オピニオン/保健指導あれこれ
企業で働く保健師のキャリアプランを考える ~攻めの保健師養成を目指して~

No.3 攻めの保健師 そして今編

保健師(株式会社オフィス・アニバーサリー 、産業医事務所)
久保さやか

目標は「人事担当者の役に立ち、力になること」

 これまで3回に渡り、私の半生をご紹介しました。いよいよ、最終回の今回は、今の自分と今後について、お話したいと思います。

 プロローグでもお伝えしたように、私は今、中小企業の産業保健師と並行して、ビジネスマンを対象にマネジメントやリーダーシップについて教育する、人材育成・組織開発の仕事をしています。

 中小企業の保健師としての私の目標は、「人事担当者の役に立ち、力になること」です。前職では、人事部の多忙さを知り、彼らの対応している膨大な課題の中で、産業保健に関するものは、ほんの一部であることも分かりました。

 また、当然の事ながら、中小企業に保健師が訪問できる回数は限られ、常勤と同じ対応は出来ません。その様な中で、産業保健師としてどんな活動をしていくか。独自のスタイルを創る必要があります。

活動の一例として、人事担当者とのミーティングをご紹介します!

 担当する中小企業には、月に2回訪問し、1回は産業医面談の運営、もう1回は人事担当者とのミーティングを行っています。ミーティングでは、病気に関連した従業員を全部洗い出し、現在の状況を確認します。私のそこでの役割は、ファシリテーターとして、対象となった従業員の課題を明確にし、産業医・保健師・人事のうち、誰が関わる案件なのかを整理します。

 勿論、その場では、医学的な事も論点になります。しかし、それだけに限定されません。雇用契約等の人事的な手続に関するものや、人材育成に関するもの、制度や体制構築にも及びます。

 このミーティングを軸にする事で、人事部内での情報共有も進み、役職者による判断も同時にされるので、うやむやになりがちな話題についても、話が進むようになります。同時に、人事担当者の自発的な対応が増えて来ました。「人事担当者の力になる事」は、その結果として、「人事担当者に力をつける事」に繋がるのだと、実感しています。

人材育成・組織開発のお仕事

 そして、もう1つの仕事である人材育成・組織開発の仕事。

 組織の中でのリーダーに働きかけ、マネジメントのインフラを整備し、機能させるべく、講師としての活動を行っています。コーチングとファシリテーションを活用し、「単なる研修」の位置づけではなく、実際に「業務で実践される」よう、プログラムを運営しています。

 受講生たちが、楽しみながらプログラムに参加し、素晴らしい成果を笑顔で報告してくれる場面を見るたびに、これが産業保健の目指すべき方向性なのではないかと思います。今後は、2つの仕事を融合させた形として、ストレスチェックの組織分析の結果とマネジメント研修を組み合わせられないか、試行錯誤中です。

 連載の冒頭で、「組織で他者を動かすリーダーシップを発揮し、産業保健師は、どんな価値を提供できるのか。」という疑問を投げかけました。私の今の働き方や仕事の内容は、自分が何のために働くのか、その「意味」の答えそのものです。皆さんは、如何でしょうか。

「6つの問い」に答えられますか?

 最後に、組織開発をご専門にされている立教大学の中原先生の「6つの問い」をご紹介します。所属組織の目標に対して、以下の問いに、チームやご自身は答えられますか?

【Our story : わたしたちのチームのストーリー】
  1.Why do?(なぜ、私たちはやるのか? 私たちは何をめざすのか?)
  2.Why us?(なぜ、わたしたちが、やらなくてはならぬのか?)
  3.Why now?(なぜ、今なのか?)

【My story:現場のわたしが感じるストーリー】
  1.Why do?(なぜ、自分がやるのか? 自分は何をめざすのか?)
  2.Why me?(なぜ、わたしが、やらなくてはならぬのか?)
  3.Why now?(なぜ、今なのか?)

皆さまのご意見お待ちしております!

 今後の活動として、産業看護職の皆さんにも、何かお役に立つ事をしたいと考えていますが、まだはっきりとした形が見えて来ていません。この連載をお読み下さった方達と考えていければと思っていますので、是非感想や今後のご要望を頂ければ、嬉しいです。

感想やお問合せはこちらから≫ 株式会社オフィス・アニバーサリー WEBページ

【参考】
立教大学経済学部中原研究室

「企業で働く保健師のキャリアプランを考える ~攻めの保健師養成を目指して~」もくじ

「産業保健」に関するニュース

2019年03月20日
運動は若さを保つための最善の策 40歳以降は筋肉を増やす運動が必要
2019年03月20日
糖尿病リスクはBMIが22以上から上昇 若い頃からの体重管理が重要 順天堂大学
2019年03月20日
保健指導と介護予防を一体的に実施 フレイル対策を強化 厚労省が方針
2019年03月20日
うつ病の発症原因は「仕事の不満足」 回復では「職場ストレス」が重要 職場でのヘルスマネジメント戦略
2019年03月20日
長時間労働が心筋梗塞リスクを1.6倍に上昇 日本人1.5万人を20年調査
2019年03月20日
歯周病がCOPDの引き金に 歯周病の人は発症リスクが4倍に上昇
2019年03月14日
保健師の職業紹介番組を放映(テレビ神奈川、3/17)
2019年03月14日
「産業保健プロフェッショナルカンファレス」主催者変更のお知らせ
2019年03月13日
「睡眠負債」は週末の寝だめでは解消できない 睡眠を改善するための6ヵ条
2019年03月13日
認知症リスクは糖尿病予備群の段階で上昇 体と心を活発に動かして予防

最新ニュース

2019年03月20日
運動は若さを保つための最善の策 40歳以降は筋肉を増やす運動が必要
2019年03月20日
糖尿病リスクはBMIが22以上から上昇 若い頃からの体重管理が重要 順天堂大学
2019年03月20日
保健指導と介護予防を一体的に実施 フレイル対策を強化 厚労省が方針
2019年03月20日
うつ病の発症原因は「仕事の不満足」 回復では「職場ストレス」が重要 職場でのヘルスマネジメント戦略
2019年03月20日
長時間労働が心筋梗塞リスクを1.6倍に上昇 日本人1.5万人を20年調査
2019年03月20日
歯周病がCOPDの引き金に 歯周病の人は発症リスクが4倍に上昇
2019年03月19日
地域保健・健康増進事業報告①~母子保健など「地域保健事業」の概要
2019年03月14日
【健やか21】募集開始!周産期メンタルヘルスと児童虐待予防セミナー
2019年03月14日
保健師の職業紹介番組を放映(テレビ神奈川、3/17)
2019年03月14日
「産業保健プロフェッショナルカンファレス」主催者変更のお知らせ
2019年03月13日
「睡眠負債」は週末の寝だめでは解消できない 睡眠を改善するための6ヵ条
2019年03月13日
認知症リスクは糖尿病予備群の段階で上昇 体と心を活発に動かして予防
2019年03月13日
【新連載】LGBTについて、学校保健分野・地域保健分野・産業保健分野で考える
2019年03月13日
994万人が高血圧 脂質異常症は221万人 糖尿病は過去最多の329万人 【2017年患者調査】
2019年03月13日
日本人妊婦で「静脈血栓塞栓症」が増えている 女性でも珍しいくない病気に エコチル調査
2019年03月13日
高齢者の多くが複数の病気を併発 医療費と介護費が増加 保健指導が必要
2019年03月12日
アルコールががんや生活習慣病を引き起こす「少酒の勧め」 動画を公開
2019年03月12日
【参加申込受付中】産業保健師会 2019年度 第1回研修会「産業保健師活動のあり方の本質に迫る―今どきの職場不適応の背景とその対応―」
2019年03月08日
睡眠に不満がある人は9割超―求められる十分な睡眠時間と質の高い眠り
2019年03月07日
【取材】多職種連携でも必要な「保健師の技術の可視化」を考える【平成30年度 日本保健師連絡協議会】
2019年03月07日
【健やか21】世界自閉症啓発デー2019(4/6東京) 参加申込み受付中
2019年03月06日
太っていなくても糖尿病やメタボに 日本人は少しの体脂肪増加や運動不足で異常が
2019年03月06日
糖質に着目した「1:1:1お弁当ダイエット法」 主食・主菜・副菜を最適に
2019年03月06日
大阪府が「健活10」を開始 健康寿命の延伸と健康格差の縮小が目標 1人ひとりの主体的な健康づくりを促す
2019年03月06日
認知症の発症を血液検査で予測 100%の的中率で判別に成功 長寿研
2019年03月06日
幼児の脳の発達に親の励ましが大きく影響 離婚は子のメンタルヘルスに影響
2019年03月06日
【書籍紹介】「増補新訂 医療機関における産業保健活動ハンドブック」※19年3月31日まで割引サービス中!
2019年03月05日
「どうする? 新入社員の健康支援」へるすあっぷ21 3月号
2019年03月05日
平成30年は2倍の増加―職場における熱中症による死傷災害発生状況
2019年03月05日
さらなる周知・啓発が必要―中小企業の「健康経営に関する実態調査」
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,762 人(2018年12月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶