オピニオン/保健指導あれこれ
学校保健における「くすり教育」について ~今、「くすり教育」をいかに進めるか~
No.3 「くすり教育の実施」 ~どう教えるか? 「くすり教育」~
一般社団法人日本くすり教育研究所 代表理事
2013年09月26日
3-1 「くすり教育」の実践
1)打ち合わせ:学校でくすり教育を実施するに当たっては、教員(校長、教科担当教員、養護教諭)と薬剤師の間で、十分な打ち合わせをすることが大切です。授業計画、情報交換を行い、役割分担を確認します。 2)授業計画:
学習指導要領およびその解説書、教科書に基づいて授業計画を立てます。日本学校保健会 医薬品教育 資料 薬の正しい使い方(中学生用)および指導者用解説などを参考にし、教材としては、くすりの適正使用協議会のパワーポイント教材などが利用できます。 3)授業実施:
(1)養護教諭、薬剤師が参加するチーム・ティーチング(T.T)
教科担当教員あるいは養護教諭が授業を進め、薬に関する専門知識については、薬剤師が答えます。専門用語は可能な限り避けますが、必要な時には、その内容を詳しく説明します。 (2)くすり総合授業の実施
授業時間、日程などから、薬剤師が参加するT.T形式でクラス単位の授業を行うことが困難な場合が考えられます。その場合には、くすり総合授業の開設を提案します。事前の打ち合わせで、授業内容、進め方などを十分に検討し、それに基づき授業は教科担当教員あるいは養護教諭が実施します。授業終了時に質問事項、要望項目などを含むアンケート調査を行い、それを基にくすり総合授業を計画します。あらかじめ薬剤師を中心に授業の進め方、アンケートの利用法を検討し、薬剤師参加のもとで授業を実施します。自分たちの質問、意見に基づく授業であれば、クラス合同授業が可能で、薬剤師の負担も軽減できると考えます。
校長先生、教科担当教員、養護教諭、学校薬剤師など多くの先生の参加をお願いします。授業内容のスキルアップには教育の専門家の意見は必須ですし、薬に関することは薬剤師の意見が必要です。授業方法、授業の内容、話し方、進め方などについて繰り返し検討することが必要です。 5)学校間での情報の交換:
まだ「くすり教育」は確立されたものではありません。各学校のアイディアで進められる授業について、報告会、研修会をすることで、より質の高い「くすり教育」となっていくと思います。
「学校保健における「くすり教育」について ~今、「くすり教育」をいかに進めるか~」もくじ
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「学校保健」に関するニュース
- 2024年10月07日
- 【気候変動は健康にも影響】猛暑により生活習慣や健康状態に変化が 屋外にいる時間が減り運動不足に
- 2024年10月03日
- 医療・介護分野に改革を 厚生労働省が「近未来健康活躍社会戦略」を公表-「女性活躍推進」の取組も強化
- 2024年09月30日
- 運動の要素を取り入れたビデオゲームが運動不足や腰痛を改善 室内で運動に気軽に取り組め楽しく続けられる
- 2024年09月17日
- 「食中毒」が気候変動による気温上昇で増加 どうやって防ぐ? サルモネラ食中毒との戦い 最新情報
- 2024年09月09日
- 良い睡眠をとれていないと肥満やメタボのリスクが上昇 【睡眠を改善する3つの方法】