「産業看護職の多様なキャリア形成」セミナーに取り組んで
No.3 今後のセミナーが目指すもの
産業医科大学 産業保健学部 看護学科 産業・地域看護学 准教授
中谷 淳子
毎回ご協力をお願いしているアンケートの中で「今後取り入れてほしいカリキュラム」として、「メンタルヘルス対策」「プレゼンテーションのスキルアップについて」「経営層に認められる資料や企画書のつくり方」といったセミナーを希望する声がほぼ毎回あがります。
これらのスキルが産業看護職にとって必須なものであることが分かりますので、勉強会のような形で取り入れていきたいと考えています。定期開催にはいたっていませんが、産業医科大学の東京事務所(現住所は千代田区神田。当時は港区赤坂。)でミニセミナーとして数回、試験的に開催したこともありますので、軌道に乗せていきたいです。
キャリア形成セミナーについては、「周りにロールモデルがいないため悩んでいたが、光が見えた」「このままで良いのか?というジレンマを感じていたが、やるべきことがわかった」といったコメントを多数いただき、80%以上の方が満足とご回答くださっていることから、今後も継続していきたいと思います。
当セミナーは、参加者だけでなく、ご登壇いただく産業看護職や産業医の満足度も高く、「自分がやってきたこと、考えて来たことを振り返るとても良い機会になった」と感謝していただくことが多々あります。
また、セミナーの企画委員会は、私と副委員長が一番年上であとは20代~30代のまさに「キャリア形成」中の若手メンバーばかりです。メンバーが「聴きたい話」「話を聴きたい人」を中心にプログラムを作成するため、企画側の満足度も高く、全員が笑顔で終われるハッピーなセミナーだと自負しています。
「私のキャリアについても話してみたい!」「企画に加わりたい!」という方は、是非お声をお掛けください。心からお待ちしています。
加えて、当セミナーには、参加者同士のネットワーク作りの場になるというねらいもあります。セミナー後に懇親会を設けているのですが、やはりどうしても参加できない方もいらっしゃるため、今後はプログラムの中で参加者同士が交流できる「グループワーク」「ディスカッション」などを取り入れていきたいと考えています。
また、別領域で働いている看護職やこれから進路を選択する学生さんにも是非参加して産業看護に興味関心を持って頂きたいため、看護協会や看護系大学にも案内をしています。(学部の学生さんには無料でご参加いただいています。)
まだまだ小さな業界ですが、一人でも多くの方が産業看護を選び、志高い仕事をして働く人々の幸せのお手伝いをし、日本をそして世界を明るくすることに貢献できればこれほど嬉しいことはありません。
ネットワーク作りも、産業看護職を増やすことも、“仲間作り”です。仲間は力です。励まし合い、情報交換をし、切磋琢磨する仲間を持つことで、自分の力もついてくるのだと思います。
これからも、産業看護職の方々が、実力をより発揮し、産業看護職としてより豊かに生きるためのお手伝いができれば幸いに思います。