オピニオン/保健指導あれこれ
学校保健における「くすり教育」について ~今、「くすり教育」をいかに進めるか~
No.3 「くすり教育の実施」 ~どう教えるか? 「くすり教育」~
一般社団法人日本くすり教育研究所 代表理事
2013年09月26日
3-3 「なぜ」を考える「くすり教育」
ではこうした内容をどのように教えたらいいのでしょう。
「くすりの正しい使い方」を身につけるためには、くすりの使い方のルールだけでなく、なぜそうするのかを考える授業が大切でしょう。「薬は水かぬるま湯で飲みなさいと、教えるだけでは、正しい使い方は身につきません。大事なことは、なぜ水で飲むのか、なぜ薬にはいろいろな形があるのか、この「なぜ・どうして」を教えて理解させることが必要です。
たとえば(小学校「くすり授業」より)
加藤「指先に水を少しつけてこのカプセルに触ってごらん」
生徒「あっ、指にくっついた!」
生徒「僕も。落ちないよ!」
加藤「そうだね。では、この結果から考えてみて下さい。カプセルを水なしで
そのまま飲んだら、どうなると思う?」
生徒「う~ん、喉にくっついちゃう」
加藤「その通り。水で飲まないと喉にくっついて、成分がそこで溶けてしまっ
て危険だし、効かなくなることもあります。だから薬は水で飲まないと
いけないのです。」
生徒「へぇ、そうだったのか!」
加藤「では次に。これは危険なので自分たちでは絶対にやらないで欲しいので
すが、今日は特別、このカプセルの中身(実はビタミンC)を出してみ
ますね。ここでちょっと、担任の先生に協力してもらいましょう。
先生、このカプセルの中身を舐めてみてください。」
先生「えっ、舐めるんですか? うっ、酸っぱい!」
加藤「そうです。薬は、酸っぱかったり苦かったりするものが多いです。とこ
ろで、味はどこで感じますか?」
生徒「舌で感じるでしょ?」
加藤「そうですね。胃で感じますか?」
生徒「胃じゃ、味なんかわからないよ」
加藤「その通り。だからカプセルに入れておいて水で飲めば、くすりの成分は
舌に触れずに胃にストンと落ちて、そこで溶けて効いてくるようになり
ます。苦い薬もらくに飲めます。」
生徒「すごい! ちゃんと考えて作られているんだ!」
(教材参照) 子供たちが薬のことを理解し、納得さえすれば正しく使用するようになります。
加藤「指先に水を少しつけてこのカプセルに触ってごらん」
生徒「あっ、指にくっついた!」
生徒「僕も。落ちないよ!」
加藤「そうだね。では、この結果から考えてみて下さい。カプセルを水なしで
そのまま飲んだら、どうなると思う?」
生徒「う~ん、喉にくっついちゃう」
加藤「その通り。水で飲まないと喉にくっついて、成分がそこで溶けてしまっ
て危険だし、効かなくなることもあります。だから薬は水で飲まないと
いけないのです。」
生徒「へぇ、そうだったのか!」
加藤「では次に。これは危険なので自分たちでは絶対にやらないで欲しいので
すが、今日は特別、このカプセルの中身(実はビタミンC)を出してみ
ますね。ここでちょっと、担任の先生に協力してもらいましょう。
先生、このカプセルの中身を舐めてみてください。」
先生「えっ、舐めるんですか? うっ、酸っぱい!」
加藤「そうです。薬は、酸っぱかったり苦かったりするものが多いです。とこ
ろで、味はどこで感じますか?」
生徒「舌で感じるでしょ?」
加藤「そうですね。胃で感じますか?」
生徒「胃じゃ、味なんかわからないよ」
加藤「その通り。だからカプセルに入れておいて水で飲めば、くすりの成分は
舌に触れずに胃にストンと落ちて、そこで溶けて効いてくるようになり
ます。苦い薬もらくに飲めます。」
生徒「すごい! ちゃんと考えて作られているんだ!」
(教材参照) 子供たちが薬のことを理解し、納得さえすれば正しく使用するようになります。
4. 教材の紹介
上述の事柄などを考えて作成した教材は「日本くすり教育研究所(http://jide.jp/)」のホームページからダウンロードして使用していただけます。
「学校保健における「くすり教育」について ~今、「くすり教育」をいかに進めるか~」もくじ
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