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中年期の肥満やメタボが脳の老化を10年以上早める 肥満は脳にも悪影響を及ぼす
2019年08月27日
60歳代にBMI(体格指数)が高く、ウエスト周囲径の大きい人は、脳の老化が早まり、認知症のリスクが上昇するという研究を米国のマイアミ大学が発表した。
肥満やメタボによって、脳の老化が10年以上早まるおそれがあるという。
スマホの使い過ぎが肥満の増加に直接に影響するという研究も発表された。
肥満やメタボによって、脳の老化が10年以上早まるおそれがあるという。
スマホの使い過ぎが肥満の増加に直接に影響するという研究も発表された。
中年期に健康指標が低いと脳が老化しやすい
60歳代にBMI(体格指数)が高く、ウエスト周囲径が大きい人は、加齢にともない、記憶や思考などで重要な役割を果たす大脳皮質(灰白質)の厚さが薄くなる比率が高まることが明らかになった。
これらの要因は、脳の老化を10年以上加速させる可能性があるという。
研究は、マイアミ大学医学部神経学科の研究チームが発表したもの。詳細は医学誌「Neurology」オンライン版に掲載された。
「今回の研究では、BMIやウエスト周囲径が上昇するほど、脳の大脳皮質(灰白質)の厚さが薄くなる傾向があることが確認されました。これは、肥満が脳の灰白質の減少と関連していることを意味します」と、マイアミ大学医学部脳経学部のタチアナ ルンデク教授は言う。
「こうした関連は65歳未満の人でとくに強く、中年期に健康指標が低いと、脳の老化や、記憶力や思考力の低下が起こりやすくなるという、これまでの予想を裏付ける結果になりました」と、ルンデク教授は指摘する。
関連情報
肥満があると大脳皮質が薄くなりやすい
研究チームは、平均年齢64歳の男女1,289人を対象にBMIとウエスト周囲径などを測定し、平均で約6年後に脳MRI検査で評価した大脳皮質の厚みや脳容積との関連を調べた。
参加者の26.8%のBMI 25未満の標準体重で、44.3%はBMIが25~30の過体重で、58.9%がBMI 30以上の肥満だった。
ウエスト周囲径の平均は、標準体重のグループでは83.8cm、過体重のグループでは91.4cm、肥満のグループでは104.1cmだった。
検査の結果、BMIが1単位上昇するごとに、過体重の人では大脳皮質が0.098mmずつ薄くなり、肥満の人では0.207mmずつ薄くなることが示された。ウエスト周囲径の上昇も、大脳皮質が薄くなることに関連付けられた。
大脳皮質が薄くなることは、アルツハイマー病のリスク上昇につながる。こうした傾向は、高血圧、飲酒や喫煙の習慣など大脳皮質の厚みに影響する因子を調整した後でも示された。
肥満が脳の老化を10年以上早める
「健康な人でも加齢にともない、大脳皮質は10年当たり0.01~0.10mm薄くなります。しかし、今回の研究では、過体重や肥満が老化を加速し、脳の老化を10年以上も早める可能性が示されました」と、ルンデク教授は言う。
こうした関連は65歳未満の人でより強くみられた。とくに中年期の体重は、その後の大脳皮質の薄さと関連していることが示された。
「体重を減らすことで、脳の老化や、脳の老化にともなう記憶力や思考力の低下を防げる可能性があります」と、ルンデク教授は言う。
「過体重や肥満の人口は世界中で増えており、多くの人が減量について悩んでいます。そして、そうした人の多くが高齢化しています。肥満と認知症について、公衆衛生上のサポートを強化する必要があります」と、ルンデク教授は指摘する。
スマホの使い過ぎが肥満の増加に直接に影響
1日5時間以上のスマホが肥満リスクを43%増加
研究チームは、平均年齢20歳大学1,060人を対象に、スマホの使用時間とBMIの関連について調査した。その結果、スマホの使用時間とBMIの間に有意な関連が認められた。
スマホを1日5時間以上使用すると、肥満のリスクが43%増加した。1日5時間以上スマホを使用していた人は、使用時間が5時間未満の人に比べて、身体活動量が少なく、高カロリーの飲料、ファストフードや菓子類、スナック類の摂取量が多いという不健康な生活スタイルをもつ割合が2倍に上昇した。
「今回の研究は、心血管疾患の危険因子である肥満の主要原因のひとつを明らかにしたものです。テクノロジーの進歩が、必ずしも健康増進に結びつかないことを示しています」と、マンティラ-モロン氏は述べている。
Measures of obesity are associated with MRI markers of brain aging The Northern Manhattan Study(Neurology 2019年8月20日)
Five or More Hours of Smartphone Usage Per Day May Increase Obesity(米国心臓病学会 2019年7月25日)
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