ニュース

厚労省「受診率向上施策ハンドブック」で受診率を上げる 強制ではなく自発的な行動に導く「ナッジ理論」とは

 厚生労働省は、がん検診の受診率向上を促進するため、「受診率向上施策ハンドブック」を発行し、ホームページで公開している。
 「ナッジ理論」を活用した先進的な取組みを紹介しているキャンサースキャンがハンドブックを企画・制作した。
ナッジ理論活用を主眼とした「明日から使えるナッジ理論」
「受診率向上施策ハンドブック」
(厚生労働省ホームページ)
 がんや2型糖尿病などの生活習慣病は日本人死因の約6割、医療費の約3割を占める。これらの疾患は、早期発見・治療を行うことで死亡する可能性を減少できる。しかし、生活習慣病を予防するための特定健診は、2017年度実施率は53.1%と国の目標値である70%には届いていない。

 また、2017年に策定された「第3期がん対策推進基本計画」では、がん検診の受診率を50%に引き上げる目標が掲げられた一方で、がん検診受診率は、もっとも高い男性肺がん検診で51%と約半数の受診しかなく、それ以外は50%を下回っている。女性では肺がんを除く4種類のがんで受診率が3割台にとどまり、乳がんでは36.9%となっており、3人に2人が検診を受けていない状況だ。

 がん検診や特定健診は市区町村が実施している検診や健診に申し込むか、職場での定期健診とあわせて受診する必要がある。しかし、「忙しい」「受けなくても大丈夫」といった理由で、受診をためらう人が少なくない。

 この点についてキャンサースキャンでは「期市区町村が送っている検診案内の多くが、的確に受診を促すような内容となっておらず受診率が向上していない」と指摘。

 同社は約450市区町村での受診率を向上させた実績を活かし、2016年に厚生労働省発行の「受診率向上施策ハンドブック」を制作した。今回、その第2版としてナッジ理論活用を主眼とした「明日から使えるナッジ理論」を制作した。

関連情報
自発的に望ましい行動に導くのがナッジ理論
「受診率向上施策ハンドブック
明日から使えるナッジ理論」

(厚生労働省ホームページ)
 「ナッジ(nudge)」は、直訳すると「ひじで軽く突く」という意味で、行動経済学や行動科学分野において、人々が強制によってではなく自発的に望ましい行動を選択するよう促す仕掛けや手法を示す用語として用いられている。補助金、税制、規則といった政策手法に変わる「第4の政策手法」として活用が進められている。

 ナッジ理論は、「人の行動は不合理だ」という前提のもとに、人間の行動を心理学、経済学の側面から研究する「行動経済学」の考え方から考案された。

 ハンドブックにはイギリスのナッジ・ユニットであるBehavioral Insights Teamが提唱している「EAST(Easy, Attractive, Social, Timely)」と呼ばれる手法を解説し、実際に活用された海外事例と日本事例をわかりやすく紹介している。

 「Easy」とは望ましい行動をとりやすくするために、行動のハードルを下げるということ。「Attractive」とは人を引きつけるように訴求力を高めること。「Social」とは人々が影響される社会環境を適格に利用すること。「Timely」とは適切なタイミングで介入を行うこと。

 同社では今後はハンドブックの活用を促進するために、ナッジ理論を題材にした研修会などを実施し、ナッジ理論の普及や日本のがん検診受診率向上へ向けての取り組みを強化するという。

受診率向上施策ハンドブック(厚生労働省)
受診率向上施策ハンドブック 明日から使える ナッジ理論(厚生労働省)
がん検診(厚生労働省)
[Terahata]

「保健指導リソースガイド」に関するニュース

2019年05月21日
「糖尿病性腎症」の重症化予防を強化 自治体向けに手引きを作成 厚生労働省
2019年05月21日
低脂肪ダイエットが乳がんによる死亡リスクを低下 食事改善はすべての女性に恩恵をもたらす
2019年05月21日
授乳中の骨折を防ぐために骨密度検査は重要 出産後の女性が骨粗鬆症を発症することが
2019年05月21日
65歳以上の世帯の1人暮らしは2040年には3割超 高齢者世帯は42都道府県で増加
2019年05月15日
脳卒中は夏にも多い? 特定健診でも早期発見が焦点に 5月25日から「脳卒中週間」
2019年05月15日
「2022年問題」に対策 団塊世代の後期高齢者入りに備えて健保組合が活動を強化
2019年05月15日
1日に摂取する食品数が多いと女性の死亡リスクは低下 日本は食の多様性で世界2位
2019年05月15日
野菜や果物、魚の摂取量が少なく、食塩が多いと、死亡リスクは3倍に上昇 日本人を29年間調査
2019年05月15日
ストレスが「乳がん」の発症に関連している がん患者のストレスを軽減する治療が必要
2019年05月09日
保健師の役割拡大に向けた施策を 日本看護協会が厚労省へ要望書提出

最新ニュース

2019年05月21日
「糖尿病性腎症」の重症化予防を強化 自治体向けに手引きを作成 厚生労働省
2019年05月21日
低脂肪ダイエットが乳がんによる死亡リスクを低下 食事改善はすべての女性に恩恵をもたらす
2019年05月21日
授乳中の骨折を防ぐために骨密度検査は重要 出産後の女性が骨粗鬆症を発症することが
2019年05月21日
65歳以上の世帯の1人暮らしは2040年には3割超 高齢者世帯は42都道府県で増加
2019年05月17日
大阪・大東市で民間事業者が地域包括支援センターを運営、日本初
2019年05月16日
【健やか21】 『子どもに関わる多職種のための子ども虐待初期対応ガイド~子ども虐待を見逃さないために~(第1版)』の掲載について(日本小児保健協会)
2019年05月15日
脳卒中は夏にも多い? 特定健診でも早期発見が焦点に 5月25日から「脳卒中週間」
2019年05月15日
「2022年問題」に対策 団塊世代の後期高齢者入りに備えて健保組合が活動を強化
2019年05月15日
1日に摂取する食品数が多いと女性の死亡リスクは低下 日本は食の多様性で世界2位
2019年05月15日
野菜や果物、魚の摂取量が少なく、食塩が多いと、死亡リスクは3倍に上昇 日本人を29年間調査
2019年05月15日
ストレスが「乳がん」の発症に関連している がん患者のストレスを軽減する治療が必要
2019年05月14日
日本初の医師監修ウォーキングレッスンアプリがリリース
2019年05月10日
「小児のアレルギー疾患 保健指導の手引き」を掲載~アレルギーポータル
2019年05月09日
保健師の役割拡大に向けた施策を 日本看護協会が厚労省へ要望書提出
2019年05月09日
【健やか21】「児童虐待が疑われる事案に係る緊急点検フォローアップ」の掲載について(文部科学省)
2019年05月08日
「高血圧治療ガイドライン2019」発表 保健師など多業種の参加で高血圧に対策
2019年05月08日
がんと就労を支援する「順天堂発・がん治療と就労の両立支援ガイド−Cancer and Work−」を公開 順天堂大学
2019年05月08日
毎日1時間のウォーキングが認知症の予防にも効果的 軽い運動でも脳の老化を減らせる
2019年05月08日
食事を「朝型」にすると体重が減少し血糖値も安定 夕食を就寝直前にとるのは危険
2019年05月08日
チーズなどの発酵乳製品に含まれる「βラクトリン」が中高年の記憶力を改善
2019年05月08日
「休み方改革」へるすあっぷ21 5月号
2019年04月26日
風しんの今年の累計患者数1000人突破、いまだ増加中
2019年04月25日
【健やか21】ダウン症のお子さんを持つ保護者のための手帳「+Happyしあわせのたね」を配布します(愛知県)
2019年04月24日
【PR】参加受付中!「伊藤園 健康フォーラム~お茶で人生100年時代を豊かに生きる知恵~」健康寿命延伸におけるお茶の役割とは?研究に基づく知見を紹介
2019年04月24日
健康寿命を2040年までに3年以上延伸 日本には健康寿命を延ばす余力がある 厚労省研究会が報告書
2019年04月24日
連休(GW)に「アルコール」を飲み過ぎないための7つの対策 「適量」でも高血圧と脳卒中のリスクは上昇
2019年04月24日
父親の赤ちゃんに対する「ボンディング障害」 産後のメンタルケアが重要と指摘 エコチル調査
2019年04月24日
生活習慣が夜型の子どもは虫歯のリスクが高い 夜型は肥満の原因にも
2019年04月24日
スマホ向けアプリで保険契約者の健康を増進 かんぽ生命のプロジェクト
2019年04月18日
【健やか21】全国一斉「あそびの日」キャンペーンの実施について(スポーツ庁)
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 8,121 人(2019年04月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶