オピニオン/保健指導あれこれ
QOL

LGBTについて、学校保健分野・地域保健分野・産業保健分野で考える

岡山大学大学院保健学研究科 教授
中塚 幹也

 LGBTの子どもは、どのクラスにもいるものの、学校の中では見えない存在です。それは、「絶対に伝えまい」と自身の気持ちを封じ込めているからです。LGBTの子どもは、自身の性に関する悩みを持ったり、いじめを受けたりすることも多く、自殺未遂は、同年代の子どもの中でも高率です.

 2015年の文部科学省の通知「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」以降、学校保健の中でも新たな課題として取り上げられつつありますが、教職員の持つ知識は十分とは言えません.

 LGBTの子どもが自身の悩みを言い出しやすい環境を作るためには?もし、打ち明けられたら?学校と医療施設が連携するメリットは?このような、いくつもの疑問にお答えします。

 また、学校保健だけでなく、地域保健や産業保健におけるLGBTの方々への対応についても解説していきます。

プロフィール

  • 中塚 幹也
  • 中塚 幹也
    岡山大学大学院保健学研究科 教授

    経 歴

    1986年 岡山大学医学部卒業
    1992年~1995年 米国NIH(National Institutes of Health)に留学
    1998年~岡山大学ジェンダークリニック開設時からのメンバー
    2004年~岡山県不妊専門相談センター センター長(兼任)
    2006年 岡山大学医学部保健学科 教授
    2007年~岡山大学大学院保健学研究科 教授
    2013年~岡山大学生殖補助医療技術教育研究センター 教授(兼任)
    2014年 文部科学省 学校における性同一性障害に係る参考資料作成協力委員会委員
    2016年~GID(性同一性障害)学会認定医

    最近の主な著書

    封じ込められた子ども、その心を聴く―性同一性障害の生徒に向き合う 著:中塚 幹也、発行所:ふくろう出版 発行日:2017年8月

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    「性同一性障害(GID)」。今では広く知られるようになった言葉だ。しかしながら現在の規則、法律、制度などの多くは「そのような人はいないもの」として整備されないままとなっており、当事者を取り巻く環境はいまだ厳しいといえる。 本書の著者は、医師としておよそ20年にわたり性同一性障害の診断・治療に取り組んできた。当初はまれだった小中学生の受診も次第に増え、今では10代の占める割合は1割を超えるという。 「スカートをはくのが嫌だった」「プールの授業を休んだ」「「おかま」といじめられた」「リストカットした」「自分はおかしい」「誰にも言えない」。 性同一性障害当事者の中には、無知や無理解によるいじめや偏見から、うつや引きこもり、自殺未遂などの経験を持つ人も少なくない。自分の気持ちを吐き出せない子どもたち。封じ込められた彼らの心を、最も近くで聴いてきた著者が感じたのは、子どもへの対応、特に学校での対応の重要性である。 性同一性障害の児童・生徒への適切な支援、多様な性への理解を深めるための在校生全体に対する教育、保護者への情報提供など、子どもへの対応は当事者のみならず、周囲の生徒や保護者など、多くの人生を変える可能性に満ちている。 本書では、性的マイノリティの基礎知識から社会の変遷、性別違和感を持つ子どもからのアラームサイン、文部科学省の動き、医療的支援、学校でできる具体的な対応など、様々な調査や事例を交え、分かりやすく解説。性別違和感を持つ子どもたちが自分らしく「普通に」生きるために、まずは大人が関心を持つこと。知識がないせいで身近な人を傷つけないための、教師や保護者、そしてすべての大人たちに向けた入門書である。(出版社より)

    〇「個「性」ってなんだろう?」(監修):あかね書房 2019年

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