総合職を経て、産業保健師業に戻って感じた危機「これは、マズイ・・・産業保健師が、いつなくなっても、おかしくない」
私は、中小企業の産業保健師の業務と並行して、ビジネスマンを対象にマネジメントやリーダーシップについて教育する人材育成・組織開発の仕事をしています。
産業保健師と、人材育成・組織開発の両方を兼業することは、珍しいですよね?
はい、自分でも、そう思います。
もちろん、看護学校を卒業した時には、講師をするなんて予想もしていませんでした。今のような働き方に至るまでに、20年の楽しくも辛い毎日でした。諸先輩からは、「まだまだ」と叱られてしまいそうですが、私の職業人生を大きく4つに分けてみました。
ファーストステージ
「毎日ドキドキ 大学病院で、看護師時代」
セカンドステージ
「色々やってみたけど、自分の限界を知る 大手小売業で産業保健師時代」
サードステージ
「サラリーマンとして、もまれまくる 製造小売業の総合職時代」
ファイナル(?)ステージ
「新たな自分に挑戦 産業保健師と人材育成・組織開発の道へ」
これらの経歴は、オピニオンの中でこれから3回に渡ってご紹介しますが、まず、総合職を経て、久々の産業保健師業に戻ってみて思ったのは、
「これは、マズイ・・・産業保健師が、いつなくなっても、おかしくない」
この一言に尽きます。
危惧が確信へ…

自分の危惧を確かめるべく、何人かの産業保健師・産業保健師希望者にヒアリングをしてみましたが、この危惧は私の中で確信に近づいています。
「なかなか就職先が見つからない」
「非常勤や契約社員雇用が多い」
「給与が低い」
といった、私が産業保健師に就職した時と変わらない雇用状況。いえ、むしろ非正規雇用や低賃金化が増え、ますます過酷になっている印象があります。
そして、キャリアという視点では、
「身近なロールモデルがいない。他の保健師がどんな風に働いているか分からない」
「この先のキャリアプランがなんて、考えたことがない」
「勉強会には、積極的に参加しているけれど、なかなか人脈が出来ない」
1人職場が多いこともあり、この先の職業人生の展望について、考えにくい環境にあります。
産業保健師はマネジメントやリーダーシップができている?

これらを通して、自戒をこめて考えたのは「産業保健師は、マネジメントやリーダーシップということを学び、実践できているのか」という、疑問です。
「一般的な会社組織内での物事の進め方を理解しているのか」
「医療職としての価値の側面だけで、判断していないか」
「部署の中で、明確な目標は設定されているか。組織の一員として機能しているのか」
「マネジメントやリーダーシップスキルを学び、実践できる場はあるか」
医療や健康に関する知識のみでは、組織は動きません。これは、総合職として人事部や役員秘書を経験し、人材教育・組織開発をする立場になったからこそ持てた視点だと思います。
キャリアや自身の価値を見直すきっかけにしてほしい

このオピニオンを通し、保健師のキャリアに視点を置きながら「組織で他者を動かすリーダーシップを発揮し、産業保健師は、どんな価値を提供できるのか。」ということを、改めて問いたいと思っています。
まずは、私が産業保健師からどんな道を歩んできたのか、次号よりご紹介し、皆さんのキャリアや産業保健師のリーダーシップ、提供できる価値を考えるきっかけとなって頂ければ嬉しいです。