ニュース
令和7年(1月~7月)の自殺者は11,143人 前年同期比で約10%減少(厚生労働省)
2025年08月21日

厚生労働省自殺対策推進室はこのほど、令和7年の1月~7月までの自殺者数を集計、発表した。暫定値で前年同時期に比べて、自殺者数は約1割減少。
月別の自殺者数は前年に比べていずれも少ない水準で推移しており、下半期もこの傾向が続けば、過去最小の水準となる可能性がある。
月別の自殺者数は減少傾向
警察庁の自殺統計による年間の自殺者数は、昭和53年の統計開始以来、2万人から2万5000人程度で推移していたが、平成10年に初めて3万人を突破。平成15年に統計開始以来最多の3万4427人となり、その後、3万人台で推移した。
平成22年からは減少に転じ、令和元年は2万169人まで減ったものの、令和2年に再び増加へ。その後2万千人台で推移したあと、令和6年には2万320人に減っていた。
そのような中、令和7年の1月~7月の累計自殺者数は暫定値で11,143人。対前年同期比で1,246人(約10.1%)減っていた。月別の自殺者数はいずれの月でも減少しており、このペースで下半期も進めば過去最小の水準が見えてくる。
出典:厚生労働省自殺対策推進室「警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等」令和7年8月18日
一方、自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)は、平成10年に前年の19.3から26.0と急上昇し、平成15年に統計開始以来最大の27.0を記録。平成22年からは低下に転じ、令和元年には最小の15.9となった。しかし令和2年に16.7と11年ぶり上昇、令和6年は16.4だった。
令和7年の月別の自殺死亡率も前年より少ない水準で推移している。都道府県別で前年同期比の増加と減少率が大きい上位5県は以下の通り。
出典:厚生労働省自殺対策推進室「警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等」令和7年8月18日
9月と3月は「自殺対策強化月間」
自殺者数を減らす取り組みは、自治体単位でも力を入れて行われている。東京都では、令和2年以降、自殺者数が増加傾向にあることから毎年9月と3月を自殺対策強化月間とし、自殺防止のキャンペーンを展開している。
今年もチラシやリーフレット、ポスターなどによる普及啓発のほか、9月10日から15日までは都庁をライトアップし、広く広報に努めるという。
「警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等」(厚生労働省自殺対策推進室/2025年8月18日) 「第35回 自殺防止!東京キャンペーン」について(東京都)掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「メンタルヘルス」に関するニュース
- 2025年08月21日
- 令和7年(1月~7月)の自殺者は11,143人 前年同期比で約10%減少(厚生労働省)
- 2025年07月28日
- 日本の「インターバル速歩」が世界で話題に 早歩きとゆっくり歩きを交互に メンタルヘルスも改善
- 2025年07月28日
- 1日7000歩のウォーキングが肥満・がん・認知症・うつ病のリスクを大幅減少 完璧じゃなくて良い理由
- 2025年07月28日
- 【妊産婦を支援】妊娠時に頼れる人の数が産後うつを軽減 妊婦を支える社会環境とメンタルヘルスを調査
- 2025年07月22日
- 高齢者の社会参加を促すには「得より損」 ナッジを活用し関心を2倍に引き上げ 低コストで広く展開でき効果も高い 健康長寿医療センター
- 2025年07月18日
- 日本人労働者の3人に1人が仕事に影響する健康問題を経験 腰痛やメンタルヘルスなどが要因 働きながら生産性低下を防ぐ対策が必要
- 2025年07月18日
- 「サルコペニア」のリスクは40代から上昇 4つの方法で予防・改善 筋肉の減少を簡単に知る方法も
- 2025年07月14日
- 適度なアルコール摂取は健康的? 大量飲酒の習慣は悪影響をもたらす お酒との良い関係
- 2025年07月14日
- 暑い夏の運動は涼しい夕方や夜に ウォーキングなどの運動を夜に行うと睡眠の質は低下?
- 2025年07月07日
- 日本の働く人のメンタルヘルス不調による経済的な損失は年間7.6兆円に 企業や行政による働く人への健康支援が必要