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「不飽和脂肪酸」が肥満リスクを打ち消す 悪玉コレステロールを低下 脂肪とコレステロールをコントロール
2019年08月26日
魚などに含まれるn-3系脂肪酸を良く摂取している人は、心筋梗塞や脳卒中のリスクが低いことが明らかになった。糖尿病の人が不飽和脂肪酸を摂取すると、死亡リスクを減らせるという研究も発表された。不飽和脂肪酸には、糖尿病の遺伝的リスクを打ち消す働きもあるという。
食事ガイドラインでは、とくに脂肪の摂取量の多い人で、飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に置き換えることが勧められている。
食事ガイドラインでは、とくに脂肪の摂取量の多い人で、飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に置き換えることが勧められている。
不飽和脂肪酸が悪玉コレステロールを低下
脂肪は、▼多価不飽和脂肪酸、▼一価不飽和脂肪酸、▼飽和脂肪酸の3種類がある。体内のコレステロールを増えやすくするのは飽和脂肪酸を多く含む食品、逆に体内のコレステロールを下げる働きがあるのは不飽和脂肪酸を多く含む食品だ。
このうち不飽和脂肪酸は、魚の脂や植物性食品に多く含まれ、体内で合成できない。αリノレン酸・リノール酸・アラキドン酸などの多価不飽和脂肪酸は、食品から摂取する必要がある。
油の多い肉類、ラード、バターなど、主に動物性食品に含まれる飽和脂肪酸は、摂り過ぎると動脈硬化を進行させる。油というと、炒めたり揚げたりする目に見えるものをイメージしがちだが、菓子やパン類、カレールーなどの加工食品にも含まれる、目に見えない油脂にも注意が必要だ。
飽和脂肪酸を控え、代わりに魚介類、ナッツ類、豆類、オリーブ油・キャノーラ油・大豆油などの植物油を摂取することで、脂肪酸のバランスを整えられる。
これらの不飽和脂肪酸には、動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、LDLコレステロールを減らすなど、さまざまな作用がある。一価不飽和脂肪酸でよく知られているオレイン酸はオリーブ油に多く含まれ、血液中のLDLコレステロールを下げる効果が報告されている。
関連情報
不飽和脂肪は心疾患のリスクを減らす
多価不飽和脂肪酸はn-3系とn-6系に分けられる。魚のn-3系不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)は、中性脂肪を下げ、血栓(血のかたまり)ができるのを防ぎ、動脈硬化を予防する働きをすることが知られる。
血中のn-3系脂肪酸レベルは、コレステロール値よりも死亡リスクの正確な予測手段になるかもしれないという研究を、スタンフォード大学などが発表した。n-3系脂肪酸レベルの高い人は、低い人に比べて死亡リスクが約33%低くなることが示された。
この研究は、1948年に開始された「フラミンガム心臓研究」の当初の参加者の子孫2,500人を追跡したもの。今回の研究では、参加者の年齢は試験開始時点で66歳で、73歳前後になるまで追跡して調査した。
その結果、n-3系脂肪酸濃度が高いほど、心血管疾患と、虚血性心疾患、脳卒中のリスクが低いことが明らかになった。とくに、心血管疾患やがんで以外の全ての死因とn-3系脂肪酸濃度は強く関連していた。
先行する3件の研究でも、n-3系脂肪酸レベルの高さが死亡リスクの低さに関連することが示されている。今回の研究では、血中コレステロール値よりもn-3系脂肪酸の方が、心疾患のリスク評価をする上で効果的であることも分かった。
「心疾患は、加齢、肥満、糖尿病、喫煙などの要因によってもリスクが高くなります。バター、ラードやクリーム、チーズ、肉といったものにも飽和脂肪酸が含まれます。これらの食品の過剰な摂取には注意が必要です」と、スタンフォード大学医学部内科学部のウィリアム ハリス氏は言う。
不飽和脂肪酸が糖尿病患者の死亡リスクを低下
脂肪とコレステロールをコントロールするために
血液中に含まれるコレステロールや中性脂肪などの脂質の量が増えすぎることで、動脈硬化が進行しやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などが引き起こされやすくなる。もしこれらの値が異常と診断されたら、食事や運動などの生活スタイルを改善することが必要だ。
ハーバード公衆衛生大学院は、脂肪とコレステロールをコントロールするために、次のことをアドバイスしている。
● 肉の代わりに魚を食べる |
● 食物繊維や大豆製品を十分に摂る |
● ウォーキングなどの有酸素運動を習慣化する |
Standards of Medical Care in Diabetes--2019(米国糖尿病学会 2019年1月)
Dietary fats and mortality among patients with type 2 diabetes: analysis in two population based cohort studies(ブリティッシュ メディカル ジャーナル 2019年7月2日)
Erythrocyte long-chain omega-3 fatty acid levels are inversely associated with mortality and with incident cardiovascular disease: The Framingham Heart Study(Journal of Clinical Lipidology 2018年3月15日)
Study shows omega-3 levels better predictors of death risk than serum cholesterol(OmegaQuant 2018年3月15日)
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