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【2025年労働安全衛生調査】メンタルヘルス対策に取り組む事業所は63.0% 50人未満へのストレスチェック義務化を前に

 厚生労働省は8月7日、「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」の結果を公表した。常用労働者10人以上の民営事業所を対象とした事業所調査では、メンタルヘルス対策に取り組む事業所の割合は63.0%だった。2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、2028年4月1日からは、労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務付けられる。
 調査結果から、事業所規模別の取組状況や集団分析の活用状況、労働者の仕事や職業生活に関する不安・悩み・ストレスの状況をみる。

メンタルヘルス対策の取組割合、事業所規模で差

 今回の調査は、常用労働者10人以上を雇用する民営事業所約1万4,000か所と、そこで働く常用労働者および受け入れた派遣労働者約1万8,000人を対象に実施された。なお、常用労働者10人未満の事業所は、事業所調査の対象に含まれていない。

 事業所調査によると、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.0%で、令和6(2024)年調査の63.2%とほぼ同じだった。規模別では、労働者数50人以上が93.7%、30~49人が72.0%、10~29人が54.6%となっている。

 メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所のうち、ストレスチェックを実施している割合は64.0%だった。規模別では、労働者数50人以上が89.8%、30~49人が58.4%、10~29人が55.9%だった。いずれも、各規模でメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所を100とした割合で、50人以上と50人未満の事業所では実施割合に大きな差がみられた。

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メンタルヘルス対策の取組内容別事業所割合

出典:厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概要」P.4

ストレスチェック実施事業所の74.9%が集団分析

 ストレスチェックを実施した事業所のうち、結果を集団(部、課など)ごとに分析している割合は74.9%だった。また、集団分析を行った事業所のうち、分析結果を活用している割合は78.1%となっている。

 ストレスチェックには、労働者自身の気づきを促し、高ストレス者に対する医師の面接指導につなげるだけでなく、集団分析によって職場に共通するストレス要因を把握し、職場環境の改善に結び付ける役割もある。保健師や産業保健スタッフには、個人への支援と職場への働きかけをつなぎ、分析結果を管理職や事業者と共有して改善に生かす役割が期待される。

仕事や職業生活に強い不安・悩み・ストレスがある労働者は67.5%

 個人調査では、現在の仕事や職業生活について、強い不安、悩み、ストレスを感じる事柄がある労働者の割合は67.5%だった。前年の68.3%を0.8ポイント下回ったものの、依然としておよそ3人に2人が、仕事や職業生活で強い不安、悩み、ストレスを感じる事柄があると回答している。
 なお、この数字は、ストレスチェックで「高ストレス者」と判定された労働者の割合ではない。

 このうち、強い不安、悩み、ストレスの内容(主なもの3つ以内)は、「仕事の量」と「仕事の失敗、責任の発生等」がともに39.5%で最も高く、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」が32.9%で続いた。前年と比べると、「仕事の量」は43.2%から低下した一方、「仕事の失敗、責任の発生等」は36.2%から、「対人関係」は26.1%から、それぞれ上昇した。

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仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスの内容

出典:厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概要」P.15

相談できる人がいる労働者は94.8%、そのうち相談経験がある人は71.2%

 個人調査では、仕事や職業生活に関するストレスについて、相談できる人が「いる」労働者は94.8%だった。相談できる相手(複数回答)は「家族・友人」が74.8%と最も多く、次いで「上司」が63.8%となっている。

 相談できる人がいる労働者のうち、実際に相談したことがある人は71.2%だった。ただし、相談の必要性や相談しなかった理由は調査しておらず、この結果から相談のしやすさまでは判断できない。

 職場の相談体制を整える際には、相談窓口を設けるだけでなく、労働者が利用しやすい環境をつくることも重要となる。産業保健スタッフには、日常的な健康相談や面談など、労働者と接する機会を早期の気づきや支援につなげる役割が求められる。

50人未満の事業場も2028年4月から義務化

 令和10年(2028年)4月1日からは、労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックが義務付けられる。今回の調査では、常用労働者10人以上の事業所において、規模によるメンタルヘルス対策の取組割合の差が示された。対象拡大を単なる制度対応として捉えるのではなく、集団分析の活用や相談体制も含め、職場のメンタルヘルス対策を見直す機会とすることが重要になる。

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 令和8年度の全国労働衛生週間(10月1~7日)のスローガンは、「ひとりひとりが貴重な人材 心も体も健やかに みんな生き生き健康職場」である。全国労働衛生週間は、労働衛生に関する意識を高め、職場での自主的な活動を促すことを目的としている。
 今回の調査結果も踏まえ、各事業場では、ストレスチェックの実施状況だけでなく、集団分析の活用や相談体制を含むメンタルヘルス対策全体を点検する機会として活用したい。

参考資料

令和7年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概要|厚生労働省
【報道発表資料】令和7(2025)年「労働安全衛生調査(実態調査)」の結果を公表します|厚生労働省
令和8年度「全国労働衛生週間」を10月に実施|厚生労働省
ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策|厚生労働省

[保健指導リソースガイド編集部]