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顔などの突然のむくみは「遺伝性血管性浮腫」(HAE)かも 「HAEの日」

 急に皮膚や粘膜がはれる「血管性浮腫」という病気がある。「遺伝性血管性浮腫」(HAE)は遺伝子異常によって起こる先天性の血管性浮腫だ。治療法は進歩しており、早期に発見し治療を開始すれば、患者の生活の質(QOL)が大きく向上する。5月16日はこの疾患を啓発する「HAEの日」。HAEの認知向上をはかるマスコミセミナーが東京で開催された。
その「むくみ」はどうして?
数日で治る場合でも、そのままにしないで受診を
 「遺伝性血管性浮腫」(HAE)は、皮膚や腹部(腸)など、身体中のあらゆる部位に「腫れ」(浮腫)や「むくみ」が起こり、3~4日で治ることを繰り返す疾患。まぶたやくちびる、顔、手足などに、突然に「腫れ」が出ては消え、体のあらゆるところに症状が出る可能性がある。

 遺伝子の変異が原因で血液中の「C1インヒビター」(C1インアクチベーター)というタンパク質が生まれつき少ないか働きが弱いため起こる病気で、国の指定難病「原発性免疫不全症候群」の疾患のひとつに認定されている。認定されると医療費助成を受けられる。

 HAEの発作のほとんどは、若年期から身体の各所に繰り返し生じる。発作の引き金になるのは身体的、精神的ストレスなどで、特に抜歯などの歯科治療や出産、外科手術、検査などでの侵襲を伴う処置は、急性発作の強力な誘因として知られている。
診断されるまでに10年以上かかるという報告も
 まぶたや唇、顔や手足の一部が突然腫れて、3~4日で治るようなむくみを経験したことがあり、血縁に同じような症状を起こした人がいれば、HAEを発症している可能性がある。HAEには個人差があって、はっきり症状が出ない人もいるので、家族に症状がなくてもHAEの可能性はある。

 消化管に腫れやむくみが起きると腹痛や嘔吐、下痢などの症状が起こる。喉が腫れると、気道をふさいで呼吸困難に陥り、命に関わる場合もある。浮腫の症状は72時間程度で収まることが多いものの、慢性的に繰り返すため、日常生活に支障をきたすことが多い。

 稀な疾患とされているが、診断されて治療を開始するまでに、最初の発作から10年以上かかっているという報告もある。疾患の認知が低いために、適切な診断や治療を受けることができない患者が数多くいると考えられている。

 原因をしっかりと明らかにすれば、治療や対策を立てることができるので、HAEを早期発見することが重要だ。
治療薬の急性発作の発症抑制の適応が承認
 HAEの発作時にもっとも有効な治療法はC1インヒビターを補充することだ。「ベリナート」は、国内唯一のC1インアクチベーター製剤。「ベリナート」を販売する製薬企業は3月に、「ベリナート」に対し、侵襲を伴う処置によるHAEの急性発作の発症抑制の適応が承認されたと発表した。

 これまで、HAE患者に対する外科的処置や歯科処置など侵襲を伴う治療が誘因となり、舌や喉頭に浮腫を起こして死に至った症例が国内外で報告されていたことから、日本口腔外科学会、日本皮膚科学会は、同剤に対する処置前における短期予防について「適応外薬の要望」を提出した。

 この要望は、「医療上の必要性の高い未承認・適応外薬検討会議」で公知申請が妥当と判断され、2016年11月24日の「薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会」で了承された。
HAEの症状や治療法を解説するサイトを公開
 「ベリナート」を販売するCSLベーリングは、HAEの症状や治療法を解説するサイト「HAE情報センター」を公開している。サイトでは、HAEに関するさまざまな疑問について医師が動画で分かりやすく解説。患者や家族の疑問に答えるQ&Aも公開している。

 その他、医療費助成制度をわかりやすく解説し、遺伝子診断や家系調査の不安を取り除く情報も提供。受診の際に持っていけるセルフチェックシートや、急な発作が起きた際に活用できる「緊急時連絡カード」もダウンロードできる。

遺伝性血管性浮腫 HAE情報センター
NPO法人 血管性浮腫情報センター
[Terahata]

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