No.3 受診率アップのアイディアから見えた保健師の本音と現状
・上から降りてくる事業が多くて住民と接する時間が取れない
・事務作業をもっと減らしたい との、現場の切なる気持ちが込められていると感じたからです。アンケートの自由記述には、それを裏付けるかのように、、 ・地域の拠点に入り込んだ保健活動がしたい
・事業ありきをなくし、地域づくりを中心とした活動に変換したい
・気軽に訪問に行けたらいいのに……
・全戸訪問し、もっとゆっくり住民さんと話をして思いを聞きたい などの書き込みが多く見られました。 「誰もはがき一枚で受診率が上がるなんて思っていません」
「私たちだってもっと住民と接する機会を持ち、直接の声がけがしたいのです!」 そんな心の叫びを感じます。 裏を返せば、そういう活動をしたいのだけど、今の体制ではなかなか実現できないとも読み取れます。
アンケートの中にはそれを裏付けるかのように、 ・医療(治療)部門での予防意識に欠ける医療従事者による保健指導の中止 との記述もありました。これは個別健診を任せている医療機関の質の問題ともいえますが、もっと力を入れてやってもらうための「報酬や罰則」を国レベルで検討していく必要があると思われます。*詳細については、別の回で触れる予定です。
一本化したい
・役所の他課でも受診率向上の協力をしてほしい という意見があり、役所の縦割り組織ゆえの問題点を感じます。そのものズバリと、 ・保健師の人数を増やしてほしい
・職員の意識改革が必要 と明記している人もいました。私はこのアンケートに限らず、今までの取材の中でも、このような市町村保健師の声(本音)を何度も耳にしてきました。そこでいつも「保健師の仕事や専門性は、同じ役所内で認められているのだろうか?」との疑問を持ち続けてきました。 採用時は『保健師』なのに、働き始めたら『保健にちょっと詳しい行政職』くらいの感覚で仕事を振り分けられているとでもいいましょうか……。なんだか歯車がかみ合っていないように思います。 このように、保健師側が考える受診率を上げるためのアイディアからは、現在できていないこと。役所内や関係者との連携の問題点が複数浮かび上がってきました。名前や所属は一切出さないとの約束で答えていただいたものなので、学術的なアンケートとは少し違う内容だったかもしれませんが、現場で働く保健師の本音がよく出ていると感じました。 その解決策については、次回以降でご紹介する、別のアンケートも踏まえたうえで、ご紹介していこうと思います。 参考までに、これらの本音を知った講座のメンバーからは、 「自治体の保健師って、専門職として認められてないのですか?」(作業療法士)
「縦割り行政の弊害を感じます」(東京都区議)
「保健師がどれだけ地域に出ているのか、もっと知りたいと思った」(医学系出版編集者)
「保健師の確保やキャリアパスの確立が必要」(医師・大学教員)
「保健師の活躍を望みます」(厚生労働省検討会委員)
「健診に携わる医療機関への報酬と罰則を検討すべき」(大学教員) などの意見が寄せられたことも付け加えておきます。
本サイトに掲載されている記事・写真・図表の無断転載を禁じます。

