オピニオン/保健指導あれこれ
健康経営NEXT実行委員会

【レポート】今日から始める!健康経営NEXTシンポジウム

株式会社リンケージ
木村 大地
 大企業はもちろん中小企業においても健康経営の関心が広がるなか、「健康経営NEXTシンポジウム」が11月21日に開催された。本シンポジウムは、健康経営NEXT実行委員会という健康経営に自ら取り組み実践している先進的な企業、健保組合の勉強会が基盤として企画し、東京商工会議所と共催で行われた。

 はじめに、健康経営NEXT実行委員会委員長である浅野健一郎氏(株式会社フジクラ人事部)から、新たな社会革命と定義される「Society5.0」のビジョンからも「健康経営」「コラボヘルス」「データヘルス」を進化、深化、真価していくことの重要性が熱く語られた。

 基調講演は、西川和見氏(経済産業省ヘルスケア産業課長)、安藤公一氏(厚生労働省保健局保険課長)が登壇。西川氏からは、健康経営という視点の必要性をはじめ、健康経営優良法人となるメリットなど経済産業省の具体的な支援を説明。また今後は女性の健康づくりを考えた健康経営の重要性も強調された。

 安藤氏からは、保険者の現在の取り組み状況と、次年度データヘルス計画が第2期となることによる加算減算やインセンティブなど保険者機能の強化の仕組みづくりの説明、そし今後、保険者の状況をスコアリングレポートという形で「見える化」していくことなどが示された。

 次に、主催者である東京商工会議所より、職域の健康づくりとして東京商工会議所が行っている東京都職域健康促進サポート事業や、中小企業が行う健康企業宣言のメリットなどを紹介。また企業が健康経営の理解を深めるための健康経営アドバイザー研修(初級)の案内や、専門職による健康経営アドバイザー(上級)の今後の展開など、中小企業の健康経営を強くサポートしていくことが発表された。

 後半は、健康経営NEXTの3つのワーキンググループ、健康経営WG、コラボヘルスWGデータ分析・活用WGから発表があった。

 健康経営WGからは、「健康経営=◯◯という画一的な指標は存在すると思いますか」といったクイズ形式により健康経営の本質を紹介。健康経営はワンパッケージのものでなく、企業ごとの特性や問題点から事業を考えることや「関係の質」の向上がキーになることなどを具体的な事例を交え発表された。

 コラボヘルスWGからは、企業と保険者のコラボにはまずは話し合える場をつくること。そして協働事業としてタバコ対策は取り組みやすいこと、また重症化予防事業は費用対効果が高いという発言があった。

 データ分析・活用WGからは、保険者が持つ健診・レセプトデータから、企業に必要な保健事業が抽出できること。そして、そのデータ分析結から設計し実際に行われた事業として突然死防止、メンタルヘルス対応、婦人科がん検診の事例が紹介された。

 最後に、浅野氏から企業、保険者ともに「健康経営」の推進のために「今から」そして「これから」始めてほしいと参加者に呼びかけ、締めくくった。当日は、700名の申込があり、会場はほぼ満席。働き方改革、生産性向上の対策として、多くの企業や保険者の「健康経営」への関心の高さが感じられるものであった。

主催:東京商工会議所 共催:健康経営NEXT実行委員会
日時:11月21日(火) 13:30~17:30(受付開始13:00)
場所:銀座ブロッサム ホール(東京都中央区銀座2-15-6)

健康経営NEXT実行委員会 委員企業・健康保険組合(順不同):
内田洋行健康保険組合、オートバックス健康保険組合、グラクソ・スミスクライン健康保険組合、資生堂健康保険組合、住友不動産販売健康保険組合、株式会社ディスコ、ディスコ健康保険組合、デパート健康保険組合、トランスコスモス株式会社、野村證券株式会社、野村證券健康保険組合、FR健康保険組合、株式会社フジクラ、フジクラ健康保険組合、ユニバーサル・ビジネス・ソリューションズ株式会社、株式会社リンケージ、東京商工会議所

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