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大学発ベンチャーが重症化予防に特化したコンソーシアム 健保組合と共同

 名古屋大学医学部発ベンチャーであるPREVENTは、愛知県内の14の健康保険組合と共同で、生活習慣病の重症化予防に特化したコンソーシアムを立ち上げた。
 保険者横断型のデータベースで、重症化予防の効果的実証法や、費用対効果を分析していく。
医療費の上位20%が全体の80%を占めている
 PREVENTは、2016年7⽉に名古屋⼤学医学部発ベンチャーとして設⽴された。これまで同大学大学院医学系研究科(保健学)山田研究室での、動脈硬化性疾患に対するライフスタイル介入の研究成果をもとにした重症化予防技術を中心に、生活習慣病既往者を対象にした健康づくり支援を実施してきた。

 そこで得られた脳梗塞の再発予防ノウハウをもとに、対象を脳梗塞以外の⼼筋梗塞や、糖尿病、⾼⾎圧症といった⽣活習慣病全般に広めた、重症化予防⽀援サービス「Mystar」を開発した。

 高齢者医療の負担が重く、健康保険組合の財政状況は一段と厳しくなっている。健康保険組合連合会の2018年の集計によると、全国の約1,400の健保組合のうち、赤字組合は全体の6割を超える。平均保険料率は11年連続で増加している。

 高額な治療が増え続けており、患者1人あたりの医療費が1ヵ月で1,000万円以上の例が増えている。PREVENTの調査によると、健保組合では1人当たり医療費の上位20%の人の合計医療費が全体医療費の約80%を占める構造になっている。

 健康な人の病気の発症予防のみならず、すでに医療機関にて治療中の人に対する疾病の重症化を予防することが、医療費適正化に向けた大きなポイントになる
レセプト・健康情報を活用して重症化予防 データベースを構築
 「Mystar」は、主治医と連携しながら医療専門職から健康づくり支援を受けられるスマホアプリを組みわせたプログラム。保険者、⽣命保険会社向けの提供を想定していてる。

 たとえば脳卒中を発症した10人のうち、約3人以上が5年以内に再発してしまうという報告がある。その原因は、食事や運動などの生活習慣をうまくコントロールできないことだ。

 名古屋大学での研究では、食事や運動などの生活習慣を指導したグループでは、脳卒中をはじめとした血管病の再発率が大幅に下げられることが分かった。

 「Mystar」プログラム期間中には、ユーザーにモバイルアプリとライフログのモニタリング・デバイスを使用してもらう。脈拍や歩数、塩分摂取量などのライフログをアプリに同期し、医療専門者が分析を行うことで、1人ひとりに最適化された健康づくりプランを提案する。

 医療専門スタッフと2週間に1回の電話面談を通じて、一人ひとりに最適な形でサポートを行う。ライフログの記録や閲覧をしたり、担当の医療従事者とのチャットをしたり、面談の記録を読み直したり、効果を高めるための機能も備わっている。
医療費の適正化のためにターゲットを絞った予防策が必須
 さらに、各保険者が持つデータを匿名化した上で集約し、共通のデータベースを構築する。

 参加する14の健保組合には従業員のほか、家族を含め約45万人が加入している。コンソーシアムを通じて、過去5年間に受けた医療機関の診療情報や健康診断の記録をデータベースに集約し、ビッグデータを解析する。

 今回のコンソーシアムでは、「Mystar」の実証を行うとともに、名古屋大学と連携し、保険者の持つビッグデータを解析することで医療費予測や重症化予防の効果測定を実施していくという。

 今回のコンソーシアムの活動は、厚生労働省「平成30年度高齢者医療運営円滑化等補助金事業における『レセプト・健康情報等を活用したデータヘルスの推進事業』」に採択された。

 PREVENTは「多様なヘルスケアサービスが開発されているが、すでに発症し治療を開始した患者の重症化、再発予防のサービスの整備は不十分だ」とし、「医療費の適正化のためにはターゲットを絞った予防策が必須となる。健康指導で重症化を防げれば医療費は着実に減らせる」と強調している。
PREVENT
重症化予防サービス 疾病マネジメント・プログラム Mystar
[Terahata]

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