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より効果的な行動変容の促しを行うために必要なこととは?


(2016/12/26)
No.5 医療機関からの提言
 共通認識を持つことが大切
 時代の流れとともに集団健診の割合は減り、近隣の医療機関で健診を受けるケースが増えています。とくに都市部は大半が個別健診となるため、医療機関側の予防に対する意識(態度)は、受診者に大きな影響を与えます。

 たとえば、ヘモグロビンA1cが6.0だった場合。保健師や管理栄養士は様々なアドバイスをするはずです。しかし、日頃からもっと重症の患者ばかり診ている医師は、そこまで時間を割きません。まぁこのくらいならと「ご自愛ください」で終わらせてしまう。結果、受診者は

「先生は病気だと言わなかった」
「強く言わなかったから問題なし」
「健康に太鼓判を押してくれた」

 と都合のいいように思い込み、生活習慣の改善も行わない。そして、次第に悪化していく……。よくある話です。

 要はこれまでのアンケートの結果にも出てきた行政と医療機関側の「連携」がうまくできていない。そして、医療機関側も受診者の行動変容が自らの事業拡大、新たな活動領域の拡充につながると認識するに至っていないとも言えます。ここにもメスを入れ、健診施設・医療機関をも動かす視点で、今後の方向性を検討するべきです。

 そこで今回は、少々本題からズレるものの、今回の提言書を共に作った医療機関スタッフがまとめた案もご紹介しておきます。

 医療機関の立場
 医療機関は今、制度変革の渦中にあり急性期から慢性期、病院から診療所に至るまで、今後の自院の存在場所を懸命に模索しています。そんな中で「健康管理」が新たなテーマとして有力と認識できたなら、実現に動くパワーは強力なものになります。

 健診施設はすでに相応の人間ドック、一般健診、健康診断、特定健診の顧客獲得実績を有し、保健師を中心に受診者獲得に向けた対象者への行動変容促し体制は、切っ掛けさえ与えれば、即効性のある活動が期待できると思われます。

 とはいえ、現状の保健予防活動は医療機関(特に、病院)にとって付加的な事業との認識があり、積極的に働きかける動機も薄く、体制も十分に整っているとは言い難い。一方、地域住民にとっては日々世話になる機会の多い病院・診療所が、健康増進・疾病予防・健康寿命延伸の旗頭になり啓蒙活動を本格化すれば、その波及効果は大。

 また、保健予防活動にともない行われる各種検査によって病気が発見された場合、そのまま治療に移行できます。これは受診者側だけでなく、医療機関側の経営安定にもつながるメリットといえます。

 どう進めるか
 すでに、特定健診を含めた健康診断管理は、自由診療として広く実施はされているので、この焼き直しでは効果は期待できません。理想は診療報酬での評価、次善策では、施設基準への搭載が効果を即期待できるのではないでしょうか?

 厚労省の策定する制度に依拠する手法なので他力本願は否めませんが、実現すれば全国一斉に、行動変容への動きが可能になり、地域性や組織特性に影響されない効果が期待できると考えます。

(具体的手法案は以下の通りです)
(1)特定健診を所定の水準以上に担っている医療機関は、初診料・入院料加算を設定する
(2)特定健診を中心事業として担う健診施設を、関連施設として有し、連携が密接に取られている医療機関には、(1)に準じた加算を設定する。診療所も同じ
(3)上記、(1)(2)の趣旨同様で、診療報酬ではなく施設基準要件とする。診療所も同じ
(4)健診施設において、特定健診から2次検診へなど一定の成果を得たケースについては、保険者、自治体等から、一定の奨励費等が支給される
(5)これまでのアンケート等で、収集された住民や受診者意識を材料に有効活用できる
(6)地域における医療情報共有(電子カルテ情報の地域相互共有)を推進し、健診データの地域連携に取り組む医療機関には、初診料・入院料加算を設定する。

 期待できる効果とは
 上記経済的、社会的評価が明示されることで、健診施設・医療機関における特定健診促進活動は、積極化し、そのために受診者に行動変容の妨げとなっていた要因の解消に向けて、即効性のある対策が、組織的に展開されます。

 結果として、健康寿命の延伸、症状の重症化抑制、早期治療の開始効果で、医療費抑制、少子化による労働力の補完機能として、中高年令層が、経済活動社会活動にも寄与できる事が期待できます。

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