にわたり連続して覚醒した人を対象に調べたところ、20分間の運動または90分間の昼寝を行った場合、何もしなかった場合と比べて記憶成績が平均22%高かったという。

 睡眠不足はエピソード記憶を損なう一方、夜勤などでは十分な睡眠を確保することが難しい。そのため、睡眠時間を確保できない状況でも、認知機能への影響を抑える方法が求められている。著者らは、連続覚醒後に有酸素運動または昼寝を行い、記憶機能への影響を比較するとともに、脳波を用いて両者が記憶機能を維持する神経メカニズムの違いを検討した。

 研究には、健康な若年成人54人が参加した。参加者は研究室の監視下で30時間連続して覚醒した後、20分間の自転車運動を行う群、90分間の昼寝をする群、何もしない対照群の3群に割り付けられた。介入直後に画像を見せ、その3日後に画像の記憶を評価した。

 30時間の連続覚醒後の記憶成績を調べたところ、20分間の運動群と90分間の昼寝群はいずれも、何もしなかった対照群より高く、記憶成績はそれぞれ21%、23%高かった。運動群と昼寝群の間に有意差はなかった。

 脳波解析では、両群とも課題に関連する脳領域の神経疲労が抑えられていた。さらに、運動群では見た情報を記憶として取り込む際の脳活動が、昼寝群では新たな情報を学習しやすい脳の状態が、それぞれ記憶成績と関連していた。

 著者らは、運動と昼寝は異なるメカニズムによって、睡眠不足による記憶機能の低下を防ぐ可能性があると指摘。ただし、運動が睡眠の代替になることを示すものではないと強調している。今後は、医療や運輸など睡眠不足が生じやすい職場で、これらの介入が実際の業務パフォーマンスや安全性に及ぼす効果を検証する必要があるとしている。

 論文の筆頭著者であるマギル大学のMadhura Lotlikar氏は、同大学のプレスリリースで「勤務中に昼寝をすることは、必ずしも可能とは限らない。運動は取り入れやすく、費用もかからず、実施も容易だ。そのため、睡眠時間が限られる状況でも、認知機能を良好に保つための有望な手段となる可能性がある」と述べている。

[HealthDay News 2026年8月26日]

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[保健指導リソースガイド編集部]