オピニオン/保健指導あれこれ
健康保険組合が挑戦したデータヘルス計画とコラボヘルスの推進

No.6 「当健保が主導で推進したコラボヘルスと健康経営の3つの成功要因(血流)」

内田洋行健康保険組合 事務長
中家 良夫
 中村天風さんの天風哲学には「強い願望は実現する」とあり、私は大好きな言葉「新しき計画の成就はただ不屈不撓の一心にあり。さらばひたむきにただ想え、気高く、強く、一筋に」を腹に据えて率先垂範することを肝に銘じています。

 当健保が主導で推進したコラボヘルスと健康経営の3つの成功要因(下図:3つの血流)について、『知行合一の実践』『医師によるデータ解析により、事業所ごとの健康リスクの見える化に成功』『外部専門事業者との信頼関係の構築とお互いの努力』の3つの内容についてお伝えします。


 知行合一の実践(狂とも言える熱き心)

 成功要因の一つ目(血流=上図の赤の矢印)は、狂とも言える熱き心で、学び、実践したことです。No.3の「学び:素晴らしい仲間との出会い」で既に書いていますが、2013年に安倍塾(第一期生)に同志の課長代理(山本小百合)と一緒に参加して積極的に健康経営を学びました。

 コラボヘルスと健康経営の推進を5つのステップに階層化して其々のステップの内容を整理して安倍塾で発表しました。その内容が、厚生労働省と健康保険組合連合会が作成しましたデータヘルス計画事例集(2015年1月)の事例41『事業所トップへの健康経営プレゼンでアピール』に紹介(下図)されました。

 その後、王陽明の知行合一のフィロソフィに基づき、学んだ内容をそのまま書棚に収納するのではなく、同志(山本)と一緒に健保内部と事業主向けに一生懸命に実践しました。

 "どうやったら、社長向け健康経営プレゼンが実現できるのか?どうやったら、健康経営の宣言が実現できるのか?"と、来る日も来る日も考えているうちに夢にまで出てきたのです。No.4「夢に見た:コラボヘルスの推進」「企てと夢」に詳細を記載しておりますのでご参照頂ければ幸いです。

 当健保主導によるコラボヘルスの推進STEPにつきましては、STEP1(健康経営の学習と実践)、STEP2(コラボヘルスの推進)、STEP5(ウチダグループ内での健康経営の推進)は既に実施済です。今後は、事業主が中心となり労組を含めて三位一体でSTEP3(組織・体制の強化、仮称・健康経営推進室の設置)、STEP4(健康経営の宣言)を実現させる予定です。(No.3→学び:素晴らしい仲間との出会い:ご参照


 医師によるデータ解析により、事業所ごとの健康リスクの見える化に成功

 二つ目(血流)は、(株)ミナケア社長(山本雄士:医師)によるデータ解析により、事業所ごとの健康リスクの見える化が実現したことです。その結果、客観的データとエビデンスに基づく健康経営プレゼン資料(PPT120ページ/1事業所当たり)を作成することが出来たのです。

 既に、No.4「夢に見た:コラボヘルスの推進」で紹介しましたが、当健保が主催し2014年2月6日に(株)内田洋行社長(柏原孝:現会長)向けに第1回健康経営プレゼンを実施して社長より高いご評価を頂きました。高いご評価とは、医師のデータ解析による客観的データとエビデンスに基づく説得力のあるプレゼン内容であったことです。又、社長向けの健康経営プレゼン(2時間)と懇親会(3時間)を企業、労組、健保の責任者と担当者が参加して行うことはウチダグループにおいて初めての経験であり新鮮であったことも奏功したと思います。

 その2週間後に、柏原社長自らが社長ブログに『健康について』と題したトップメッセージ(No.4ご参照)を発信されました。この時、私は健康経営を推進する歯車が"ゴトン"と鳴り響いた気がしました。そのお蔭で、その後1年半もの時間を投入して、ウチダグループ10名の社長向け健康経営プレゼンを継続的に企画・実施することが出来たのだと思います。

 又、同志(山本)が自らの仕事のパフォーマンスを向上(生産性を倍増)させ、チャレンジには付き物であります日々の激増する業務量に対して歯を食い縛って立ち向かい、一生懸命に頑張ってくれていることに感謝しています。

 その後、柏原現会長から、心温まるメッセージ(下図)を幾つか頂き、同志と私はポジティブシンキングで前進することが出来ました。


 外部専門事業者との信頼関係の構築とお互いの努力

 三つ目(血流)は、外部専門事業者と本気でコラボの実践を行ったことです。当健保の職員は5名と少数です。2015年度に新しい7つの保健事業にチャレンジをするには正直なところ内部パワーの限界を感じました。常務理事(松井陽一)は企業年金基金との兼務で、それ以外は保健師(中尾京子)、課長代理(山本小百合)、給付担当(南川寿美代)、事務長の私です。そして、5名中3名は定年退職後の嘱託の立場です。常務理事(松井)は「納付金で苦しめられる"前期"高齢者では無く、我々は"元気"高齢者です」と言いながら頑張っておられます。

 そのような中で、新たな7つの保健事業を立上げて成功させるためには、職員の増員と以下の3つの前提条件をクリアしなければならないと考えました。

 一つ目は、当健保の職員の新たな手間(負荷)を可能な限り増加させないやり方を実現すること。

 二つ目は、外部専門事業者の責任者と絶大なる信頼関係を構築し、一つ目の条件の実現に対するご協力を約束して頂くこと。

 三つ目は、その結果として、良質の商品・サービス・ソリューションのご提供を約束して頂くことです。

 正に、世阿弥の『離見の見』であります。劇場の中には、事業所、加入者、労組、健保、外部専門事業者が存在し、新たな7つの価値を増殖しようと目論んでいる訳です。重要な視点は、劇場の中で起きている様々な事柄、感情や感覚などのステークホルダーの演技・演出を、常に観客という立場で観察して『利他の心』を発揮することだと確信しました。

 外部専門事業者の責任者(社長や経営陣、責任者、担当者、コンサルタント)に何度も、何度も、ご来社頂きお互いに本気で議論・検討を繰り返しました。その結果、信頼して任せることができると判断した7社と契約を締結し、7つの新しい保健事業へのチャレンジは始動したのです。

 7つの新しい保健事業のスタートができたのは当健保のチームメンバー全員の日々の創意工夫と改善の努力、そして、外部専門事業者の期待通りのご支援・ご努力の賜物と深く感謝しています。


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