加熱式タバコの使用は自覚的頻発頭痛と有意に関連 2万人の調査で判明
長岡技術科学大学と獨協医科大学などの研究グループが、加熱式たばこの使用と自覚的頻発頭痛との関連を調査した。
研究グループによると、加熱式たばこと頭痛との関連を大規模に調べた研究は世界で初めてという。
たばこ対策で「頭痛」という視点も
頭痛性疾患は、生活の質を低下させ、仕事や日常生活にも大きな支障を及ぼすことが知られている。これまで、紙巻きたばこの使用と頭痛との関連を報告した研究はあったが、近年利用が広がっている加熱式たばこと頭痛との関係については、十分な科学的知見がなかったという。
加熱式たばこは「紙巻きたばこより害が少ない」と認識されることが多く、日本では2010年代後半に急速に普及した。厚生労働省の2024年「国民健康・栄養調査」では、現在習慣的に喫煙している人のうち男性の41.4%、女性の44.2%が加熱式たばこを使用している、との報告がある。
加熱式たばこのエアロゾルには、紙巻きたばこの煙より含有量が少ない有害物質はあるが、ニコチンなど身体に作用するさまざまな成分も含まれている。そのため研究グループは加熱式たばこの使用と自覚的頻発頭痛との関連を検証した。
研究では2025年のインターネット調査に参加した全国の一般住民2万3228人のデータを解析。過去1年間の頭痛頻度を自己申告で「時々」または「頻繁に頭痛がある」と回答した場合を「自覚的頻発頭痛あり」と定義した。
その結果、全体の25.5%(5923人)が自覚的頻発頭痛を有していた。さらに、年齢や性別、生活習慣、健康状態などの影響を考慮して解析したところ、加熱式たばこの使用歴がない人を基準にすると、現在使用している人では、自覚的頻発頭痛との統計学的に有意な関連が認められた。一方、過去に使用していた人では、有意な関連は認められなかった。
研究グループは、今回の結果について、「加熱式たばこは『害が少ない』という認識を改めるきっかけになる」と指摘。「頭痛診療の現場においては、紙巻きたばこだけでなく、加熱式たばこの使用についても生活指導や問診で把握する重要性が示された」と説明している。
また、公衆衛生の観点からも、新型たばこを含めた包括的なたばこ対策や啓発活動に、頭痛という視点を組み込む必要があると解説した。
ただし、今回の研究は一時点の状況を調べた横断研究であり、加熱式たばこの使用が頭痛を引き起こしたとは結論づけられない。頭痛の評価も医師の診断ではなく自己申告に基づいており、片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛などの種類は区別されていない。
研究グループは今後、頭痛の種類によって関連に違いがあるかや、禁煙などの生活指導によって頭痛に変化が生じるかを検討するとしている。
加熱式タバコ使用は自覚的頻発頭痛と有意に関連--世界初、2万人の調査で加熱式タバコと慢性頭痛の有意な関連を実証ー(東京都健康長寿医療センター/2026年6月30日)本サイトに掲載されている記事・写真・図表の無断転載を禁じます。


