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受動喫煙対策は徐々に前進〜令和6年度「喫煙環境に関する実態調査」

 厚生労働省はこのほど、令和6年12月末時点の喫煙環境(受動喫煙対策)の実態を把握するため、「喫煙環境に関する実態調査」を実施し、その調査結果(概要)を公表した。

 その結果、前年度に比べて第一種施設で敷地内全面禁煙の割合が増えるなど、受動喫煙対策が着実に進んでいる様子がわかった。

敷地内全面禁煙の割合は第一種施設86.8%、第二種施施設74.6%

 がんや循環器疾患等を予防するうえで、受動喫煙対策を進めることは重要な課題となっている。そのため改正健康増進法では、学校や病院などの第一種施設は敷地内禁煙、第一種施設と喫煙目的施設以外で多数の人が使う施設は原則屋内禁煙と定め、令和2年4月から全面施行されている。

 そのような中、今回の調査は、令和6年12月末時点の喫煙環境の実態を調査するのを目的に、令和7年1~2月に郵送とオンラインで行われた。対象は、第一種施設(学校、医療施設、児童福祉施設、行政機関の庁舎等)と、第二種施設(一般施設・事業所、飲食店、不動産管理事業者、鉄道・バス事業者、旅客船・旅客船ターミナル)。調査対象数2万675件のうち、有効回答数は9038件(有効回答率43.7%)だった。

 その結果、第一種施設のうち、火をつけて喫煙するたばこおよび加熱式たばこを「敷地内全面禁煙」としている割合は全体の86.8%。施設種別では、幼稚園や小中高などは97.1%と高いものの、行政機関は58.4%、介護老人保健施設や療術施設などは69.6%だった。また、敷地内全面禁煙にしていない第一種施設のうち、84.8%は特定屋外喫煙場所を設置していた。

 一方、一般施設や事業所、飲食店などの第二種施設では、火をつけて喫煙するたばこを「屋内全面禁煙」としている施設は全体の74.6%、喫煙専用室を設置している施設は10.9%だった。

 施設種別で見ると、パチンコホールは「屋内全面禁煙」としている施設は10.1%と低いものの、88%で喫煙専用室が設けられていた。一方、バーやキャバレー、ナイトクラブやスナックの72.5%、居酒屋・ビヤホールの43.1%が、「屋内全面禁煙」でも「喫煙専用室設置」でもないと回答しており、受動喫煙防止対策の状況は業種によって差がある。

 加熱式たばこについては「屋内全面禁煙」としている施設は全体の73.6%。「喫煙専用室で加熱式たばこの喫煙も可としている(喫煙のみ、飲食不可)」施設は9.1%だった。

 令和5年度と比べると、第一種施設で「敷地内全面禁煙」とする割合は85.7%から86.8%へ微増。敷地内全面禁煙にしていない施設でも、特定屋外喫煙場所を設けている割合は75.9%から84.8%へ上昇した。また第二種施設でも、火をつけて喫煙するたばこを「屋内全面禁煙」とする割合は73.7%から74.6%へわずかに増加。受動喫煙対策は徐々に前進している様子がわかる。

小規模な飲食店「喫煙可能室設置施設」の割合は

 飲食店については、改正健康増進法では、既存の小規模な飲食店(資本金等5000万円以下・客席床面積100平方メートル以下)が運営する施設について、経過措置が設けられている。これにより「喫煙可能室設置施設」として届出を行えば、店内の全部または一部を喫煙できる場所にできる。

 すべての飲食店のうち、経過措置の対象となる既存特定飲食提供施設は73.0%で、そのうち屋内全面禁煙にしている施設は61.6%。一方、喫煙可能室の設置は34.6%で、内訳を見ると「届出済み」が22.3%、「未届出」が12.3%となっている。制度上は届出を前提としているだけに、現場では運用が十分に徹底されていない可能性がある。

 また、喫煙できる場所がある飲食店のうち、標識を掲示している割合は60.4%だった一方、「掲示していない」は35.1%、「わからない」が4.5%だった。利用者や従業員が喫煙環境を事前に把握できるようにするうえでも、標識掲示の徹底も今後の課題と言える。

令和6年度「喫煙環境に関する実態調査」の調査結果(概要)を公表します(厚生労働省/2026年12月25日)

[yoshioka]