ニュース
健康診査の受診者数が回復 前年比で約4,200人増加 「地域保健・健康増進事業の報告」より
2024年04月18日

厚生労働省はこのほど「令和4年度地域保健・健康増進事業の報告」をまとめ、公表した。
「地域保健事業」と「健康増進事業」の二つを主な報告事項とし、「地域保健事業」では母子保健や健康増進、職員の配置状況について報告している。本記事では「健康増進編」の内容について解説する。
健康診査の受診者数は前年比で約4,200人増加
地域保健・健康増進事業報告は、地域の特性に応じた保健施策を保健所や市区町村ごとに把握。住民の健康保持や増進のため、効率的な地域保健施策を推進するための基礎資料として、毎年実施している。
健康診査については、市区町村が実施した健康診査の受診者数は123,861人(男性58,693人、女性65,168人)。前年比4,240人増加し、コロナ禍で一時期落ち込んだ受診者数が回復してきている。

出典:令和4年度地域保健・健康増進事業報告の概況(厚生労働省)
検査結果では、「糖尿病個別健康教育対象者」が40,951人と最も多く、受診者数に占める割合は33.1%。次いで「高血圧症個別健康教育対象者」36,161人で同29.2%、「脂質異常症個別健康教育対象者」31,464人で同25.4%となっている。
また市区町村が実施した「歯周疾患検診」の受診者数は365,481人で、このうち65.9%にあたる241,029人が「要精検者」。検診実施率は81.6%で、過去5年間で最も高かった。
同様に「骨粗鬆症検診」は310,373人が受診し、受診率は63.0%。このうち16.1%にあたる49,966人が「要精検者」だった。
「がん検診」の最多受診率は「乳がん」で16.2%
市区町村が実施した「がん検診」においては、受診率で最も多いのは「乳がん」で16.2%。ほかに「子宮頸がん」15.4%、「胃がん」「大腸がん」6.9%、「肺がん」6.0%となっている。

出典:令和4年度地域保健・健康増進事業報告の概況(厚生労働省)
令和3年度に実施したがん検診で要精密検査者になった人のうち、がんであった人の受診者に対する割合は「乳がん」が最も高く0.33%、次いで「大腸がん」0.15%、「胃がん」0.10%などだった。
「令和4年度地域保健・健康増進事業報告の概況」(厚生労働省/2024年3月26日)
健康増進編 結果の概要(厚生労働省)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「健診・検診」に関するニュース
- 2025年06月02日
- 肺がん検診ガイドライン19年ぶり改訂 重喫煙者に年1回の低線量CTを推奨【国立がん研究センター】
- 2025年05月20日
-
【調査報告】国民健康保険の保健事業を見直すロジックモデルを構築
―特定健診・特定保健指導を起点にアウトカムを可視化 - 2025年05月16日
- 高齢者がスマホなどのデジタル技術を利用すると認知症予防に 高齢者がネットを使うと健診の受診率も改善
- 2025年05月16日
- 【高血圧の日】運輸業はとく高血圧や肥満が多い 健康増進を推進し検査値が改善 二次健診者数も減少
- 2025年05月12日
- メタボとロコモの深い関係を3万人超の健診データで解明 運動機能の低下は50代から進行 メタボとロコモの同時健診が必要
- 2025年05月01日
- ホルモン分泌は年齢とともに変化 バランスが乱れると不調や病気が 肥満を引き起こすホルモンも【ホルモンを健康にする10の方法】
- 2025年05月01日
- 【デジタル技術を活用した血圧管理】産業保健・地域保健・健診の保健指導などでの活用を期待 日本高血圧学会
- 2025年04月17日
- 【検討会報告】保健師の未来像を2類型で提示―厚労省、2040年の地域保健を見据え議論
- 2025年04月14日
- 女性の健康のための検査・検診 日本の女性は知識不足 半数超の女性が「学校教育は不十分」と実感 「子宮の日」に調査
- 2025年03月03日
- ウォーキングなどの運動で肥満や高血圧など19種類の慢性疾患のリスクを減少 わずか5分の運動で認知症も予防