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がん経験者は骨折リスクが1.4倍 市民1万人を10年間調査して分析

 佐賀大学の研究グループがこのほど、佐賀市民約1万人を10年間追跡した疫学研究から、がんの経験者は未経験者に比べて骨折リスクが約1.4倍高いことを明らかにした。

 特に現在がんを治療中の人や複数のがん経験者、胃がん・腎臓がん・血液がんの人は骨折リスクが高いことも分かったという。

転倒予防や運動指導が大切

 がんやがん治療によって骨が影響を受け、骨粗しょう症や骨折のリスクが高まる可能性は指摘されてきたが、日本人を対象に詳しく調べた研究は限られていた。

 そのため同大学医学部社会医学講座予防医学分野の研究グループは佐賀市で実施された「日本多施設共同コーホート研究(J-MICC Study)」の参加者1万330人を対象に、10年間の追跡調査を実施。

 骨が弱くなることで、立っている状態から軽く転んだだけで起きる「脆弱性骨折」のうち、大腿骨近位部骨折(脚の付け根の骨折)、脊椎圧迫骨折(背骨の骨折)、橈骨遠位端骨折(手首の骨折)をしたことがあるかどうかについて、がんの経験との関連を調べた。

 その際、がんと診断された時期も考慮できる統計解析方法を用いることで、これまでより正確に骨折リスクを評価したという。

 研究の結果、がんの未経験者に比べて、がんを経験した人は1.4倍骨折リスクが高かった。

 さらに、がんの治療状況別で比べると、がん治療後の人のリスクが1.14倍だったのに対して、現在治療中の人は1.71倍だった。また、がんの数別で比べると、がんが1つの人が1.18倍だったのに対し、がんが複数ある人は1.42倍とリスクの高まりが見られた。

 がんの部位(種類)別では大腸がんや乳がん、婦人科がん、前立腺がんが約1〜1.2倍程度だったのに対し、血液がんは7.7倍、腎臓がんは3.74倍、膀胱がんは1.97倍、胃がんが1.84倍などの結果になった。

 今回の研究成果により、がんを経験した人に対する骨折予防の重要性が示されたことになる。研究グループでは、がん診療の際に骨密度の測定や骨粗しょう症の評価、転倒予防や運動指導などを組み合わせることで、がんになった人の骨折予防や生活の質の維持が期待できるとしている。

がん経験者は骨折リスクが1.4倍 ~佐賀市民1万人を10年間調査し、より正確な骨折リスクを評価~(佐賀大学/2026年7月22日)

[yoshioka]