妊娠22〜23週の超早産児、生存率は国・地域で大差 日本はNICU退院生存率が最高
国立成育医療研究センターの新生児科・諫山哲哉診療部長と、新生児ネットワーク(12の国と地域)の研究グループはこのほど、"超早産児"における「生存率」と、合併症などへの「罹患率」を調べる国際コホート研究を実施。
その結果、国や地域によって大きな差がある中、日本は妊娠22週~23週でのNICU (新生児集中治療室)退院生存率が最も高いことなどが明らかになった。
日本の周産期・新生児医療は高い水準
12の国・地域にまたがる複数の新生児ネットワーク(国際共同枠組み)に参加しているのは、日本のほか、オーストラリア・ニュージーランド、ブラジル、カナダ、フィンランド、イスラエル、スペイン、スウェーデン、スイス、トスカーナ(イタリア)、イギリス。
研究は妊娠22週~23週に出生した超早産児で、2015年1月1日から2021年12月31日の期間中、NICUに入室した5019人を対象に行われた。
その結果、日本におけるNICU退院生存率は妊娠22週で生まれた場合は64.1%、妊娠23週では79.5%と最も高かった。他国・地域の状況を見ると差が大きく、ブラジルは妊娠22週で8.8%、妊娠23週で15.6%と低かった。妊娠22週の場合は、次いで多いスウェーデンでも48.7%で5割に満たず、日本の周産期・新生児医療が高い水準にあることが示唆される。
一方、重症の脳室周囲出血(PVH)または脳室周囲白質軟化症(PVL)の罹患率について各国の状況を比較した結果、国によって妊娠22週では24~65%、妊娠23週では18~56%と格差が大きかった。また妊娠23週で生まれた場合の壊死性腸炎も同様で、6~28%と差が見られた。日本は重症PVH/PVL、壊死性腸炎の割合が低い。
このように各国・地域において、生存率や罹患率には大きな隔たりがあることが明らかになった。研究グループでは格差が医療制度や診療体制などの違いから生まれる可能性を指摘しつつ、日本が高い生存率、重度の脳障害が低い状況だったことから「今後、高い成績を残している日本の医療技術や制度が、国際的な医療の質の向上に寄与することが期待される」としている。
超早産児(妊娠22週~23週)の生存率・罹患率の国際コホート研究(国立成育医療センター/2025年11月11日)
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