オピニオン/保健指導あれこれ
学校保健における「くすり教育」について ~今、「くすり教育」をいかに進めるか~

No.3 「くすり教育の実施」 ~どう教えるか? 「くすり教育」~

一般社団法人日本くすり教育研究所 代表理事
加藤 哲太
 3-2 子どもたちに教えたいこと
 くすり教育を充実させるためには、小学校においても、特別活動や総合的な学習の時間を活用し、くすり教育が積極的に実践することが望まれます。小・中学校の子どもたちに知ってほしいと考え、私たちが取り上げている項目を紹介します。

自然治癒力(免疫力):
 先ず「人間には“自然治癒力”がある」事から授業を始めます。最初に、「皆さん、怪我をしたり、熱を出したりしたときに、薬を飲まないで治ったことがありますか」と聞きます。「ある」という返事には、それが自然治癒力(免疫力)で、健康な体と心を持っている人ほど、自然治癒力は高まることを伝えます。次になぜ薬が必要かについて質問し、「ばい菌が入ったり、熱が上がったりしたときに自分を健康な状態に戻すのを助けるのが薬の役割です」と説明していきます。

薬の種類と工夫:
 薬は使い方から、内用剤、外用剤、注射剤に分けられます。なぜ錠剤やカプセル剤にしてあるのか?錠剤やカプセル剤の工夫を知ることにより、錠剤を砕いてはいけない、カプセルを開けてはいけないことを理解します。

血中濃度と用法・用量:
 これらは専門用語ですが、この語句の意味が理解されないと、くすりをのむ時に決められているルールの意味を正しく理解できません。薬の旅(薬物動態)などを説明しながら、「血中濃度」を説明します。薬の効果は、体の中を回っている量で決まり、効かない濃度、よく効く濃度、効きすぎて危険な濃度があることを説明します。くすりを2倍量飲んだり、決められたより短い間隔で飲んだりした時の危険性を容易に理解してくれます(教材参照)。

 「コップ一杯の水またはぬるま湯でのむ」ことが大切なことは、カプセル吸着実験で体験できます。少量の水で湿らせた指先にカプセルが吸着することから、水なしで飲んだとき、食道に付着し、危険なことを理解させます。

 また、鉄剤とお茶の実験から、医薬品は食品や飲料の成分と反応する可能性があることを知り、水やぬるま湯でのむことの安全性を理解させます(教材参照)。

副作用:
 副作用はまれにではあるが現れること、予測が困難であることを教えます。薬を使った時にいつもと違う症状があったときには、すぐに医師や薬剤師、家の人に知らせるよう指導します。

健康三原則:
 保健の授業で教えている「十分な睡眠」、「バランスのとれた栄養」、「適度な運動」の「健康三原則」を、授業の最後で生徒も疲れてきているときに、皆で大きな声で読みあげます。一人ひとりの自然治癒力を高めることが大切で、「健康三原則」がその基本であることを理解させます。

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