業界キーパーソン直撃インタビュー保健指導のみちしるべ
【特別編】 データヘルス計画セミナー

データヘルス計画、健康経営、コラボヘルス、保健事業の新たな挑戦!講師コメント(2)

■根岸 正治氏
 (日立健康保険組合 保健事業推進課長)
健康管理事業を推進する上で苦労した点や、成功した事例を教えてください。

 苦労した点は、お恥ずかしい話ですが、保健事業の参加率が低迷し、その対応に苦労しています。

 健診事業では、家族の特定健診の受診率が40%程度と低い状況が続いており、DMの発送や受診勧奨等実施していますが、なかなか実績につながっていきません。受診をしない理由は様々ですが、健診結果が集まらなければ、データヘルスの実現も難しくなります。

 特定保健指導等生活習慣改善支援事業では、参加率が30%程度と参加率が低迷しています。また、健康増進事業では、継続利用者数が減少傾向にあり、継続的な利用者確保に苦労しています。

 いずれも、実施している周知・PR方法に工夫が必要であり、マンネリ化を解消しなければならないと考え、いろいろ対策を行っていますが、なかなか結果に結びついていないのが現状です。

 成功した事例については、残念ながら、自信を持って「成功」といえる結果はまだでていません。

今後推進したい事業があれば教えてください。

 従業員の健康増進として、コミュニケーションが図れ、みんなで楽しみながら行える仕組みづくりを考えています。

 ウォーキングプログラムをポータルサイトで展開していますが、一人で行うのではなかなか続きません。今までもグループを作って歩数を登録し、グループ内で楽しむ機能はありましたが、チームで競いあったりする機能がありませんでした。

 ハイリスク者へのアプローチも取組んでいきますが、楽しく続けることができる健康増進事業にも積極的に取組んでいきたいと考えています。

加入者が多い医療保険者としての悩みとは何でしょうか。

 グループ健保の合併で、4年間で約8万人の加入者が増加し、加入者が50万人を超える保険者になりました。

 保健事業は各健保で独自に行っているため、健診の補助制度や手続き等も異なっていますし、委託機関も異なっています。制度変更等のご案内は加入者や加入事業所担当者だけではなく、委託機関等にも行いますが、周知徹底できるまで時間も掛り、より丁寧な対応が必要です。

 また、医療費等データ分析では、分析結果が、加入者数の増加による原因なのか、そうではないのかしっかりと見極めなければなりません。

大きい組織が健康事業を進める上でのメリット、デメリットを教えてください。

【メリット】
 何か1つの保健事業プログラムを実施した場合、1度に多くの実施結果データが収集できるため、結果分析等を行う際、ある程度の評価ができますし、複数の委託機関を利用し、それぞれの特徴等も見ることもできることがメリットかもしれません。

【デメリット】
 特定の事業所や地域で1つの保健事業プログラムを行うことは、大きな負担となりませんが、全体的に実施する場合は、全国的な展開になりますので、何らかの問題が発生するかもしれないということを想定し、事前に対応策を考えなければなりません。例えば、23万人の被保険者全員に何かプログラムを案内し、問い合わせが10%あったと過程したら、2.3万人から問い合わせを受けることになります。
 大量オペレーションを意識し、しっかりとした運用体制で臨まなければなりません。そのため、全体的な展開には、準備等時間が必要になります。

これから計画を作成する担当の方に対するメッセージをお願いします。

 メッセージではなく、当健保が意識していることになります。

 2015年度のスタート年度からすべての保健事業を網羅的に行うことは、あまり現実的ではないと考えています。当健保組合では、第一期の3年間で全体の形を作るというスタンスで、計画書を作成する予定です。実証事業についても、徐々に規模を拡大し、段階的に取組んでいきます。

 新たに実施する事業は、分からないこともありますし、小さな規模では問題がなかったのに、大きな規模で実施した際に問題が発生する等、いろいろ課題が出てくることが想定されますので、あまり手を広げ過ぎず、無理のないように取組んでいきます。

保健師、看護師、管理栄養士など専門職の方に、保健事業に関わる上でのメッセージをお願いします。

 現在、当健保が加入事業所専門職の方々に対して、意識している事項です。

 今後、データヘルスを実現する上で、重症化予防の取組みとして、保健指導や未受診者への受診勧奨等を従業員に実施することを予定していますが、その際、事業主との連携・協働(コラボヘルス)が必要となりますし、コラボヘルス無しでは、データヘルスの実現は難しいと考えています。同内容については、現在、事業主サイドで取組まれている事業でもあり、自分たちのテリトリーになぜ入ってくるのかと思われる方もいらっしゃると思います。

 現在、産業保健分野では、メンタルヘルスや長時間残業、生活習慣予防等、非常に多くの業務量を処理されているなか、その一部を健保サイドでお手伝いさせて頂くというスタンスで考えています。そのため、課題事項の共有化や業務分担の明確化等、協力関係の強化が必要となると考えています。

 従業員の健康保持・増進のため、ともに頑張っていきたいと考えていますので、どうぞ、よろしくお願いします。

配布資料
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講師からのコメント/配布資料
■データヘルス計画の推進について
 吉村 和也氏(厚生労働省 保険局 保険課)
配布資料

■動き出したデータヘルス計画への取り組み
 -財政・保健事業の大改革の歩み-
 中家 良夫氏(内田洋行健康保険組合 事務長)
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■日立健康保険組合における
 「データヘルス計画」策定と実行の事例
 根岸 正治氏(日立健康保険組合 保健事業推進課長)
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■株式会社フジクラの健康増進・疾病予防活動
 -社員が活き活きと仕事をしている会社を目指して-
 浅野 健一郎氏(株式会社フジクラ 人事・総務部 健康経営推進室 副室長)
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