オピニオン/保健指導あれこれ
川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョンの策定に関わって

No.1 川崎市の地域包括ケアシステム

公益社団法人 川崎市看護協会/保健師
広瀬 壽美子
 一生住み続けたい最幸のまち・川崎をめざして、川崎市では平成27年3月に「川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョン」を策定しました。

 このビジョンは、「誰もが住み慣れた地域や自分が望む場で安心して、暮らし続けることができる地域の実現」を基本理念として、すべての住民を対象とする、川崎市におけるさまざまな関連計画の上位概念として位置付けられています。

 また、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みを進めるにあたっては、行政内部ばかりでなく、保健・医療・福祉の関係機関、町内会、自治会、地域・ボランティア団体、住民など地域を支える様々な主体においても、その考え方を共有し、それぞれにおいて取組を進めていくことが期待されています。


引用:川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョンの策定について(概要版)3頁

  川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョンの策定について

 地域包括ケア推進室の設置
 川崎市は平成26年4月に、川崎らしい都市型の地域包括ケアシステムの構築に向けて、新たな組織「地域包括ケア推進室」を設置しました。

 その前身は、平成24年度に介護予防事業と包括的支援事業の地域支援事業と、医療連携を含む認知症施策を担当する部署として、健康福祉局長寿社会部内に課相当の組織として、新設された「地域ケア推進担当」です。

 この組織の統括を担当部長(課長兼務)として保健師の私が担い、それぞれの担当係長を中心に地域における介護予防事業や認知症、権利擁護の取組、地域包括支援センターの運営についての全市的な質の統一化や推進を図ってきました。全国的にも若い都市としての川崎市においても、高齢化は急速に進み、平成42年までは人口は増加、以降人口が減少しても高齢者が増え続けることが予測されています。

 そうした中、2025年(平成37年)を見据え、川崎らしい都市型の地域包括ケアシステムの構築をより積極的に、進めていくために、平成26年4月に「地域ケア推進担当」の組織は再編され、私の担当する「保健・予防担当」と、新たに、地域包括ケアシステムのビジョンの策定とその推進を担う事務職の課長が担当する「ケアシステム担当」の2つの課からなる部相当の新たな組織として「地域包括ケア推進室」が設置されました。

 室長は、局の総務部長が兼務し、全市的な取り組みを進めていくにあたっては、局内ばかりでなく局間の連携において十分な考慮がなされた配置でした。


引用:川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョンの策定について(概要版)5頁

 地域包括ケアシステム推進ビジョンの策定
 川崎市における地域包括ケアシステムを推進していく旗振り役としてのケアシステム担当は、当初、地域包括ケアシステムの構築のため基本的な指針を策定することが役割であり、市の今後の方向性を決定する総合計画の下に、様々な計画があることから、これらの計画の横串となる上位概念としてビジョンを示すこととして検討を進めてきました。

 ビジョンの策定に当たっては、学識経験者や保健医療福祉に係る関係者、地域団体、事業者等から構成された「地域包括ケアシステム検討協議委員会」を開催し、委員会の協力を得るばかりでなく、行政内部においても様々な分野における計画を作成する本庁各局各所属部署や、区役所の課長等による検討会議を重ね、素案を作成しました。

 この素案を基に、市民への説明会をはじめ、パブリックコメント、再度検討協議委員会における意見聴取等の取組の中で、推進ビジョンが策定されました。私もこれらの会議や事前打ち合わせなどに事務局として参加し策定に関わってきました。

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