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働く女性と乳がん -がん治療と乳房再建のいま


(2016/01/22)
No.1 乳がんの今 -他人事ではない高罹患率-
 乳がんの罹患率
 日本人女性のがん罹患率トップは、乳がんです。その罹患率は20%超を占め、女性が最も注意しなくてはいけないがんということになります。生涯で乳がんに罹患する確率は、女性で12人に1人と言われています。友人を10人思い浮かべてみてください。自分の含めその中の一人は乳がんになるということです。電車の車内にも最低2~3人はいることになりますね。

 実は、この罹患率は近年急激に増えています。その主な理由は食生活の欧米化や女性の社会進出が影響していると考えられています。女性ホルモンのひとつ、エストロゲンにより乳がんは増殖しますが、月経中はエストロゲンが多く分泌されるため、体格が良く初潮が早くなったことが罹患者の若年化を進めている可能性があります。さらに妊娠出産が減少したこと(つまり女性が生涯に経験する月経の回数が多くなっている)も、影響しているかもしれません。


国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より作成

 乳がん健診
 乳がんの検査には様々なものがありますが、診断までに必ずやる検査と言えばマンモグラフィー(乳房X線検査)、エコー(超音波検査)、針生検(組織診)です。急増する乳がんの早期発見対策として、自治体によるがん検診の費用負担が行われていますが、検診率はまだ2~3割。罹患者の約1割を占める乳がんによる死亡率を下げるためにも、検診受診率を上げることが非常に重要です。

 もし、各画像検査で疑わしい病変があった場合には、針生検で確定診断を行います。この針生検で病変部の組織を採取し、ホルモン感受性など、個々のがんの性格や顔つきまで判断します。針生検によって、その後の治療方針に有効な情報を得ることができます。

 オーダーメイド化されたがん治療
 現在、乳がん治療は「集学的治療」と言って、病期に応じて手術、薬物療法、放射線治療を組み合わせて行われます。さらに個々のがんの性格に合わせた薬剤選択がなされ、まさに「オーダーメイド治療」が普及してきています。ですから、ひとくちに乳がん治療と言っても、人によって受ける治療は異なるのです。

 がんは突然やってくる
 乳がんは、罹患年齢が他のがんよりやや低い傾向にあります。30代後半から急に増え始め、ピークは50~60歳くらいです。また、近年注目されている家族性(遺伝性)の乳がんも若いうちに発症する傾向にあります。

 現代は働く女性が増え、結婚・出産しても仕事を続けていくことは珍しくありません。仕事の責任も増えてバリバリと働いているとき、そしてお子さんがまだ目の離せない子育て中に、乳がんは突然やってきます。

 働き盛りの女性が、乳がんを宣告されたシーンを想像してみてください。いまのプロジェクトを成功させなくてはならないから休むわけにはいかない、子どもがまだ小さいので入院するわけにはいかない、生活はどうしよう、、等々、突然現れた人生の試練に途方に暮れることになります。

 働く女性が乳がんになったとき、仕事と治療のバランスをどう取って行くのか。次回はそのあたりを詳しくみていきます。


国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より作成