日本の元気を創生する ‐開業保健師の目指していること‐
一般社団法人 日本開業保健師協会
No.10-1 「人生のしょんぼりをワクワクに変える!」をミッションに( 合同会社チームヒューマン)
合同会社チームヒューマン 代表
德永 京子
はじめに
合同会社チームヒューマン代表の徳永です。
チームヒューマンは、働き盛りのこころとからだの健康を応援するための会社です。
「はたらき盛りを元気で、いきいきと働ける」
「自分の能力を発揮して、お互いを認め合える」
「自分を必要としてくれる人と共に成長する」 そんな会社を作りたいと思っています。
人生80年の中で、20歳ころから、還暦の60歳までの40年間。私たちは人生の大半を「職場」で過ごします。はたらき盛りをいかに元気に、活躍できるかが、私たちの生きがいと深くかかわっているのではないでしょうか。
突然のうつ? いいえ、当然のうつを発症
私は、はたらき盛りの40代に、メンタル不調を経験しました。
連日の頭痛にひどいめまい。それでも 仕事を休むことができずにいると、買い物に行っても 何を買ったらいいのか 考えられない・・・
台所にも立てなくて食べられなり、体重が2ヶ月で 15Kgもやせてしまいました。(今は、十分超回復しています。)
気持ちが落ち込むという自覚はあまりなく、からだが心の疲れに気づかせようと、一生懸命だったんだと思います。
当時の職場であった保健所は、地域分担から業務分担に変わり、同じ専門職である保健師どうしが、以前は、お互いにカバーしあっていたのに、仲間の仕事が見えなくなってしまいました。そんな変化を受け入れることができなかったのです。
それから1年間 仕事を休みましたが、やっぱり 元の職場には戻る気持ちにはなれず、ある夜、誰もいなくなった職場に荷物を取りにいきました。24年も勤めたのに 去る時なんて本当にあっけないものでした。
働く心に寄り添って
退職後は、リハビリのつもりでのんびり仕事しようと思っていました。保健師資格のおかげで、仕事に困ることはありませんでしたが、休職中にすっかり生活リズムが乱れてしまった私は朝、決った時間に起きることができませんでした。
退職して1年経った頃、友人が自宅から40分ほどの健診機関での仕事を紹介してくれたのですが、8時半の勤務開始時間に間に合うように、7時半に家を出る・・・「起きられなかったらどうしよう?」と思うと不安になり、たちまち自信がなくなってしまいました。
しかし、冷静に考えたら、起きられなくて、出勤できなくなったことや、通勤途中で何度も電車を降りたことや、保健所の建物に入れなかったこと・・・それらは、私が経験したことではあったけれど、2年も治療したのですから、体調はかなり良くなっていて、漠然とした不安でしかなかったのです。
「できるか、できないか、わからないけれど やってみるしかない!」そして、少しずつ自信を取り戻した頃、ふと思ったのです。
「私は何故メンタル不調になったのだろう?」
「どうすれば予防できたのだろう?」
保健師である私がメンタル不調になったのは、何か意味があるはず・・・!!もし、これがわかったら、心の健康に関することを仕事にしよう!
うつは負の体験ではありません!
働き盛りに自分の力を発揮できないで悩んだり、自分のことが信じられなくて苦しんだり、大切な命を自分で摘み取るようなことをしなくてすむように、メンタルヘルスをミッションにすることを決めたのです。
うつは決して、負の体験ではありません。
「今のままではあかんよ、つぶれてしまうよ。別の生き方もあるんやで」と選択のチャンスをくれたのが、うつでした。そして、自分の思いを大切に生きてみようと思った結果、自分らしい働き方に出会え、かけがえのない仲間にも出会えました。私の人生は「しょんぼり」から「ワクワク」に変わったのです。