ニュース

糖尿病リスクはBMIが22以上から上昇 若い頃からの体重管理が重要 順天堂大学

 青年期のBMIが22以上あると将来の糖尿病の発症リスクが高まることが、順天堂大学の研究グループの調査で明らかになった。
 「糖尿病を予防するために、青年期からの体重管理が重要。予防医学を推進するために、適正体重の維持が重要であることをもっと啓発するべき」と、研究者は述べている。
日本の糖尿病患者の平均BMIは23
 体格指数(BMI)は、その人がどれくらい痩せているか、太っているかを示す指数で、体重と身長から算出される。日本では18.5未満がやせ、18.5~25が普通体重、25以上が肥満と判定される。

 従来は2型糖尿病のリスクが高まるのはBMI25以上とされていたが、順天堂大学の研究グループの調査で、青年期のBMIが22以上あると将来の糖尿病発症リスクが高まることが明らかになった。

 近年、日本人をはじめとするアジア人の糖尿病患者数の急激な増加が問題となっている。そして、最近の日本人の糖尿病患者の平均BMIは23程度であり、肥満とされるBMI25以上でなくても、2型糖尿病を発症しやすいと考えられている。

 欧米では、小児や若年期における肥満が、将来の糖尿病発症リスクを高めていると報告されているが、日本人における青年期の体格と、将来の糖尿病発症リスクとの関連についてはよく分かっていなかった。

 そこで、研究グループは、青年期の体格とその後の糖尿病発症リスクとの関連を明らかにするために、大学の卒業生を対象とした追跡調査研究に着手した。

 研究は、順天堂大学大学院医学研究科スポートロジーセンターの染谷由希特任助教と、同大学スポーツ健康科学部・体力体格累加測定研究グループによるもの。詳細は学術誌「PLOS ONE」に掲載された。

関連情報
BMIが増加するにつれ糖尿病の発症率は上昇
 順天堂大学が進めている「体力体格累加測定研究(J-Fit+ Study)」は、順天堂大学体育学部(現スポーツ健康科学部)で、1969年より実施されている体力体格累加測定のデータを用いた研究プロジェクト。

 この研究の一環として、卒業生を対象とした調査研究を実施。男性661人(平均55歳)に、卒業以降の糖尿病の有無および糖尿病と診断された年齢を聴取した。また、同大学が50年以上にわたり蓄積した体格や体力のデータから、在学時のBMIを算出し、卒業から糖尿病発症または調査研究までを追跡期間(27~36年)としたコホート研究を実施した。

 大学在学時(平均22歳)のBMIを4つの群(BMI21.0未満、21.0~22.0、22.0~23.0、23.0以上)に区分し、各群での糖尿病発症率を比較したところ、BMIが増加するにつれ発症率が上昇することが分かった(各群4.4%、7.6%、10.5%、11.3%)。

 さらに、糖尿病の発症リスクはBMI22.0~23.0から上昇しており、さらに、青年期である20歳代前半のBMIが22以上の場合に将来の発症リスクが高くなることが明らかになった。
わずかな体重増加が糖尿病の発症と関連
 これまでに、日本人は欧米人と比較して、同じBMIであっても脂肪を皮下脂肪として蓄えられない、脂肪肝になりやすいといった脂肪分布の異常や、インスリン分泌が低いことが分かっている。こうしたことから、「青年期のごくわずかなBMI上昇が、その後の2型糖尿病の発症と関連すると推測される」と研究者は結論している。

 体重の増加は、2型糖尿病だけでなく、脂質異常症や心血管疾患などさまざまな疾患にも結びつく。中高年期だけでなく、青年期からの早期の体重管理が重要だ。

 「ただ体重を減らすのではなく、適切な運動や食事に心がけ、筋肉量を維持することも肝心。そのためにも、体重の測定だけでなく、身長や体脂肪率も測定するなどして、体格を管理することが重要となる」と、研究グループは指摘している。

 ただし、青年期のBMIと糖尿病発症との直接的な関連については不明な部分もある。研究グループは「今後は青年期の体脂肪率や腹囲などの指標を用いて、さらなる検証を進めていく」としている。

順天堂大学大学院医学研究科スポートロジーセンター
順天堂大学体力体格累加測定研究
A body mass index over 22 kg/square meter at college age is a risk factor for future diabetes in Japanese men(PLOS ONE 2019年1月24日)
[Terahata]

「保健指導リソースガイド」に関するニュース

2019年06月18日
「超加工食品」が肥満や糖尿病の原因に 悪玉ホルモンを増やし食欲を増進
2019年06月18日
夜間に照明やテレビをつけたまま寝る女性は肥満になりやすい
2019年06月18日
座ったままの生活で死亡リスクは上昇 「1日30分、体を動かそう」
2019年06月18日
脂肪肝は内臓脂肪よりも深刻? 脂肪肝が筋肉のインスリン抵抗性を引き起こす ウォーキングなど運動が必要
2019年06月18日
筑波山の特産品「福来みかん」に肥満抑制の効果 ストレス回復も 茨城大
2019年06月13日
最新版「カリフォルニアくるみ 科学的研究に基づく健康効果~ヘルスプロフェッショナルのためのリソースガイド」をご提供します くるみに関する科学的知見を解説
2019年06月11日
企業向け「がんになっても安心して働ける職場づくりガイドブック」 がん治療と仕事の両立 心がけるべき7ヵ条とは?
2019年06月11日
「生活にゆとりのない」家庭は食育に関心がない 子供の孤食や栄養バランス不足に親の生活習慣病が影響
2019年06月11日
7つの簡単な生活改善が糖尿病リスクを減少 4つ以上実行で80%低下
2019年06月11日
日本小児科学会などが「幼児肥満ガイド」を作成 小児期の肥満は成人後にリスクに 保健師による声掛けは効果的

最新ニュース

2019年06月18日
「超加工食品」が肥満や糖尿病の原因に 悪玉ホルモンを増やし食欲を増進
2019年06月18日
夜間に照明やテレビをつけたまま寝る女性は肥満になりやすい
2019年06月18日
座ったままの生活で死亡リスクは上昇 「1日30分、体を動かそう」
2019年06月18日
脂肪肝は内臓脂肪よりも深刻? 脂肪肝が筋肉のインスリン抵抗性を引き起こす ウォーキングなど運動が必要
2019年06月18日
筑波山の特産品「福来みかん」に肥満抑制の効果 ストレス回復も 茨城大
2019年06月14日
【書籍紹介】「精神科医の話の聴き方 10のセオリー」
2019年06月13日
最新版「カリフォルニアくるみ 科学的研究に基づく健康効果~ヘルスプロフェッショナルのためのリソースガイド」をご提供します くるみに関する科学的知見を解説
2019年06月13日
【健やか21】「溶連菌の感染症が増加中!抗菌薬は適切な使用方法を守って―」(国立国際医療研究センター AMR臨床リファレンスセンター)
2019年06月12日
健診・検診/保健指導実施機関 集計結果と解説(2018年度版)
2019年06月12日
事業所で働く保健師の法的位置づけの確保などを厚労省へ要望-日本看護協会
2019年06月11日
企業向け「がんになっても安心して働ける職場づくりガイドブック」 がん治療と仕事の両立 心がけるべき7ヵ条とは?
2019年06月11日
「生活にゆとりのない」家庭は食育に関心がない 子供の孤食や栄養バランス不足に親の生活習慣病が影響
2019年06月11日
7つの簡単な生活改善が糖尿病リスクを減少 4つ以上実行で80%低下
2019年06月11日
日本小児科学会などが「幼児肥満ガイド」を作成 小児期の肥満は成人後にリスクに 保健師による声掛けは効果的
2019年06月11日
ホエイ(乳清)やチーズに含まれるアミノ酸に認知機能を改善する効果
2019年06月10日
がん治療と就労の両立支援に、産業医を積極的に活用 アフラック生命保険株式会社に聞く
2019年06月07日
特定保健指導(積極的支援)モデル事業の実施事例を紹介―厚労省の検討会
2019年06月06日
【健やか21】「自殺予防」リーフレットを公開しました
2019年06月05日
運動が高齢者の「ADL(日常生活動作)」を高める 1日1万歩を達成できなくても効果がある
2019年06月05日
寿命を縮める「転倒」を効果的に防ぐ 60歳超では4割近くが「転倒」 食事と運動で対策
2019年06月05日
「血糖値スパイク」を抑えるために朝食から対策 食後に血糖値を上げないコツ
2019年06月05日
働いている母親が増加、子どもの携帯電話所有率もアップ―21世紀出生児横断調査
2019年06月05日
産学官協働で「未病改善プラットフォーム」を開始 健康や生活のセンシング技術で病気になる前から対策
2019年06月04日
東京大学が会員制情報サイト「Q-station」をオープン 健康施策や保健事業を担う人に情報発信
2019年06月04日
「説明力を上げる!ビジネスや保健指導で活かす伝え方」へるすあっぷ21 6月号
2019年05月30日
【健やか21】若者を中心に大麻による検挙者が急増!「誘われて」「興味本位で」が落とし穴に(内閣府)
2019年05月30日
保健指導リソースガイド「よろず相談センター」からのご報告(1)
2019年05月29日
広がるパーソナル ヘルス レコード(PHR)への取り組み 郡山市で研究事業を開始
2019年05月29日
認知症リスクは健康的な生活で減らせる WHOが初の「認知症予防ガイドライン」を公開
2019年05月29日
米を食べると肥満に対策できる 1日2杯のごはんが肥満度を低下 136ヵ国を調査
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 8,441 人(2019年06月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶