ニュース
運動は若さを保つための最善の策 40歳以降は筋肉を増やす運動が必要
2019年03月20日

ウォーキングなどの運動を十分行っているつもりだが、最近、体重が増えてしまい、増えた分を減らすことができない・・・そう感じている人はいないだろうか?
「40歳を超えたら、筋肉を減らさないよう、運動のやり方を工夫する必要があります」と専門家はアドバイスしている。
運動を続けることで、実年齢よりも体を若く保つことができ、寿命を延ばせるという研究も発表された。
「40歳を超えたら、筋肉を減らさないよう、運動のやり方を工夫する必要があります」と専門家はアドバイスしている。
運動を続けることで、実年齢よりも体を若く保つことができ、寿命を延ばせるという研究も発表された。
筋肉量は10年ごとに3~5%減少
「30歳を過ぎると、対策をしないと、筋肉量は10年ごとに3~5%も減少してしまいます。筋肉減少は代謝に大きな影響を及ぼし、肥満や2型糖尿病のリスクを上昇させます」と、クリーブランド クリニック 機能医療センターのケヴィン ハイネ氏は言う。ハイネ氏は米国スポーツ医学会(ACSM)認定の運動生理学者(エクササイズ フィジオロジスト)だ。
中年以降になると、若い頃よりも基礎代謝量(じっとしているときでも消費されるエネルギー量)が減っていく。1日の消費エネルギー量は、基礎代謝量と、活動や運動による消費エネルギー量の合計だ。
筋肉はエネルギーの貯蔵庫でもあり、血糖値の調整を行う働きもする。食事をすると、血液中に増えた糖の一部は筋肉に取り込まれる。筋肉の量が減ると、血糖値が上昇したときに糖をためる場所が少なくなり、糖を調節する力が低下してしまう。
筋肉が増やすことができれば、基礎代謝が向上し、体を動かしていないときのエネルギー消費も増やせるので、結果として1日の消費エネルギー量を増やすことができる。
加齢にともなう筋肉の減少を抑える
「ウォーキングなどの有酸素運動は、内臓脂肪を減らす効果は高いのですが、それだけでは加齢にともなう筋肉の減少を抑えることはできません。筋肉に負荷をかけて行う筋力トレーニングを加えることをお勧めします」と、ハイネ氏は言う。
米国スポーツ医学会は、筋力トレーニングを週に2回以上行うことを勧めている。階段の昇降だけでも筋肉を鍛える効果を期待できる。毎日2~3階分程度を目安に階段の上りを習慣にすると良い。
肥満はあるが筋肉は少ないという状態になると、体を安定して支えづらくなるため、関節に負担をかけたり、転倒しやすくなる。高齢者の場合は加齢により筋肉量がとくに低下しやすく、骨折や寝たきりになる危険性が高まる。
「意識して筋肉を使うようにしないと、40歳を過ぎると自然に減ってしまいます。それを防ぐために効果的なのは、自身の体重に少し負荷を増やして行う"体重負荷運動"です」。
自分の体重を利用して筋力を維持・アップ
ウエイトマシンなどを利用して筋力トレーニングを行うのは効果的だが、スポーツジムに通う必要があり、専門のスタッフによる指導も必要となる。そうした余裕がないという人が多い。
「体重負荷運動」は、自分の体重を利用して効果的な筋力維持・アップをはかる運動。とくに下半身の筋力を向上させると、椅子から立ち上がる、歩く、階段を昇るといった日常の生活運動をスムーズに行えるようになる。
大腿四頭筋は、膝の曲げ伸ばしに関わる太ももの筋肉で、歩行や椅子からの立ち上がりなど日常生活を行うのにもっとも必要だが、加齢とともに萎縮が生じやすい。自分の体重をかけて行うスクワットなどの運動をすると大腿四頭筋を鍛えられる。
スクワットのやり方
(1) 足を肩幅に広げて、つま先をやや外側に向けて立つ。背筋を伸ばし、手は腰に当てる。
(2) 前傾姿勢で息を吸いながらゆっくり腰を下げていく。太ももが床と並行になるのが理想的だが無理はしない。
(3) 息を吐きながらゆっくり立ち上がるが、ひざは完全には伸ばさない。
(4) (2)~(3)を繰り返す。
■ 家庭でも行いやすい「貯筋運動」(1) 足を肩幅に広げて、つま先をやや外側に向けて立つ。背筋を伸ばし、手は腰に当てる。
(2) 前傾姿勢で息を吸いながらゆっくり腰を下げていく。太ももが床と並行になるのが理想的だが無理はしない。
(3) 息を吐きながらゆっくり立ち上がるが、ひざは完全には伸ばさない。
(4) (2)~(3)を繰り返す。
健康・体力づくり事業財団は、家庭でも行いやすい体重負荷運動として、「貯筋運動」を提唱している。
貯筋運動は、▽いす座り立ち、もも上げ、▽カーフレイズ(ふくらはぎの筋トレ) 、▽立位での横への脚上げ、▽上を向いて寝た状態での上体起こしなどで構成される。
大腿四頭筋や腓腹筋、腹直筋など、体を支える重要な筋肉を鍛えることができる。
貯筋運動 立位 アップ
腎臓や心臓の病気を抱えている人は、運動に制限が必要な場合があるが、ほとんどの人にとって運動は有益だ。運動を開始する前に、あらかじめ医師に相談しておくと、安全で効果的な運動のやり方が分かる。
運動を続ければ健康に長生きできる

What's age got to do with it?(欧州心臓病学会 2019年2月14日)
Estimated age based on exercise stress testing performance outperforms chronological age in predicting mortality(European Journal of Preventive Cardiology 2019年2月13日)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2021 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「保健指導リソースガイド」に関するニュース
- 2020年10月08日
- 10月8日は「糖をはかる日」ー「新型コロナウイルス感染症と糖尿病」「血糖コントロールとQOL]をテーマに Web講演会公開中(視聴無料)
- 2020年10月01日
- 【書籍プレゼント】加倉井さおり氏「勇気づけ保健指導®&健康教育ハンドブック」を10名の方に
- 2020年09月18日
- 【健やか21】AI健康アドバイスアプリを利用した肥満妊産婦への共同研究を開始(国立成育医療研究センター・リンクアンドコミュニケーション社)
- 2020年09月15日
- 【レポート】オンラインセミナー「コロナで変わる保健指導の"いま"を語ろう」開催報告!
- 2020年09月03日
- 【9/8開催】オンラインセミナー「コロナで変わる保健指導の"いま"を語ろう」※見逃し配信決定!
- 2020年08月24日
- メタボへの関心は腹囲測定から!「腹囲メジャー」決算セール実施中♪ ~健診やイベントの配布用にも~
- 2020年06月11日
- 保健指導リソースガイド「第1回オンラインセミナー」開催報告
- 2020年05月26日
- 保健指導の情報提供に大活躍!「健診・予防3分間ラーニング」をYouTubeにて公開
- 2020年02月04日
- 「健診・予防3分間ラーニングDVD」決算セール実施中♪ ~健診待合室や保健指導の情報提供にも!~
- 2019年11月20日
- なぜ漢方便秘薬は効くのか 腸の水分分泌メカニズムを解明 便秘以外にも応用
最新ニュース
- 2021年03月05日
- 【健やか21】「女性の健康週間」特設Webコンテンツの公開について(厚生労働省)
- 2021年03月04日
- 「新常態の働き方を考える」へるすあっぷ21 3月号
- 2021年03月02日
- 【新型コロナ】ワクチン接種の利益とリスクを正しく理解し判断を 感染症学会「有効性は高く、副反応は一過性」
- 2021年03月02日
- なぜ体重は正常なのに「代謝異常」に? 体脂肪の「質」が肥満・メタボや糖尿病に影響 順天堂大学
- 2021年03月02日
- 女性が多量飲酒をすると乳がんリスクが1.7倍に上昇 女性ホルモンが影響か 日本人女性16万人対象の大規模調査
~保健指導・健康事業用 教材~
-
アイテム数は3,000以上! 保健指導マーケットは、健診・保健指導に役立つ教材・備品などを取り揃えたオンラインストアです。 保健指導マーケットへ