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在宅医療の患者が過去最多の15万人超 厚労省「2014年患者調査」

 厚生労働省は「2014年患者調査の概況」を発表した。患者の自宅などを医師が訪れて診療する「在宅医療」を受けた人は2014年に1日当たり推計15万6,400人となり、1996年に調査を始めて以来最多だったことが分かった。
在宅医療が15万6,400人、前回調査から4割増加
 「患者調査」は3年に1度、全国で実施されている。2014年調査の調査期間は、2014年10月のうちの3日間。抽出した病院6,402、一般診療所5,893 、歯科診療所1,278で、入院・外来患者約304万4,000人の情報を集めた。

 調査結果によると、在宅医療を受けた患者の1日当たりの推計数は15万6,400人で、2011年の前回調査の11万700人に比べると約4割増えた。

 在宅医療のうち、定期的な「訪問診療」を受けた患者は前回から7割増え、11万4,800人となった。必要に応じて医師を呼ぶ「往診」を受けたのは3万4,000人だった。
 在宅医療を受けた患者のうち、病院から医師らが訪れたのは1万4,400人、診療所からが10万1,500人、歯科診療所からが4万600人だった。

 厚労省は在宅医療を推進しており、「在宅医療拠点となる病院や診療所に国が補助金を出して支援するなど、対応できる医療機関が増えたためだろう」と説明している。
外来患者数が過去最多の351万人
 65歳以上の高齢者の1日当たりの推計入院患者数は2014年に93万7,300人となり、2011年の前回調査から2万2,400人増えたことが分かった。外来患者数は351万200人となり前回調査から18万300人増え過去最多になった。

 外来患者の増加について、厚労省は「新薬開発や医療技術の向上を背景に、通院治療が可能な疾患が増えていることなどが挙げられる」と説明。高齢化社会を受け、入院患者を抑えて在宅医療を促す同省の政策が影響しているとみられる。
高血圧患者数は1,010.8万人、糖尿病患者数は316.6万人
 推計患者数は入院が過去最低の131万8,800人(病院127万3,000人、診療所4万5,800人)だった。外来は723万8,400人(病院164万1,900人、診療所423万3,000人)で、2005年以降ほぼ横ばいの状態になった。うち65歳以上が占める割合は入院が71.1%、外来が48.5%、75歳以上が占める割合は入院が50.8%、外来が26.2%となっている。

 主な疾患の総患者数は――
となっている。

 総患者数は、前回(2011年)調査に比べると、「高血圧性疾患」が104万1,000人増、「糖尿病」が46万6,000人増、「高脂血症」が17万6,000人増、「がん」が10万人増となっている。「脳血管疾患」は5万6,000人減だった。

平成26年(2014)患者調査の概況(厚生労働省)
[Terahata]
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