オピニオン/保健指導あれこれ
ケアのちから

No.3 "地域まるごとケア"と「住民力」

ノンフィクション・ライター
中澤 まゆみ

 昨年の6月から、東京大学大学院で教える有志が主催する「医療政策実践コミュニティー(H-PAC)」に参加し、医療政策について学んでいます。この社会人コミュニティは、医療関係者・政策立案者・患者支援者・メディアの4職種が一緒になって研究テーマを決め、それを実践に結びつけていく、という、とても刺激的な学びの場です。

 今年のH-PACには42人が参加し、各自がテーマを提案して8つの研究班をつくりました。私が提案したテーマ「地域包括ケアにおける住民参画」には、医師、看護師、市役所職員、患者会主催者、医療リサーチ会社のスタッフ、患者支援者、新聞記者が集まり、現在、3月の研究成果まとめに向けて活動を続けています。

 私がこのテーマを提案した背景には、地元、世田谷区で続けている区民の会での活動がありました。今年で7年目を迎える会については、この連載の1回目でふれていますが、活動を通じて医療と介護の専門職に出会い、ネットワークを広げているうちに、「在宅ケア」というのは「地域ケア」の一部でしかないことがわかってきました。

 介護を受ける人は、自宅で在宅医療や介護を受けるだけではなく、病院にも入院すれば施設に入ることもあります。さらに、隣人やボランティアの支援など、公的サービス以外の支援も必要となってくるでしょう。つまり、医療・介護・病院・施設・住民の5つが地域でつながってこなければ、地域でのケアは続けられないのです。

 期せずして厚労省が推進する「地域包括ケア」にたどりついたわけですが、このシステムに血を通わせるには、行政、医療・介護の関係機関、そして、地域住民の意識がともに変わっていかなければなりません。ちなみに、東近江市永源寺地区で訪問診療を行う花戸貴司さんは、地域包括ケアを"地域まるごとケア"と言い代えています。現場からのこうした感覚を加えただけで、なんだか遠くてわかりにくかった言葉にも、「そうだよね~」とうなずけるよう血が通ってくるので、私もこの言葉をPRすることにしました。

【開催案内(2014/1/18)】
第7回区民の視点で考えるシンポジウム「高齢社会の未来は住民力で」

「地域保健」に関するニュース

2021年04月09日
【健やか21】「妊産婦のための食生活指針」の改定について(厚生労働省)
2021年04月08日
新型コロナ情報サイト「こびナビ」を開設~日米の医師らが協力
2021年04月07日
小児のがん患者体験調査を初めて実施(国立がん研究センター)
2021年04月06日
玄米や麦ごはんなどの「全粒穀物」が心臓病や脳卒中のリスクを低下 「超加工食品」の食べ過ぎにも注意
2021年04月05日
朝食は「1日でもっとも重要な食事」 朝8時30分までに食べると糖尿病リスクは低下 朝食を改善する4つの方法
2021年04月05日
【新型コロナ】コロナ禍でメンタルヘルスが悪化 都市の個人主義的な生活スタイルが原因? 貧困も大きく影響
2021年04月05日
【新型コロナ】東京オリンピック開会式での感染は7つの対策で防ぐ 99%のリスクを低減 東京大学などがシミュレーション
2021年04月05日
近くの薬局で生活習慣病の検査ができる「ゆびさきセルフ測定室」 全国に拡大中 コロナ禍でも自分の体をチェック
2021年04月05日
慢性腎臓病(CKD)の重症化を予防するために 看護師・栄養⼠による保健指導が戦略に 地域連携の強化が重要
2021年04月02日
【健やか21】子どもの事故防止プロジェクト・レポート「子育てを経た保護者の事故防止に対する意識の変化」の掲載について(消費者庁)
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 10,678 人(2021年04月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 2.7%
  • 保健師 44.8%
  • 看護師 10.8%
  • 管理栄養士・栄養士 19.8%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶