オピニオン/保健指導あれこれ
健康保険組合が挑戦したデータヘルス計画とコラボヘルスの推進

No.1 一体どうすれば良いのか、どのように財政・保健事業の改革を実行したのか

内田洋行健康保険組合 事務長
中家 良夫
 草木を刈り、新しいレールを敷き、新しい汽車を走らせた

 私は母体企業(内田洋行)の営業前線で33年間勤務し、4年前に全く畑違いの健保組合に着任したので、当時は大変な毎日でした。海図も羅針盤も無くウチダ健保丸に乗り込み、荒海を航海し新天地に船を着け、草木を刈り、新しいレールを敷き、新しい汽車を走らせたのです。これまで挑戦することなどタブー視されていた保守的な健保組合の組織文化の壁を突き抜けたのです。

 そんな中、大先輩方のフィロソフィー「知行合一」「相手を敬い己を慎む」「人として正しい道を貫く」を唱えながら、必死に財政と保健事業の改革にチャレンジしました。

 改革は一人では潰されます。職場の仲間と何度も何度も本音で話し合い、同志である当健保の課長代理(山本小百合)と二人でポジィティブシンキングを合言葉に、改善・改革の流れを醸成しました。



 志を立て本気で実行(健康診断の大改革と保健師の仕事環境の改善)

 先ず、平成24年度は同志と二人三脚で、2つの課題解決に向けて、Q(品質)C(コスト)D(納期)をベースに外部専門事業者6社と毎日のように検討会を繰り返しました。2つの課題とは、「健康診断の大改革」と「保健師(中尾京子)が保健指導に100%専念できるように職場環境を改善すること」でした。

 常務理事(松井陽一)に健康診断の事務代行による外部委託の提案を行い、前年よりもコストが上がらないと言う条件で了解を得ました。

 重要な判断基準は、
(1)健診項目の見直しを行い新たな内田洋行ドックを創出し最適化させること(減らす検査項目、新たに増やす項目)
(2)新たに健診事務代行委託を行い前年の健康診断実施コスト以下で実現し、且つ、お釣りが戻って来ること
(3)そのお釣りを新たな保健事業「データヘルス計画」に再投資すること
(4)保健師から健診業務を全て取り除くこと、つまり、同志二人が覚悟して新たにその仕事を担当することです。

 健康診断業務はこれらの基準を満たして、素晴らしい提案をしてくれた(株)LSIメディエンスに外部委託(平成25年度より)して現在に至ります。

 因みに、当健保の平成26年度健康診断受診率は全体で92%(被保険者99%/被扶養者74%)です。



 熱き想い:課題と対策「3本の矢」は正しかった

 又、当健保内のベクトルを合わせるために、「健康ビジョン」と「体系図」を作成し、保健事業の課題と対策を「3本の矢」に整理し、平成25年2月の組合会で発表しました。

 1本目の矢は「健康診断の大改革」、2本目の矢は「発症・重症化予防と保健指導(質&量)の強化」、3つ目の矢は「事業主との情報共有と共同推進」と位置付けました。

 その後、平成25年6月13日の日経新聞に「日本再興戦略」が閣議決定され、アベノミクス成長戦略として「国民の健康寿命の延伸」「健保はデータヘルス計画を実践せよ」が発表されました。

 平成25年6月28日に(株)法研が主催する第682回社会保険特別研究会に参加し、厚生労働省保険局保険課の大島課長のデータヘルス計画に関する講演を聞いて吃驚仰天しました。当健保の3本の矢の2本目が「データヘルス計画」、3本目が「コラボヘルス(健康経営)」だった訳です。会場の雰囲気とは真逆でありましたが、当健保の常務理事(松井陽一)と「3本の矢は正しかった」と二人の胸が熱くなって握手したことを今も覚えています。



*資料はこちらからPDFにてご覧いただけます。
 ・内田洋行健康保険組合の直近4年間の推移と実積
 ・当健保組合の財政の改革 【健康ビジョン】【体系図】
 ・当健保組合の課題と対策 【3本の矢】

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