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東大、食事の質を12問で評価する質問票を開発 健診・保健指導での活用に期待

 東京大学大学院医学系研究科の研究グループは、日本人の食事の質を短時間で評価するための12問の質問票を開発したと発表した。

 この質問票は、過去1カ月の食習慣について食品群ごとの摂取頻度やサービング数を尋ね、「日本人のための食事の質スコア(Diet Quality Score for Japanese:DQSJ)」を0~30点で算出するもの。従来の食事調査に比べて回答・集計の負担が小さく、簡単な足し算でスコア化できる点が特徴である。

 現在、詳細な食事調査法との比較による妥当性検証が進められており、妥当性が確認されれば、健診・保健指導・研究など、短時間で食事の質を把握したい場面での活用が期待される。

健診・保健指導で課題となる食事評価の負担を軽減

 「日本人のための食事の質スコア(Diet Quality Score for Japanese、以下DQSJ)」は、食と健康に関する科学的根拠を基盤として、日本人の食事パターンを総合的に評価するために開発された指標である。これまでDQSJを正確に評価するには、50問以上の質問票や複数日の食事記録が必要であり、健診現場や保健指導の場では「時間的・人的コスト」が導入の障壁となっていた。
 今回開発された12項目の質問票は、こうした課題を解決するために設計された。

DQSJの10項目を12問で評価 日本人成人の食事データなどを基に設計

 本研究は、東京大学大学院医学系研究科 社会予防疫学分野の大野富美博士課程学生(当時、現:同研究科イートロス医学講座 特任助教)、篠崎奈々助教、足立里穂専門職修士課程学生(当時)、村上健太郎教授、佐々木敏東京大学名誉教授らによる研究グループによる成果で、2026年4月14日に「British Journal of Nutrition」からオンライン出版された。

 研究チームは、2013年2月から3月にかけて23都道府県の20地域で実施された食事調査データを用い、20~69歳の成人392人の食事摂取状況を解析した。あわせて、食と健康の関連に関する先行研究や既存の食事評価法を参照し、DQSJの構成要素をできるだけ少ない質問で把握できるよう、質問項目と配点を設計した(0~30点)。

 質問票は、DQSJを構成する10項目を12問で評価する。果物、野菜、全粒穀物、ナッツ、豆類、乳製品、魚、砂糖入り飲料については各1問、赤身肉・加工肉について2問、ナトリウム摂取について2問で構成される。野菜、乳製品、砂糖入り飲料ではサービング数を尋ね、その他の多くの食品群では摂取頻度を尋ねる形式となっている。

 特徴的なのは、この12問が「摂取を推奨する食品群」と「摂取を制限すべき食品・栄養素」の双方向から食事の質を評価する仕組みになっている点である。具体的には、健康維持に有益とされる野菜、果物、魚、豆類、全粒穀物、ナッツ、乳製品の7項目は摂取量が多いほど高得点となる。
 一方で、慢性疾患や早期死亡のリスクを高めるとされる牛・豚・羊などの肉(鶏肉を除く、いわゆる赤身肉)・加工肉、砂糖入り飲料、食塩の3項目は、摂取量が少ないほど高得点となる設計であるため、対象者の摂取傾向を把握する手がかりにもなる。

出典:「日本初:食事の質を簡単に数分で調査可能に ─健診・保健指導・研究で活用できる12問の質問票─」(東京大学)

妥当性検証後、短時間での食事評価ツールとして活用に期待

 これまで、食事の質を科学的に測定するには、50問以上の質問票や数日間の食事記録が必要であり、健診・保健指導の限られた時間内で実施するには負担が大きかった。
 そのため、短時間で食事全体の質を把握し、指導や調査の入口として活用できる簡便な方法が課題となっていた。

 本質問票は、食事の質を短時間で把握するためのスクリーニングツールとして位置づけられる。簡単な足し算でスコア化できるため、妥当性が確認されれば、健診・特定保健指導、自治体の健康施策、企業の健康経営、地域保健活動などでの活用が見込まれる。
 一方で、本質問票は食品の絶対的な摂取量や詳細な栄養素摂取量を測定するものではない。エネルギー摂取量、たんぱく質、脂質、微量栄養素などを詳細に評価する必要がある場合や、慢性腎臓病など個別の食事療法が必要な対象者では、食事記録法や詳細な食事調査、専門職による個別評価を併用する必要がある。

 なお、現時点では本質問票の妥当性は検証中であり、個人の栄養状態を判定したり、保健指導対象者を機械的に選別したりする目的で用いる段階ではない。活用にあたっては、今後公表される妥当性検証の結果やカットオフ値の検討状況を確認する必要がある。

参 考

日本初:食事の質を簡単に数分で調査可能に ─健診・保健指導・研究で活用できる12問の質問票─|東京大学(2026年4月15日)
Development of a 12-item screener for assessing diet quality in Japan|British Journal of Nutrition(2026年4月14日)

[保健指導リソースガイド編集部]