オピニオン/保健指導あれこれ
LGBTについて、学校保健分野・地域保健分野・産業保健分野で考える

No.2-6 LGBTと⾃殺、社会的養護、家族形成:ライフプランを持つには

岡山大学大学院保健学研究科 研究科長
中塚 幹也

まんがで読む「未来への選択肢」の中のLGBT当事者

 日本のLGBTの子どもたちにとっては、将来のライフプランを描くことができる状況ではありません。残念ながら、現時点では、学校へ行くことができるのか?自殺せずにいられるのか?進学や就職ができるのか?というような視点での支援が始まったばかりです。

 しかし、不安が大きいLGBTの子どもたちにとって、将来への光が見えることは、大きな支援、さらには自殺対策になると思います。

 同性婚と比較すると法的拘束力はないものの、同性パートナーシップ制度を導入する自治体が増加しています。また、里子や特別養子に加えて、生殖医療を用いて、子どもを持つことができるようになれば、さらに家族を形成する選択肢が増えることになります。

 私達は、マンガ本『ライフプランを考えるあなたへ:まんがで読む「未来への選択肢」』の拡大版、拡大版第2版を作成し、LGBT当事者が子どもを持つことについて解説しています。LGBT当事者も含め多くの人々に、ご利用いただければと思います。

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■参考資料

★参考文献
1)中塚幹也:性同一性障害当事者が子どもを持つこと。GID全国交流誌2014。 pp。46-48、 2014。
2)中塚幹也:性的マイノリティのリプロダクティプ・ヘルス/ライツ。精神科治療学31:1073-1076、2016。
3)中塚幹也:性の多様性に対する生殖医療の役割。医学のあゆみ263:349-351、 2017。
4)中塚幹也:性同一性障害当事者と家族形成。母性衛生58:学3-学8、2018。
5)村上優子、田淵和宏、酒本あい、松田美和、清水恵子、鎌田泰彦、新井富士美、平松祐司、中塚幹也:性同一性障害当事者が、生殖医療技術、特別養子縁組で子どもを持つことへの肯定感。GID(性同一性障害)学会雑誌5:31-37、2012。
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