低GI のパラドクス

 普段の食事で糖質を摂取すると、血糖値が上昇します。血糖値の上がり方は、摂取する糖質の種類によってさまざまです。この血糖値の上がり方を数値に表したのがGI (グライセミックインデックス)と呼ばれるもので、GI 値が高いほど食後の血糖値上昇が大きく、低いほど食後の血糖値上昇が小さくなり、インスリンの分泌量を抑えられるとされています。近年では、このGI 値に着目した低GI 食品を活用して食事療法に活かす動きがあります。

 ここで注意したいのが、その摂取量です。低GI として代表される果糖は、他の糖質と同様に小腸で吸収されますが、大量に摂取するほど消化吸収が速くなることが知られています。消化吸収されると、ブドウ糖に代謝され、血中に放出されますが、一部しか放出されないため血糖値は上がりにくい面があります。しかし、肝臓に運ばれた残りの果糖は、やがて中性脂肪へと代謝され、脂肪の蓄積につながりやすい面も持っています。その結果、果糖を大量に摂取すると、血糖値にあまり影響がないにも関わらず、糖尿病の原因になる危険性があると言われているのです。

 ですから、いくらGI 値が低くても食べ過ぎてはエネルギーの過剰摂取につながり、栄養も偏りがちになることから、低GI 食品だけに頼った食事ではなく、栄養バランスの良い食生活を意識することが必要です。GI について正しく知り、食事全体でGI 値を抑える工夫や、"よく噛んで、ゆっくり食べる"といった食事の基本を守ることも大切なのです。

【GI 値の一覧】
糖 質
低GI 中GI 高GI
乳糖 46±3
パラチノース 32
果糖 23±1
砂糖 65±4
麦芽糖 105
ブドウ糖 100
それ以外の食品
低GI 中GI 高GI
玄米 55
そば 47
うどん 47
リンゴ 36±2
スパゲティ 27
大豆 18±3
全粒パン 69±2
ジャガイモ 85±12
白米 77
蜂蜜 73±15
すいか 72±13
白パン 71
○参考文献 Am J Clin Nutr 1995;62:871s-93s
○参考文献 Am J Clin Nutr 2006;83:1161-9
○参考ホームページ:http://www.glycemicindex.com/
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