特定健診実施率、初の6割超え 特定保健指導も過去最高の28.3%
厚生労働省が2024年度の実施状況を公表
厚生労働省は7月30日、2024年度の特定健康診査・特定保健指導の実施状況を公表した。特定健康診査(以下、特定健診)の実施率は61.5%となり、2008年度の制度開始以来、初めて6割を超えた。特定保健指導の実施率も28.3%で過去最高となったが、2029年度の全国目標である45%以上とは16.7ポイントの開きがある。
2024年度は、第4期特定健康診査等実施計画期間(2024~2029年度)の初年度に当たる。
特定健診の実施率、過去最高に
2024年度の特定健診の対象者は約5,142万人、受診者は約3,161万人で、実施率は61.5%となった。2023年度の59.9%から1.6ポイント上昇し、制度開始以降で最も高い水準となった。
特定健診の実施率は、2008年度の38.9%から概ね上昇してきた。新型コロナウイルス感染症の流行下にあった2020年度には53.4%まで低下したものの、その後は再び上昇し、2024年度に初めて6割を超えた。
第4期の最終年度に当たる2029年度の全国目標は70%以上である。過去最高を更新したとはいえ、目標水準まではなお8.5ポイントの開きがある。今後は、これまで受診につながっていない層への働きかけをどのように強化するかが課題となる。
保険者種別・資格区分で大きな差
保険者種別にみると、特定健診の実施率は健康保険組合(全体)が83.8%、共済組合が83.3%と8割を超えた。一方、全国健康保険協会は60.6%、国保組合は53.0%、市町村国保は38.8%となり、保険者種別によって大きな差がみられた。
被用者保険全体では、被保険者の実施率が79.6%であるのに対し、被扶養者は40.3%にとどまり、両者の間には39.3ポイントの差があった。被扶養者をどのように受診につなげるかは、引き続き重要な課題となる。
特定保健指導は過去最高の28.3%
特定保健指導の対象者は約524万人、そのうち特定保健指導を終了した者は約148万人で、実施率は28.3%となった。2023年度の27.6%から0.7ポイント上昇し、こちらも制度開始以降で最も高い水準となった。2008年度の7.7%と比べると、約3.7倍の水準まで上昇している。
しかし、2029年度の全国目標は45%以上であり、目標水準までは16.7ポイントの開きがある。特定健診と比べても、目標達成に向けた距離は大きい。
保険者種別の細分類を含めると、健康保険組合(単一)が46.1%で最も高く、市町村国保(小、特定健診対象者5,000人未満)が45.3%で続いた。一方、全国健康保険協会は19.9%、国保組合は13.5%だった。特定健診と同様に、特定保健指導でも保険者種別によって実施率に大きな差がみられた。
また、特定健診受診者に占める特定保健指導対象者の割合は16.6%で、前年度と同じだった。対象となった人を確実に保健指導につなぎ、生活習慣の改善を継続的に支援することが重要となる。
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出典:厚生労働省「2024年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況について(概要)」P.5
第4期ではアウトカム評価を導入
2024年度から始まった第4期では、特定保健指導の実績評価にアウトカム評価が導入された。積極的支援では、腹囲2cm・体重2kg減を主要達成目標とし、腹囲1cm・体重1kg減や、食習慣、運動習慣などの改善も評価する。継続的支援の実施内容をみるプロセス評価と組み合わせて評価する仕組みとなっている。
関連する成果指標であるメタボリックシンドローム該当者・予備群の減少率は、2008年度比で17.2%となり、前年度と同率だった。2029年度の全国目標である25%以上とは、7.8ポイントの開きがある。
なお、2024年度から一部公表予定とされている特定保健指導の「見える化」項目の集計結果は、今回の資料とは別に公表される予定である。第4期における成果をみるには、今後公表されるデータもあわせて確認する必要がある。
今回、特定健診・特定保健指導の実施率がいずれも過去最高となったことから、制度開始以降、取組の定着が進んできたことがうかがえる。一方、2029年度の全国目標との開きはなお大きく、目標達成に向けては、これまで受診・利用につながりにくかった層への働きかけをさらに強化する必要がある。
健診を「受けて終わり」にしない
特定健診の役割は、生活習慣病のリスクを早期に把握することにある。しかし、健診を受けること自体がゴールではない。健診結果を本人の気づきや行動変容につなげ、必要に応じて医療機関への受診を促すなど、継続的な健康管理に結びつけることが重要である。
特定保健指導についても、実施率を高めるだけでなく、対象者が自らの生活を振り返り、無理なく取り組める行動を見つけ、それを継続できるよう支援することが求められる。
今後は、受診・利用の機会を広げるとともに、その後の行動変容や健康状態の改善につながる支援を充実させることが焦点となる。第4期は、実施率と成果の両面から、特定健診・特定保健指導の取組をどこまで発展させられるかが問われる期間となる。
参考資料
2024年度 特定健康診査・特定保健指導の実施状況|厚生労働省
2024年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況について|厚生労働省
2024年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況について(概要)|厚生労働省
特定健診・特定保健指導について|厚生労働省
特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き(第4.3版)|厚生労働省
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