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高齢者の歯の喪失 糖尿病や骨粗鬆症があるとリスクが増加 教育歴や職歴も影響

 歯の喪失は、噛む力が弱まることで、少食や偏食などによる栄養不良の原因となる。その結果、筋力が低下するなど虚弱になりやすく、高齢期における生活の質(QOL)を低下させる。
 喫煙習慣・糖尿病・骨粗鬆症があると、歯を喪失するリスクが上昇するという調査結果を、富山大学が発表した。
喫煙、糖尿病、骨粗鬆症は、歯の喪失リスクを増加させる
 富山大学は、2014年に富山県が実施した富山県認知症高齢者実態調査の追加分析を行い、高齢者の歯の喪失に関する新たな知見を得たことを公表した。喫煙習慣・糖尿病・骨粗鬆症があると、歯を喪失するリスクが上昇するという。

 歯の喪失は、噛む力が弱まることで少食や偏食などによる栄養不良の原因となる。その結果、筋力が低下するなど虚弱になりやすく、高齢期における生活の質(QOL)を低下させる。研究結果から、歯の喪失を予防して高齢期を健やかに過ごすためには、小児期から高齢期までの一生涯にわたる分野横断的で総合的な対策が重要であることが明らかになった。

 研究は、同大地域連携推進機構地域医療保健支援部門の関根道和教授と、敦賀市立看護大学の中堀伸枝助教らが共同で行ったもの。研究成果は、「BMC Public Health」に掲載された。

 対象となったのは、富山県認知症高齢者実態調査の対象となった65歳以上の高齢者のうち、同意を得られた1,303人。さらに今回の研究では、残存歯のない275人と、残存歯がある898人の計1,173人を対象に、残存歯の有無と、教育歴や生活習慣病等との関連性を調査した。

 その結果、喫煙、糖尿病、骨粗鬆症は、歯の喪失リスクを増加させることが明らかになった。また、短い教育歴や肉体労働の職歴も、歯の喪失リスクと関連することが分かった。

関連情報
歯の喪失を予防するために小児期から高齢期までの対策が必要
 喫煙や糖尿病は、口腔内の免疫力を低下させ、虫歯や歯周病の原因となることが知られており、結果として歯の喪失リスクが増加すると考えられている。また、骨粗鬆症でも、骨強度の低下により、歯の喪失が起こりやすくなるとされる。

 歯の喪失の調整オッズ比は、喫煙する人で4.05倍、糖尿病のある人で1.72倍、骨粗鬆症のある人で1.88倍なとり、歯の喪失リスクは喫煙により4倍、糖尿病や骨粗鬆症により2倍に上昇することが明らかになった。

 また、教育歴による口腔衛生習慣の差が、歯磨き回数や虫歯の本数にも影響を与えると考えられていたが、実際に、教育歴が10年以上の人を基準とした教育歴が6年以下の人の歯の喪失に対するオッズ比は3.07倍になり、短い教育歴の人の歯の喪失リスクは約3倍になった。

 つまり、教育歴が短いほど、残存歯がない人の割合が高い傾向にあることが裏付けられた。教育歴は、歯磨き回数や虫歯の本数に影響を与えるとされており、口腔衛生習慣な どの差が歯の喪失リスクに影響を与えると考えられる。

 さらに、肉体労働の職歴のある人が歯を喪失しやすいことはすでに知られており、その背景には、交代勤務など仕事に関連した不規則な生活習慣などがあると考えられている。分析の結果、残存歯なし群においては、肉体労働の職歴の割合が高く、非肉体労働を基準とした肉体労働の職歴の歯の喪失に対するオッズ比は1.93になった。

 「歯の喪失を予防して高齢期を健やかに過ごすためには、小児期から高齢期までの一生涯にわたる分野横断的で総合的な対策が重要です」と、研究グループは述べている。

富山大学 地域連携推進機構 地域医療・保健支援部門
富山県認知症高齢者実態調査(富山県オープンデータポータルサイト)
Socioeconomic status and remaining teeth in Japan: results from the Toyama dementia survey(BMC Public Health 2019年6月4日)
[Terahata]

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