夏はビールの飲みすぎにご注意 アルコールは心臓病やがんのリスクを高める 男性だけでなく女性も健康リスクが
アルコールは少しでも飲みすぎると健康にとって害に
適度なアルコール摂取は、狭心症や心筋梗塞などの心血管疾患(CVD)のリスクを下げることが示唆されているが、少しでも飲みすぎると、心臓の健康にとって有害であることが明らかになった。 研究は、米国のボストン大学公衆衛生学部やタフツ大学栄養科学政策学部によるもの。研究グループは、大規模コホート研究である「フレーミングハム心臓研究」の参加した2,428人のアルコール摂取と、それに関連する211種類の代謝物との関連を調べた。 飲酒に関連する60種類の代謝物のうち、長期にわたるアルコール摂取に関連し、CVDリスクを高める7種類の代謝物と、CVDリスクを下げる3種類の代謝物を特定した。 そのうち13種類の代謝物については、男性よりも女性の方が、アルコール摂取との関連が強かった。 このことは、女性の体格は一般的に男性よりも小さく、男性と同じ量のアルコールを摂取したときに、血中アルコール濃度が高くなりやすい原因になっている可能性があるという。 関連情報アルコールは男性だけでなく女性の心臓病リスクも高める
アルコールを多く飲んでいる若年から中年の女性は、狭心症や心筋梗塞などの心疾患を発症する可能性が高いことが、米国の43万人以上のデータを解析した研究でも明らかになった。女性では、中程度の飲酒であっても心臓病のリスクは上昇しやすいという。 研究は、米国心臓病学会(ACC)の年次学術会議で発表されたもの。アルコールと心疾患の関連は、男性だけでなく女性でも強いことが示された。 米国では、1ドリンクは14gの純アルコールに相当する。純アルコールはビール 350mLに14g、ワイン 120mLに12g、それぞれ含まれる。週に男性は3~14ドリンク(缶ビール3~14本)、女性3~7ドリンク(缶ビール3~7本)を飲んでいると、中程度の飲酒に相当する。 研究は、米国の健康保険システムであるカイザー パーマネンテの医療機関で治療を受けた、18~65歳の43万人以上の成人のデータを解析したもの。アルコールと心臓病の関連性を調べた研究としてはこれまでで最大規模のものだという。女性では中程度の飲酒であっても心臓病リスクが29%上昇
その結果、アルコールの摂取量の多い女性は、少ない女性に比べて、心臓病のリスクが45%高く、中程度の飲酒であっても29%高いことが分かった。なお男性でも、アルコールの摂取量の多いと、中程度の飲酒に比べて心臓病のリスクが33%高かった。 「アルコールは血圧を上昇させ、肥満や2型糖尿病など代謝の異常を引き起こし、炎症にも関連することが分かっています。男女ともにアルコールを過剰に摂取すると心臓病のリスクが高くなります」と、カイザーパーマネンテの医療グループの心臓専門医であるジャマル ラナ氏は述べている。 「とくに女性の場合、過度の飲酒をしなくても、飲酒により健康リスクは高くなることが分かりました。女性でもこの数十年でアルコール摂取や過度の飲酒が増えています」としている。アルコールによる負担を抑制する規制が必要
Circulating metabolites may illustrate relationship of alcohol consumption with cardiovascular disease (BMC Medicine 2023年11月16日)
Alcohol Raises Heart Disease Risk, Particularly Among Women: Large study suggests more than one drink per day can increase the risk of coronary heart disease (米国心臓病学会 2024年3月28日)
New study links moderate alcohol use with higher cancer risk (依存症メンタルヘルスセンター 2021年7月14日)
Global burden of cancer in 2020 attributable to alcohol consumption: a population-based study. (Lancet Oncology 2021年7月13日)
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