業界キーパーソン直撃インタビュー保健指導のみちしるべ
全国健康保険協会(協会けんぽ)

第1回 全国健康保険協会(協会けんぽ) 【前編】

中小企業と二人三脚で健康管理 協会けんぽの保健師の活動とは(1)

 第一回は、日本の人口1億3,000万人に対し、3,500万人(約4人に1人)の加入者を有する全国健康保険協会(協会けんぽ)本部の、保健事業を牽引する保健第二グループ長、六路恵子さんにお話を伺いました。

六路恵子さん
全国健康保険協会 本部
保健第二グループ グループ長
URL http://www.kyoukaikenpo.or.jp/

木村:まずはじめにお伺いします。六路さんが思う保健師としての夢はなんでしょうか。

六路:「協会けんぽの加入者と事業主が手を取り合って健康を考え、その後ろから保健師が付いていく」そんな姿が実現し、協会けんぽの全国の保健師が「これこそ保健師活動!」と誇りと意欲を持った活動ができる環境をつくることが夢です。定年まであと4年ですが、少しでもここに近づけなければならないと思っています。

木村:保健師になられた経緯、これまでの略歴を教えてください。

六路:私が大学を受験する前年に、千葉大学に看護学部が新設され、「国立大学に看護単独の学部が初めてできた」と話題になり、何となく周りと違った進路も良いかなぁとの思いがあったため進学しました。

 教養の授業で、社会学や人類学などとても興味深い授業を受ける機会があったことや、地域保健の実習で大学のフィールドにおいて全戸訪問して健康相談を行ない、その報告会を開くなど、自由に考え広がりのある仕事があると気付くことができ、保健師になる希望を持つことができたと思っています。

 卒業後は、東京都中野区、埼玉県、長野県の保健所に勤めて、精神や虐待、未熟児など、いろいろな家庭に関わりました。「人の幸せ」や「人が生きる事」など考えると、投げ出したくなる事も度々ありました。

木村:最近の六路さんの活動を教えてください。

六路:都道府県支部で取り組んでいる健診、保健指導について実態把握のために支部を回っています。先日、宮城、岩手支部に訪問し、特定健診・保健指導の内容をヒアリングしてきました。

 労働安全衛生法に基づく保健指導は事業主の努力義務ですが、特定保健指導は保険者が事業主にお願いをして行なっています。ここがこれまでとは決定的に違う点です。都道府県に対して、保険者との連携を強く打ち出すように要望するとともに、商工会議所との連携も重要と考えています。

 また、被災地では、医療施設、医師不足が起こっており、復興の進捗の停滞等から「疲れ」「行き詰まり感」などからメンタルの問題も出てきています。これは、保健指導者も保健指導対象者も同様のようです。

 被災直後から刻々と状況が変わっており、随時適切な支援が行えるような勉強の必要性と、特定保健指導以外の枠組みを推奨できるような環境が必要と感じました。

木村:従来の産業保健指導ということですね

六路:まさにそうですね。特に被災地では、特定保健指導対象者以外の方も含めた、柔軟な指導の対応を考えていきたいです。

木村:本日はざっくばらんにお伺いさせてください。
 今回のインタビューは、健診・保健指導業界で最大級の情報サイト「保健指導リソースガイド」の連載コーナーの第一弾です。
健康診断事業に携わる方々に、国や関係団体、現場の方々や学術団体等様々な立場の方々に、取組み事例や、事業に対する想い、今後の対策等を「よりシンプルに」お届けすることにより、ヘルスケアリテラシーの向上を目指すことを目的として、私が業界のリーダーの方々に、テーマに沿ったお話をヒアリングして進めるものです。
 インタビューを受ける立場である協会けんぽとしてのメリットを、どのようにお考えですか?

六路:今回のインタビューは、事業所や健診機関、自治体等、幅広い方々に実情や取組みを知ってもらう良い機会と捉えています。なかなかこのような場所が無いので有難いと感じています。

木村:先日、都内で毎月開催されている「さんぽ会(産業保健研究会)」という勉強会で六路さんが発表された内容が素晴らしく、より多くの人に「情報」として届けたいと思いました。
 健診業界の方々に取っては大変わかりやすく貴重なデータです。ただし、公表されているとは言えホームページの「どこに」アクセスすればいいのか分からないので、触れる機会があまりにも少ないのが現状です。
 できればこのようなデータを、自治体、医療保険者、健診機関、事業者がそれぞれの顧客のために比較値として活用できることは大変価値があると感じています。

六路:情報が若干古いものではあるが、皆様のお役に立てるのであれば、ご活用ください。

【参考資料】
協会けんぽ加入者の健康課題(全国健康保険協会)[PDF:5.81MB、30頁]

 協会けんぽの加入者は住民の約1/3に上るため、自治体や関係機関の方と実態を共有し、地域施策を考えるためにデータを使いたいと考えています。また、国立保健医療科学院の横山徹爾先生にご協力いただき47都道府県のデータをまとめ、支部間格差等を示すための評価分析に取り組んでいます。

※協会けんぽの加入状況

参考資料:全国健康保険協会

最新ニュース

2018年11月21日
【参加募集中】第7回 産業保健プロフェッショナルカンファレンス テーマ「職場巡視~ありのままの現場を見られる産業保健師になる~」
2018年11月21日
運動不足はメタボよりも高リスク 運動をより多く・座る時間は少なく
2018年11月21日
野菜で脱メタボ 宮城県が野菜の摂取を促す「みやぎベジプラス100」
2018年11月21日
スポーツを通じて女性の活躍を促進 子育て世代もサポート スポーツ庁
2018年11月21日
母乳が赤ちゃんの腸内フローラを健康にする メカニズムを解明
2018年11月21日
慢性腎臓病(CKD)の原因は腎臓での「エネルギー代謝障害」 治療法を開発
2018年11月20日
今夏の熱中症による救急搬送人員は95,000人、昨年度に比べて大幅増加
2018年11月16日
【健やか21】平成30年度「医療安全推進週間」
2018年11月15日
【産保PC第6回(2018年度 第2回)レポート】テーマ:メンタルヘルス
2018年11月14日
11月14日は「世界糖尿病デー」 家族や大切な方が糖尿病と言われたら
2018年11月14日
世界糖尿病デー 「糖尿病の警告サイン」を5人に4人が知らない
2018年11月14日
厚労省がイクメン企業アワード受賞企業取組事例集などを発行
2018年11月14日
"防ごう、備えよう!低血糖―低血糖時のアクションプラン"公開 糖をはかる日
2018年11月13日
がん患者の就労支援 働く患者の75%が「産業医」の存在を知らない
2018年11月13日
サマータイムは「睡眠障害」の原因に 生物時計に障害 日本学術会議
2018年11月13日
妊娠中の低栄養やストレスが子の高血圧の原因に 遺伝子レベルで解明
2018年11月13日
なぜ「朝食を抜くと体重が増える」? 体内時計で解明 名古屋大
2018年11月12日
「糖尿病になったらいくらかかる?」を改訂 糖尿病の医療費
2018年11月09日
【健やか21】妊娠中・産後のママのための食事BOOK(ダウンロード無料)
2018年11月08日
適切な情報選択の一助に!「アレルギーポータル」を開設~日本アレルギー学会
2018年11月08日
「効果を上げる! 健康教育のツボ」へるすあっぷ21 11月号
2018年11月07日
【新連載】がん治療と仕事の「両立支援」を考える~産業保健師の乳がん経験~
2018年11月06日
簡易に測定できる「フレイルチェック」を産官学協働で開始 九州大学など
2018年11月06日
新しい「発芽玄米」で脳内「BDNF」が増える 脳卒中や認知症などを予防
2018年11月06日
肥満やメタボの新たな治療 肝臓の「アクチビンE」が脂肪を燃焼
2018年11月06日
チョコレートが閉経後女性の高血糖、高血圧、高コレステロールを改善
2018年11月05日
生活改善の「三日坊主」を防止するアプリ チームで励まし治療を継続
2018年11月02日
【健やか21】児童虐待防止推進月間「愛の鞭ゼロ作戦」
2018年11月01日
ブレインフードレシピを提供します(くるみヘルスケアプロジェクト)
2018年10月31日
なぜ朝食は食べた方が良いのか? 肥満と脂質異常症を予防するのに有利
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,558 人(2018年10月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶